84「擬人猫化」
ショパン「1週間ぶりの我が家に来たぞー!!」
ラフマニノフ「ああ、リフレッシュできたな。今回の日本観光旅行でな」
アゲハ「あなた達、まさか1日目から私にくっついて旅行するのが嫌になり、二人で単独行動するなんてね。裏切られた気分よ」
ショパン「アゲハはエキスパートピアノは初めてだよね??」
アゲハ「ええ!!」
三人は校門の前に立っている警備員に挨拶した。
ラフマニノフ「いつもご苦労様」
ラフマニノフは警備員に話しかけたが、警備員は何やら無言だ。
ラフマニノフ「どうした?? いつものように元気に『何も問題は起きていませんのでご安心を!!』と言ってくれよ!!」
警備員「実は……」
ショパン「あれ?? あーーー!!」
警備員「ショパン様!! 気づかれましたか??」
ショパン「僕たちが何百億ポイントかけてつけたオレンジダイヤモンドとピンクダイヤモンドが無くなってる!!」
ラフマニノフ「嘘だろ?? 警備員!! どういうことだ??」
警備員「はい!! しかし、盗まれたのではないことがはっきりしてます。監視カメラを確かめたのですが、オレンジダイヤモンドとピンクダイヤモンドは、、、実は擬人猫化しました」
アゲハ「擬人猫化?? 何それ??」
警備員「ダイヤモンドたちはいきなり猫に変身したのです」
ラフマニノフ「猫なんてどこにもいないじゃないか」
「ここにいるよ!!」
ショパン「え〜〜??」
すぐ近くの花壇の影から2匹のしゃべる猫が姿を現した。
ピンクダイヤモンド猫「ラフマニノフ様!! 待っていましたわ!! 私の恋人!!」
ピンクとブラックの2色の体で猫はラフマニノフに飛びついた。
ラフマニノフ「こら!! 誰が恋人だ?? 俺の恋人はバイオレットだ!! バイオレットとピンクで名前の色が似ているからって調子に乗るんじゃない」
もう一匹のオレンジとホワイトの猫はショパンに挨拶した。
オレンジダイヤモンド猫「ショパン様!! あなたがピアノから生まれたように、私達はダイヤモンドから生まれました。これからよろしくお願いします」
ショパン「あの……」
ショパンは言葉を失った。
ラフマニノフ「まさか、擬人猫化するとはな。不思議だな!!」
ショパン「僕は逆に嬉しいよ!! この猫たちはきっとエキスパートピアノを有名にしてくれよ。今以上にね。話題性半端ないからね」
アゲハ「ゲンは元気かしら?? 1週間、頑張ってくれたのよね??」
ショパン、ラフマニノフ、アゲハ、擬人猫たち2匹は校長室へと向かった。
ラフマニノフ「ゲン、いるかな??」
ショパン「驚かしてやろうよ!!」
校長室の扉をゆっくり音を立てないように開けた。
しかし、誰もいないみたいだ!!
ラフマニノフ「おい、机に何か置いてあるぞ??」
アゲハ「手紙ね。ゲンのだわ。名前が書いてある」
ショパン「読んでみて!! ラフマ。」
ラフマニノフ「『本日、現れた猫たちがきっとショパンとラフマニノフのエキスパートピアノを霊界最大の音楽学校にするという夢を叶えてくれるでしょう!! 私はエキスパートピアノの副校長を辞めます。あなた方は人使いが荒い!! 私は短気だから副校長にし、雑用ばかりやらせる二人には我慢できません!! やってられねえよ!! 当分、会わないようにします。さようなら』だって書いてある!!」
アゲハ「人の心の内は分からないものね。ゲンはショパンとラフマニノフを親友だって言っていたはずなのに」
ショパン「そんな……ゲン!!」
ラフマニノフ「…………嘘だろ?? そんな不満な素振りは一切、見せなかったのに。これがゲンの本心なのか……」
ショパンとラフマニノフはショックで言葉を失った。