表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/86

54「霊界音楽大臣&霊界外交大臣」

 霊界最高権力者「シナメルド」は「霊界音楽大臣」を決め

るべく、ショパンとラフマニノフに直に会っていた。


シナメルド「これから先、霊界音楽大臣を決めるのだが、君

たちが霊界音楽大臣に推薦する音楽家を教えてほしい。この

紙に書いてくれ。ちなみに霊界音楽大臣は1人しか選ばれな

い。それはショパンとラフマニノフのどちらかだ」


ラフマニノフ「それでは、なぜ、私たちが推薦する音楽家を

聞くんだ?」


ショパン「私たち2人のうち、どちらかならば、聞く必要は

ない気がするんだが……」


シナメルド「細かいことはいいから、紙に推薦者を書いてく

れ!!!」


 ショパンとラフマニノフは紙とペンを渡され、名前を書い

た。


シナメルド「霊界音楽大臣とは、つまり、霊界最高の音楽家

の地位だ。肩書だ。立場だ。その者がトップとなり、霊界

の音楽界を牽引していく。私の右腕になるんだ!!!!」


 シナメルドは2人が書いた紙を見た。


シナメルド「こうなったか……それでは、決まりだ。霊界音楽大臣はフレデリック・ショパン!!!」


ショパン「えっ?僕?僕が?本当に?そんなことあっていいのか?僕はラフマって書いたのに!!!」


ラフマニノフ「よかったな!!!ショパン!!!お前とはライバルだが、一足先を越されてしまったようだな!!!」


ショパン「ラフマ⋯僕は君に霊界音楽大臣になってほしかったのに!!!こんなの嫌だよ!僕は断るよ?ラフマを音楽大臣にしてくれ!頼む!シナメルド!!!」


シナメルド「いやいや、実は最初からショパンが音楽大臣に

なることになっていたんだ!私はショパンを右腕にしたいん

だ!ショパンのピアノ曲のセンスはすさまじい才能だからな。それに惚れた!!!君たちに音楽大臣の推薦者を書かせたのは、誰の名前を書くか知りたかったからだ。ラフマニノフはショパンしかいないと書いていたな。お互い、思い合っていて、素敵な関係じゃないか!!!」


ショパン「嫌だ。ラフマと僕は一心同体だから!!!僕だけが偉そうな地位につくなんて嫌だ!僕はやらないからな!!!ラフマと一緒ならやる!!!」


シナメルド「そうか。なら、霊界音楽大臣はショパン。霊界

外交大臣はラフマニノフ。ならばどうだ?どちらも要職で、霊界の重鎮だぞ?ラフマニノフはビジネスの才能が飛びぬけているし、外交的な性格からして、そうしたほうがいいな」


ショパン「霊界外交大臣は、霊界音楽大臣と同等の地位なん

でしょうか?どうなんですか?そうじゃなければ許せません!ラフマと僕はお互い、助け合って、共に進化し、レベルアップしていきたい。一人だけ、勝っているなんて嫌だから!!!」


ラフマニノフ「ショパン!俺のことをそこまで思ってくれて

いるのか!熱くて泣けてくるぞ!」


シナメルド「わかった。ショパンの言うように、二人とも同

じ地位の役職を与えよう!霊界音楽大臣と霊界外交大臣。こ

の2つは同じレベルの最も高い地位にしよう!!!」


ショパン「ごめんな!ラフマ。僕はラフマが音楽大臣にな

ってほしかった!音楽家最高の栄誉と聞いて、ひとり、ずる

いことしたみたいになってしまったよ!でも、ひとりしかな

れないらしい」


ラフマニノフ「恥ずかしいこというが、ショパンにはうって

つけだと思うぞ?美しい音楽を生み出す才能は誰よりもあるじゃないか!!!ショパンは音楽の偶像の最高傑作だ!音楽の才能では俺以上だ!だが、俺はショパンよりコミュニケーション能力がある。人見知りせずに、いろんな人脈を築き上げることができ、人付き合いがうまい。内気なショパンとは真逆だ。だからこそ、俺ら2人はバランスがいいんだ。人とのコミュニケーション外交は俺に任せろ!ショパンは音楽大臣が一番似合っている。霊界の誰よりもな!!!」


ショパン「ありがとう。ラフマ。内気な僕の弱点を補い、外

交のことは任せた!!!」


シナメルド「実は、霊界音楽大臣を決めるにあたっては、私

も悩んだんだ!!!しかし、ベートーベンとモーツァルトもショパンを推薦したよ!!!」


ショパン「あの二人が僕を推薦した?」


シナメルド「ショパンの旋律発想能力は霊界で一番だって、

二人が口を揃えて言っていた!!!美しいメロディーを生み出す力こそ、音楽の才能そのものだってな。そう定義すれば、ショパンが霊界最高の音楽家になるとも言っていた!!!」 


ラフマニノフ「よかったな!ショパン!お前はやはり、音楽

の申し子だ!!!俺がビジネスの成功を望んだのも、ショパンには音楽では敵いそうにないから、他にショパンに勝てる分野を持ってないとショパンと相棒になる資格はないと思ったからだ!ショパンという最高の音楽家に釣り合うために、俺も必死だったんだぞ?」


ショパン「ラフマ、、、君の方がピアノ演奏もうまいし、オ

ーケストレーションもうまいし、ピアノ協奏曲の作曲でも上

だし、霊界の音楽の先生としても3年連続1位だし、君も全然負けてない!その上、ビジネスで大成功した才能もあるし、外交的だし。君に嫉妬してしまうくらいだよ!!!」


シナメルド「お互いが本当に認め合っていて、見ていて心

温まるよ!!!いつ見ても、最高のバディだな。こんなに仲がいいコンビは初めて見た!!!」


 ラフマニノフはショパンが霊界最高の音楽家だと、霊界最高権力者のシナメルドに認められて、自分のこと以上に嬉しか

った。


 ラフマニノフはショパンこそ、音楽の最高傑作だと信じて疑わなかった。 


 しかし、ラフマニノフは内面、とても悔しかった。


 また、先を行かれてしまった。


 ライバルとして、バディ「相棒」として、自分は釣り合っていけるだろうか!偉大なショパンを心から尊敬するとともに、自分も負けないようにしなくてはと一層、心を燃やし、ショパンにさらに強く愛され、認められる人物になるんだと誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ