43「ヒマワリフラワーパーク」
霊界で摩詞不思議な場所がある。
青色や緑色のヒマワリフラワーたちが体を左右にユラユラ揺らしながら踊る姿が目撃されている。
ショパンはその不思議なヒマワリフラワーたちの生みの親である。
ヒマワリフラワーたちが体を揺らし、クネクネ動くその姿は神秘的で、観光客には人気である。
ショパンはビジネスで成功を収めているラフマニノフに負けたくないからと、自分も様々な事業を展開していくことにした。
その第一弾が、そのヒマワリフラワーパークだ。
観光客は青や緑の動くヒマワリを見て、その不気味さを楽しむためにやってくる。
横にユラユラ体を動かすヒマワリたちは、一本の狭い道路の奥に生えている。
ここの最大のポイントは、遠く10メートル離れた場所からしか観察できないように柵が設置してあるという点だ。
至近距離から見ると、不気味さ、奇妙さが失われてしまうからだ。近くで観察し、全てを理解してしまえば、神秘的なヒマワリの意義がなくなってしまう。
1969年に科学が発達し、人類は月に行ったが、月に何があるのか、という謎、神秘は失われてしまった。
神秘さを永久に保つために、ショパンは工夫していたのだ。
ラフマニノフには内緒で、このヒマワリフラワーパークを運営していた。
ショパンはかなりこだわって、この『神秘的なヒマワリたち』を作り上げた。
ラフマニノフはそんなヒマワリフラワーパークに一人の客として、やってきた。
ショパンも一緒だ。
ショパンは自分がヒマワリフラワーパークの創設者ということは、ラフマニノフには秘密にしてある。
ラフマニノフ『あれが最近、話題の動くヒマワリか。不気味だ』
ショパン『ねえ、ラフマ。これらを地上世界の人たちの睡眠夢にも登場させられるように、手続きできたらいいよね。この不気味さ、神秘的さを地上人の夢の中にも表現したらいいと思わない??』
ラフマニノフ『しかし、睡眠夢に登場させるには、厳しい審査があるんじゃなかったか?』
ショパン『睡眠夢霊界表現審査だよね』
ラフマニノフ『じゃあ、一緒に手続きに今から行こう。お前がこのヒマワリフラワーパークの関係者だからな』
ショパン『なんで?バレてたの?』
ラフマニノフ『俺に隠し事が通用するわけないだろ?お前のことは全てお見通しだ。伊達に何年も相棒じゃないぞ?この発信機で、お前の居場所がすぐに分かる。ヒマワリフラワーパークの事務所やヒマワリ周辺にいつもいたら、お前がここの関係者だって予測できた。しかも、ヒマワリ以外の様々な花たちに演奏を聞かすためのピアノが置いてあれば、ショパンがここを作ったかもと予感したし、そのピアノがショパンが一番気に入っているナモールプレだから、ショパンが関係者かなって予想したんだが、どうやら正しかったようだな』
ショパン『君の推理はなかなかだね。そうさ。僕はここの創設者兼オーナーだ。ラフマに負けたくないんだ。社会的成功や金でね。これはラフマに負けたくないっていう悔しい気持ちから出来上がったんだ。だから、このヒマワリフラワーパークが有名になればなるほど、ラフマもある意味、ここの生みの親みたいなものだから、喜んでほしい。ラフマと僕で、たくさんの人に影響を与えたい。僕はもっと人気になり、売れてから
ラフマにこのヒマワリフラワーパークの責任者は僕だって明かそうとしたけれど、バレちゃったみたいだね』
ラフマニノフ『お互い、肩を組んで、共に進んでいけるのは、素直に嬉しいな。それより、睡眠夢霊界表現審査に応募しにいくぞ!』
ショパン『分かった!』