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45「オガサイ音楽学校コンテストランキング」

 霊界最大の音楽都市「オガサイ」はショパンとラフマニノフの音楽学校「エキスパートピアノ」があるだけじゃなく、霊

界で最も音楽が盛んな都市である。


 この「オガサイ」には、ショパンたちの「エキスパートピアノ」だけでなく、たくさんの音楽学校や音楽教室が点在している。その数、千個以上にも及ぶ。


 「オガサイ」では、毎年、


「オガサイ音楽学校コンテストランキング」


というものが発表されており、このコンテストランキングで頂点を取れば、それは、「オガサイ」で頂点ということであり、つまり、霊界で最も偉大な音楽学校ということが証明されるのである。


 ショパンとラフマニノフには大いなる野望がある。


「オガサイ音楽学校コンテストランキングで1位になり、エ

キスパートピアノを霊界で最も偉大で人気な音楽学校にする

こと」


「ショパンを超えるピアノ音楽作曲家をエキスパートピアノか

ら輩出すること」


「ラフマニノフを超えるピアノ演奏家、ピアノ協奏曲作曲家

をエキスパートピアノから輩出すること」


である。この目標のために日々、全力で突き進んでいる。


 その「オガサイ音楽学校コンテストランキング」の表彰式が行われた。


 霊界のテレビ番組で生中継される高視聴率が稼げる表彰式

は、たくさんの音楽学校の生徒や音楽ファンが視聴するの

で、注目度が高い。


結果


1位「フルビットミュージック」〜モーツァルト&ベートー

ベン


2位「トリプルプラス演奏&作曲音楽学校」〜バッハ&チャ

イコフスキー


3位「エキスパートピアノ」〜ショパン&ラフマニノフ


 ショパンとラフマニノフのエキスパートピアノは3位で銅メ

ダルだった。


 1位から3位まで表彰があり、表彰台に上がることになる。


ショパン「ああ、3位か。前回は9位だったけど、まだ設立してあまり経ってないから上出来かな!」


ラフマニノフ「モーツァルトとベートーベンのフルビットミ

ュージックは設立14年目でやっと1位になったからな。このま

まいけば、5年以内に1位を取れるかもしれない!」


モーツァルト「こらこら、ラフマニノフ君。私の学校は知名

度と人気度の評価項目で1位だ。私たちの学校はエリートし

か選ばないんだ!入学試験で才能のない奴はふるいにかけ、

落とすからな。君たちみたいに生徒数だけ多くて評価され

て、3位になっても自慢になるのかな?」


ショパン「何言ってるんだ?僕たちはできるだけ多くの人に

ピアノの魅力を伝えるのが使命だ!少数精鋭なんて自慢にな

らない!僕たちはピアノ専門学校だからな。オーケストラを

教えてないから不利で、ランキングでは君たちに負けやすい

だけだ。僕たちがオーケストレーションにまで手を出した

ら、きっと君たちといい勝負すると思うよ!でも、それは望

んでない!僕たちはピアノの大天才を育て上げたいんだ!」


ベートーベン「そうか。モーツァルトと私はオーケストレー

ションを主に力を入れている。ピアノのことは君たちに任せ

ようではないか。ただ、このオガサイ音楽学校コンテストラ

ンキングではピアノに特化していた場合、たぶん、私たちを

一生超えられないかもしれないが、いいのか?」


ラフマニノフ「そりゃ、1位は取りたいさ。それは、私たち

の悲願だ。目標だ。でも、それはこのエキスパートピアノか

らショパンを超えるピアノ音楽作曲家と、私を超えるピアノ協

奏曲作曲家が誕生すれば、貢献度で1位になり、もっと有名

になり、ワンチャンスあるかもしれない。私たちは、ピアノ

で戦い、君たちはオーケストレーションで戦う。同じ土俵に

立ってないからフェアな勝負にはならないだろう。このラン

キングでは。しかし、私たちはいつまでもピアノにこだわっ

ていたい。ピアノで勝負していたいのだ。ピアノに対する情熱

は誰にも負けたくない!1位を目指していたんだ!ピアノだけで

1位を取りたいんだ。それくらい圧倒的なピアノの学校にし

たい!」


モーツァルト「でも、感謝しているよ。私はピアノの魅力に

も気づかせる学校が必要だと、君たちが現れる前から思って

いた。しかし、オーケストレーションを専門にすることが増

え、ピアノの学校は後回しになっていたんだ!だから、君た

ちがその役目を買ってくれている。ありがとう」


ベートーベン「でも、1位って気持ちがいいな!最高の気分

だよ!」


ショパン「僕もいつか、その金メダルを首にかけたい!ピア

ノで1位を!不可能かもしれない。自信はない。でも、夢見

ていたい。いつまでも叶わないかもしれないけど、もしかし

たらって可能性が僕たちをワクワクさせる。1位を取ってし

まったら、そのワクワクは味わえないから、今のうちに1位

じゃない悔しさや目指すべきもの、金メダルを夢見る幸せを

感じていたい!」


ラフマニノフ「ショパン。お前。大丈夫だ!万が一、1位を

取れなくても、ピアノを広めることに貢献してきた喜びはい

つまでも消えることがない。いつまでも味わえる。私たちは

永遠にピアノ職人だ!」


モーツァルト「僕たちの昔を思い出すな!僕たちがフルビッ

トミュージックを設立当初はショパンみたいに1位を夢見

て、興奮して、ワクワクしていたな。でも、1位を取ってか

らは、それが当たり前になり、1位を何度とっても、それ以

来、感動しなくなった。喜びが薄れてしまった。だから、ま

るで、遥か昔の僕らを見ているようで、微笑ましいよ!」


ベートーベン「あの頃は、よくケンカしたな!でも、まさ

か、モーツァルトの予言が当たるとはな!」


ショパン「予言って?」


ベートーベン「モーツァルトも本当は最初はピアノの音楽学

校を作りたいと言っていたんだ。でも、ピアノ学校はショパ

ンが霊界に来たら必ず設立するだろうって予感がして、モー

ツァルトはショパンの苦手なオーケストレーションの学校を

作ろうって、弱点を補ってあげようと思ったらしい。ショパ

ンが苦手なものはモーツァルトが。モーツァルトが得意とも

言えないものはショパンが。というようにな。だから、どち

らも必要だから、比べられないんだ!本当は1位を取ったの

は嬉しいが、どちらも同じくらい大きな価値がある。順位な

んて本当はつけたくないんだ!しかし、表彰をしたほうが、

その表彰台に上がりたい、評価されたいという承認欲求や目

標ができて、音楽産業がもっと盛んに動くと思い、この表彰

式は開催されているんだ!人は評価されたいという、1位を

取りたいと目指し、その欲求が向上の引き金になるからな!」


ショパン「そうだったんだ!モーツァルト、案外、いい奴な

んだね。勘違いしていたかも!」


ラフマニノフ「今から5年以内を目標に、1位を取れるよう

に動いていくよ!目標があるって楽しいな!野望はやはり、

最高だな!毎日をワクワクと胸の高まりを感じさせてくれる

からな!」


ショパン「モーツァルト、ベートーベン。待っていてね!僕

らはピアノだけで君たちを超えてみせる!至難な業だからこ

そ、難しいことだからこそ、やりがいがあって、達成しがい

があって、燃えてくる!」


モーツァルト&ベートーベン「待ってるぞ!」

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