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71「舟歌カレー」

ショパン「これが僕の舟歌をイメージしたカレーだよ!ぜ

ひ、食べてみてくれ!」


ラフマニノフ「よし、食べてみよう!舟歌のカレーってどん

な味だ?」


 ラフマニノフは一口食べてみると、目を閉じて、体をユラユラさせた。


ラフマニノフ「口に入れた瞬間にショパンの作曲したピアノ

曲の舟歌が、頭の中で再生されたぞ?どういう仕組みになっているんだ?」


ショパン「これは、音楽再生料理といって、僕が発明したん

だ!霊界で初めてらしくて、特許を取ったんだ!!!ラフマに負けないビジネスをして、ラフマに負けないくらいお金を稼ぎたいからね!」


ラフマニノフ「ものすごい発明だな。きっと売れるぞ?でも、どういう仕組みなんだ?」


ショパン「地上世界では科学的に絶対に無理だけど、霊界で

は可能だったんだ。カレーの材料に私がピアノ演奏を聞かせて、材料の中の記憶分子に音楽を記憶させるんだ」


ラフマニノフ「よく、分からないが。とにかく、食べた時

に、録音された音楽が脳内で再生されるんだな?」


ショパン「そうだよ!今日、この音楽再生料理である舟歌カ

レーを、霊界のコンビニに置いてもらえように、商社に交渉するんだけど、ラフマも来てくれないかな?」


ラフマニノフ「自分の力でやってみろ!俺が助けたら、お前

が満足しないだろ?」


ショパン「でも、お互いに助け合い、協力するって決めたじ

ゃん!」


ラフマニノフ「お前の力を伸ばすためだ!なんても助けてい

たら、お前が成長しないだろ?」


 こうして、ショパンはただ一人で商社に、この音楽再生料

理の「舟歌カレー」を売り出すことにした。


 舟歌といえば、ショパンの傑作だから、売れるだろうと思っていたのかもしれない。


 商社にいくら電話し、メールし、直接出向いて、話だけでも

聞いてもらえるようにと、粘り、やっと会議室へと通された。


商社の営業マン「そんなのカレーを食べながら、CDでも流

して、舟歌を聞けばいい」


と需要がないと言われてしまった。


 ショパンは必死に説明した。


ショパン「このカレーには、私の生演奏が録音されていま

す。CDを買ったり、演奏会に来なくても、このカレーを食べれば、私のCDでは味わえないオリジナル演奏の舟歌が、体に振動するように響き渡ります!!!」


商社の営業マン「しかし、音楽はまあいいとして、味がイマイチなんですよ!!!」


ショパン「えっ?そこですか?あっ、確かに音楽が流れるだ

けばかりを重視していて、味はあまり気にしてなかったです!!!」


商社の営業マン「カレーが不味ければ、音楽を聴きたいとは

思わないでしょう。カレーが美味しければ、音楽に興味がない人でも買ってくれるでしょう。味とオリジナリティ『音楽再生』を両立させなくてはなりません!私たちが独自に紹介する人気ナンバーワンのカレーとコラボしてはどうでしょうか?味まで開発していたら、時間がかかりますし!この音楽再生料理のアイデアはとても斬新で良いものですから」


ショパン「いいえ、僕は味もイチから研究して、私だけの力

で作り上げて見せます!!!大好きな相棒に言われたんです!自分の力でやらないと成長がないって!!!」


 そういうことで、ショパンは自力でカレーの研究をしようと思っていたが、ラフマニノフから意外な提案をされた。


ラフマニノフ「ショパン。実は、『俺のカフェ』でお前の音楽再生料理を使いたいんだ!カレーを開発することは手伝わない。お前が一人でやってみろ!でも、カレーを開発できたら、『俺のカフェ』でメニューに出してみよう。そこから、カフェが有名になれば、お前の商品も話題になり、売れて、商社が幅広く販売してくれるかもしれないからな!!!」


ショパン「でも、自分一人の力でって......」


ラフマニノフ「それは、カレーを開発することに関してはだ!!!全てとは言ってない!!!協力してこそ俺たち相棒だろ?全てを一人でやろうとすると、大きなことは成し遂げられない!

ただ、俺はショパンにカレーを独自開発して、自分の力で成

し遂げたときの喜びを体験してほしい!」


ショパン「ラフマが自分の会社を起業し、大きくしてきた喜

びを僕にも味わえって?」


ラフマニノフ「自分の成長と、人との協力。これで、事は成

し遂げられるのさ!!!」


ショパン「そうだね!!!ラフマ!僕、カレーの開発、頑張るから」

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