53「ナイバルに会う」
冥王星の『ナイバル』にアポを取り、会いに行ったショパンとラフマニノフ。
ナイバルはわずか40歳にして、600曲以上の優れたピアノ曲を作曲し、オーケストレーションにも優れ、様々な交響曲の傑作も残している。
ショパンが尊敬している作曲家である。
ラフマニノフも興味があり、会うことになった。
冥王星の霊界で、ナイバルは活動している。
ラフマニノフ「あんたがナイバルか。ショパンから聞いてい
るよ。ショパンより優れたピアノ曲の作曲家らしいな!!!」
ナイバル「わしは自分がショパンより優れているなんて思っ
たことはないよ」
ショパン「偽りの謙虚はいりません。あなたは僕よりも優れています。だからこそ、ある依頼をしに来ました」
ナイバル「依頼とは?」
ショパン「我が音楽学校、エキスパートピアノの文化祭の超
豪華な来賓として参加してもらえませんか?」
ラフマニノフ「オレたちは、まさに、あんたみたいな音楽家を育て上げることが夢なんだ」
ナイバル「つまり、わしが出ることにより、文化祭の参加し
ている生徒たちの士気を上げようということかな?」
ショパン「あなたが僕以上であることを利用して、僕を超え
るピアノ音楽作曲家が誕生しやすいようにしたいのです。僕を
目標にするのではなく、あなたを目標にする生徒を増やすこ
とでね。生徒の夢の基準を高めることが何より、大切だと思
うんです!!!」
ナイバルはいきなり鉄棒を出現させた。
ラフマニノフ「鉄棒?」
ナイバルはいきなり逆上がりを3回した。
ナイバル「音楽の魅力は鉄棒の逆上がりみたいなものだよ!!!!!勢いよく上に舞い上がる!その勢いを作ることが何より重要だ!!!つまり、必ず2か所以上は動物が魅了されるようなメロディーを曲に取り入れることだ!!!」
ショパン「逆上がりですか?変わった例えをされますね!!!」
ナイバル「静と動だ。静では、感動できる部分を。動は興奮
できる部分を意識するといい!!!」
ショパン「貴重なご意見、ありがとうございます。わが校の
文化祭には出演してくださりますか?ギャラはいくらがいい
でしょうか?」
ナイバル「わしがピアノの作曲家として成功できたのは、シ
ョパンのおかげだ。ショパンのピアノ曲がわしが住む冥王星
に伝わり、ショパンのノクターン12番にやられたんだ。すごい感動し、ピアノが数ある楽器の中で最も好きになった!!!ショパンがわしに影響を与えたんだ!!!」
ラフマニノフ「ノクターン12番だって?それはショパンが
特に気に入っている自作曲の一つだよ。あんたはショパンを
追いつき、追い越したんだよな!! オレはまさか、ショパンを超えるピアノ曲を作る音楽家がいるとは思わなかった。しかも、この太陽系にいるとはな。ショパンも自分が史上最高だって自負していたから、あんたの存在を知った時のショック
は大きかったんだ!!!」
ショパン「悔しいですよ、ナイバル様。あなたは僕以上の天
才だ!!!だからこそ、文化祭に出てほしい。みんなを驚か
せたい。僕の格上の存在がいることを生徒たちは知らない人
が多い」
ナイバル「冥王星は自分たちの音楽を他の星へ輸出したりし
ない。自分から冥王星に来ない限り、冥王星でしか私の曲は
聞けない。逆に、地球は積極的に音楽などを輸出していて、
太陽系ではショパンのピアノ曲はとても有名だ。ショパン自身もな。だから、ショパンは超有名で、わしの存在はあまり知られてない。ショパンよりはな。冥王星も輸出すべきなのかもしれないな。音楽の輸出を。でも、ショパンのピアノ曲の新曲は毎回、楽しみにしている。音楽は永遠の勉強だからな」
ショパン「ピアノという楽器は地球から始まった地球オリジ
ナルの楽器なんですよ。だから、ピアノを生んだ地球にいる
僕が、他の星の人に追い越されて、とても悔しいですよ!!!」
ナイバル「ちょっとついてこい!」
ショパンとラフマニノフは、ナイバルに誘われ、霊界の海へといった。
ナイバル「優れた曲かどうかを判断するときは、海の中にピアノを入れ、どれだけ海の生き物が近寄ってくるか!で判断
する。水中から伝わる音の振動を敏感に感じとる魚などの海
の生物たちが曲を審査をしてくれる。魚が激しくカクカク突進するように動いた音楽ならば、とても興奮を得られる音楽。魚が体を上下逆さにして、泳いだ場合は、感動する音楽。そして、何度も七色に魚が体を光らせた場合は、感動、興奮、癒しの3種類がそろった神曲だ!わしはいつも魚たちに自分の作曲した音楽を聞かせるよ。たまに、全く反応しない曲があり、その魚たちに意見を求めることもあるさ。あくまで、わしの場合はね」
ラフマニノフ「以前、海でショパンの曲をかけたら、鯨がた
くさん寄ってきたんだ!!!オレのピアノ協奏曲をかけた
ら、様々な種類の魚たちが寄ってきた。懐かしいな。あの頃
が!ちなみにあなたの好きなノクターン12番をかけたら、サンゴがダンスしだしたんだ」
ナイバル「鯨が寄ってきたなら、それは個性的で、独創性の
あり、万人から好かれないが、ある種類の人間にはとても刺
さる曲だ。たくさんの種類の魚が寄ってきた場合は、万人か
ら好かれやすい曲だね。サンゴがダンスした場合は、癒し効
果の高いメロディーなんだと思う。海の生き物は正直だか
ら、人間以上に耳の肥えた聴衆だよ。海の生き物たちの反応
をまとめて、曲の評価や分析をしてくれる『海の自動音楽評価
機』を君のエキスパートピアノ音楽学校で広めてくれないか?
私の会社が開発したんだ!きっと、ピアノ音楽の発展にとて
も貢献すると思う。わしも稼ぎたいから、ぜひ、冥王星しか
ないそれを輸出させ、有名にしてくれ!そうすれば、文化祭
に出演してやろう!!!」
ショパン「お互い、力を合わせていきましょう!!!互いに
利益を得られ、不満のないように協力しあいましょう!」