【2夜目‐2】 ふたりの時間。相風呂の時間。
しばらく風呂時間を満喫したあと、芽玖、情、絵美の3人が風呂場からあがった。
キャイキャイ言いながら着替えていたが、しばらくして脱衣所が静かになる。
どうやら着替えが終わって出ていったようだ。
昨日に引き続き、俺と別好が風呂場に残った。
「どうするか。
──ところで相風呂ってなにするんだ?」
別好に訊ねると、俺の腕を引っ張り、浴槽から引っぱり出される。
「洗いっこ、する」
「洗いっこか……」
とりあえず、別好に背中を向ける。
別好は、ボディソープのボトルを取ると、数回プッシュし、スポンジに染み込ませた。
そして、俺の背中を洗い始める。
「かゆいところ、ある?」
──おお、なんか床屋みたいだな。
「じゃあ、ちょっと下のあたりを強めにやってくれないか?」
「はい」
言われた通り、少し強めに擦ってくる。
「あー、ちょうどいい力加減だよ。ありがとう」
「瑠女雄、あたしも」
別好が俺に背中を向けて座る。
「俺もやるのか……」
白い背中を見て若干躊躇する。
「スポンジで擦るだけでいい」
そう言われ、観念して静かに擦ってやる。
「──くすぐったい……」
「ご、ごめん。
意外と難しいな……」
◆◆◆◆
──そんなこんなで時計を見ると、相風呂を始めてから1時間くらいが経過していた。
「もうそろそろあがったほうがいいな」
「うん、また明日くる」
あっさりと立ち上がる別好。
彼女が風呂場から出ていくのを、湯船から静かに見送るのだった。




