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69「相談室」

「ショパン&ラフマニノフの相談室」という場所があり、そこに一人の青年が来ていた。


ショパン「こんにちは。どんなことを相談したい??」


ラフマニノフ「素直に話してくれよ。隠さなくていい。せっ

かく選ばれたんだからね」


青年「僕は社会に貢献できないということにすごく罪悪感を

感じています。あなた方はエキスパートピアノ音楽学校を作り、弱者を助けるための運動もして、すごく素晴らしいと思います。自分もしてみたいです。でも、心の問題があり、できません」


ショパン「なぜ、できないのかな??」


ラフマニノフ「心にどのような問題があると??」


青年「仕事の面接の予約を入れても、怖くなり、不安にな

り、キャンセルしてしまったり、運よく採用してもらったけれど、勤務初日で仕事中にいきなり無断で逃げ出して帰ったりです。もう10回以上失敗していて、10年以上何もできていませ

ん。ニートなのです。ショパンやラフマニノフみたいに活躍したい、あなた方みたいに活躍したいけれど、できません。

逃げたり、キャンセルしたり、うまくいきません。きっと、

強制的に連れていかれたり、やらないと拷問されるくらいの強制力がないとできないと思うのです。なぜなら、やらなくても生きていけるからだと思います。社会貢献活動をしなくても、働かなくても生きていける。だから、しない。

でも、ショパンやラフマニノフを見て、自分も心底、社会で

活躍して、自分も楽しみながら、世のため、人のために利他を実践できたらと思いました。でも、できません。したいけどできない。難しい問題です。皆さん活躍している人たちをテレビやネットで見ると、悔しくて、屈辱と敗北感で苦しくなります。なんで自分はできないんだって!みんなががあんなに活躍しているというのにって!心がとても弱いのです。歯磨きやシャワーや床屋すら苦痛になり、髭剃りすら苦痛になり。

何にもできないでいます。こんな自分、とても無価値で何も

できない、してないという屈辱から、存在ごと自分のことを消したくなります。自分を殺したいほど憎いです。今まで250個以上クソみたいな行動をしてきました。自分はダメ人間過ぎて、もう嫌です。ショパンやラフマニンフみたいに立派に、素晴らしい人になりたかった!!!悔しいです!!!でも、悔しいと思う資格すらないのだと感じています。悔しいといっても、行動したり、努力すらできないんです」


ラフマニノフ「長いな!! 余程、鬱憤が溜まっていたんだな」


青年「社会に貢献したいのです。この気持ちが叶わないので、物凄くもどかしいです。焦りと自己嫌悪で自分を責めてしまうのです」


ラフマニノフ「君は働きたくないんじゃなくて、働けないん

だと思っている。実際にその通りだと思う。働こうと行動すると、拒否反応が出たり、精神状態が不安定になる。ならば、自分に合った道を選ぼう。無理にみんなと同じように、我々と同じように行動しようと、社会に貢献しようとするんじゃなくて、自分の特徴や特性に合ったやり方で、社会に貢献していけばいい。何か君ができそうなことはないか?

自然にやってしまうこと=才能だと思ってくれていい。

無理にできないこと、苦手なことを挑むより、得意なことや持っている才能を磨いて生かしていけばいいと思うよ」


青年「小説を書いてます。ネットにも載せていますが、アク

セス数が雀の涙です。ほとんど誰にも見られません。だから、悲しいです。自分としては好きなように書いています。自分の書いた小説はお気に入りですが、見られないというのは残念ですね」


ショパン「でも一人は見てくれた人もいるんだろ?それ

でいいじゃないか。大勢に見られるよりも一人を楽しませられることを重視していきたいと私なら思う。何人か見てくれたなら、君は、私達と違った形で社会貢献していることになる。人のためになっているんだよ。人それぞれ、能力や性格や特徴や得意なことや好きなことも違う。だから、その人に合った社会貢献の仕方がある。千差万別だ。だから、私達を羨ましく思う気持ちもわかるが、まずは自分の能力や性格に合わせた志事をしていけばいいと思う。みんなが同じような仕事していたら、この世界は成り立たないだろう。自分だけのできることが、使命が必ずある。君はまずは、その小説を極める。極限まで高めていくことを心がけていけばいいと思うよ」


ラフマニノフ「そのうち有名になれるかもしれない。向上心

だけは忘れるな!小説を書くのが上達し、君が生んだ小説が一気に霊界中を広まって、みんなを楽しませられることで、社会に貢献できるかもしれない。そのような夢があるじゃないか」


青年「僕にそのような人気になる小説を書く才能はありませ

ん!自分に期待できません!!!」


ラフマニノフ「向上していけばいい。どうすればもっと面白

い霊界最高レベルの小説が書けるか、その方法を考え、試行錯誤して、実践していくしかない。君は普通に働くことは苦手で、できないのだから、小説で社会貢献するしかないんだと思う!必ず自分に合った社会貢献の方法がある。利他の方法がな。我々と同じ方法でやる必要はないだろう」


ショパン「苦手なことを無理に克服しなくていいって伝えた

い。今日は、この言葉だけ持って帰ってください!好きなこと、自分にできること、自然にやってしまうこと=才能を磨いて、武器にして、世の中に貢献していけばいいさ」


青年「ショパンとラフマニノフの小説を書いているのです

が、許可してもらえますか?あなた方が登場する小説で、あなた方が霊界で活動する小説ですが……」


ラフマニノフ「ああ。いいぞ!自由にやってみたまえ!我々

も見てみるからな」


ショパン「アドレスを教えてくれ。どんな内容なのか気にな

る!!!」


青年「実は、僕は地上世界に幽体離脱して、この霊界に来てます。ショパンとラフマニノフの様子を生命隠匿装置で姿を隠しながら観察させてもらいました」


ショパン&ラフマニノフ「え??」


 少年は自分は普通に労働ができなくても、一般就労ができな

くても、違う方法で人のために貢献できるということを2人の天才音楽家から教えてもらった。


 そして、その少年はとても社会貢献ができるようになったと

いう。


 そう遠くない未来で。

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