64「テレビ放送しよう」
ショパンとラフマニノフはエキスパートピアノ音楽学校の様
子をカメラで撮影、放送するテレビ局の番組の制作依頼を計画していた。
その名も「エキスパートピアノの風景」である。
週一で30分番組である。
そのチャンネルを回せば、エキスパートピアノの生放送が見
られるというものである。
カメラは100台設置して、ランダムにカメラの映像が選ば
れ、放送される。
ショパンとラフマニノフの校長室のカメラは、映る確率が「2500分の1」でとても貴重である。
いつ、ショパンとラフマニノフがそのチャンネルで映るか、楽しみで見る人がいるかもしれないという期待があった。
その「エキスパートピアノの風景」の視聴率が高ければ、テ
レビCMも流すので、莫大な金が手に入る。
生命ポイントだ。
生命ポイントとは霊界でのお金である。
ショパンとラフマニノフはテレビ番組の制作会社「マーマレード」に来ていた。
2人はそこの社長とアポを取っていた。
2人の有名音楽家が会いに来て、そこの社長はとても光栄に
思っていた。
2人はどのような番組にするかを細かくその社長と打ち合わせした。
社長「かしこまりました。番組をつくる費用はこの契約書通りです。わが社は霊界で人気なテレビ局です。そのゴールデンタイムに放送するということで、万が一、3か月の平均視聴率が5%以下ならば番組放送中止することになります。わざわざ超人気テレビ局で視聴率が稼げない番組を流していてもメリットはお互いに皆無ですからね」
ショパン「ああ、私たちはどうしても有名になりたい。エキ
スパートピアノ音楽学校を有名にしたいのです。なので、なんでも試してみたいと思いました。このマーマレードで私たちが提案したエキスパートピアノの風景を大々的に宣伝してください。ショパンとラフマニノフが経営するピアノに特化した音楽学校だと」
ラフマニノフ「ショパンを超えるピアノ音楽作曲家と、俺を
超えるピアノ協奏曲作曲家兼ピアノ演奏家を我がエキスパートピアノから出したい。そのためには、今でもとりあえず有名だが、さらに宣伝を強化して、知名度を上げなくてはならない」
社長「あなた方の夢はとても共感できます。夢を叶えるお手
伝いができれば嬉しい限りです」
こうして、100台のカメラを使い、「エキスパートピアノ
の風景」は放送されることになった。
開始からの平均視聴率は、
1か月目は11%。2か月目は8%。3か月目は5%。
一応、平均視聴率5%以上は達成した。
ショパン「うーん。なんか、視聴率が微妙だよね。もっと人
気出るかと思っていたのに!!!残念だな」
ラフマニノフ「俺たちが映る回数を増やしたらどうかな。他の生徒は無名だから、映っても見る人は少ない。見たいと思う人は少ないんじゃないかな」
ショパン「いっそのこと、僕ら2人だけのカメラにしてみ
る?有名な僕とラフマがいっぱい映る番組なら見る人がいるかもしれない。ピアノもたくさん演奏してさ。校長室とピアノ演奏室の2つだけにカメラを絞るんだ」
こうして、急遽、カメラはショパンとラフマニノフがエキス
パートピアノにいるところを集中させて映し、放送するようにした。
題名も「ショパンとラフマニノフのエキスパートピアノ音楽学校での様子」と改名した。
そうすると、霊界の有名な音楽家であるショパンとラフマニノフが見れるということで、ファンが視聴率を稼いでくれた。
平均視聴率は18%となった。
あくまで、校長室とピアノの演奏室での様子の2つのカメラ
のみ使われて、放送されているのだが。
また、30分の番組のなかで、15分はピアノ演奏をショパンとラフマニノフが生演奏、生放送でしてくれるということで、人気が出た。
最近の1週間の様子を事前に撮影し、編集し、放送する
「最近1週間のショパンとラフマニノフ」
も流された。
ショパンとラフマニノフが校長室で仕事している様子など、リアルタイムで2人の様子が見れるようにもした。
校長室で椅子に座り、リアルタイムで仕事をしていた
り、作曲していたり、2人が仲良く話していたりしている様子、食事の様子など様々である。
ショパン「もっともっと有名になって、成功して、生徒数を
増やして、いつの日か夢を叶えるんだ」
ラフマニノフ「自ら能動的に動けば、退屈する暇なんてない
んだな。自ら動く。待っているだけじゃなくて。受け身じゃなくてな。自分から行動することだ。それを実践していこう。これからもな!!!」
ショパン「日常なんて、心構え次第で、行動次第で、創造性を
発揮して、いくらでも楽しくできるんだ!」