04「田園散歩」
こんにちは。アームストロングです。
最近、いつもの2人とヨークシャーテリアのトムを連れて霊界の田園風景が広がる場所を散歩してきました。
ショパン「蛙が鳴いているね。僕が生まれたジェラゾラ・ヴォラもこんな感じだったな。懐かしいな」
ラフマニノフ「それよりショパン!! この犬のリードを持ってくれ!! 疲れたんだけど」
ショパン「雰囲気、ぶち壊しだね。君らしいや。生前は体力
がなくて散歩なんて全然できなくてサンドにロバを買ってもらったんだ。それに乗って外に出ていたことがあったな」
ラフマニノフ「そこに自販機あるからコーヒーでも飲まないか??」
ショパン「飲もう」
アームストロング「霊界のコーヒーなんて今まで飲んだこと
ないですね」
ラフマニノフ「そうか?? 俺はもう100種類は飲んでいるぞ?? ここには25種類のコーヒーがあるから全て飲んでいこうかな??」
ショパン「ついていけないよ。コーヒーは好きだけどそんなにたくさん飲みたくないよ。隣の自販機のコーンスープやオニオンスープのほうがいいな」
ラフマニノフ「お前は冗談が通用しないな。さすがに全ては飲まないが、3種類くらいは飲めるはずだ!!」
ショパン「コーヒーに興味ないんだけど。僕が興味あるのはピアノだけで。他はいらないよ」
アームストロング「もう何百年もピアノに情熱を持っているけれど、さすがにそれくらい経つと飽きたりしません??」
ショパン「それが不思議と思わないんだよね。ラフマニノフ
に会ってから、オーケストレーションが上手くなりたいと思
ってピアノから一旦離れたけれど、結局、オーケストレーシ
ョンを学ぶほどピアノが恋しくなってくるんだよ。そして、
元に戻ってしまうんだ」
ラフマニノフ「俺にオーケストレーションで勝てないと悟ったのかな??」
ショパン「全然違う。ピアノが好きすぎるだけだよ。更に
極めたいって情熱はこれからも続くだろう」
ラフマニノフ「俺もショパンに熱心にオーケストレーション
を教えたんだが、全く上達しないんだよ。もっと頑張ってほ
しいな」
ショパン「君の教え方が未熟だからじゃ……」
アームストロング「ラフマニノフの教え方は天下一品らしい
ですよ。なんでも『霊界最高のピアノ教授』と言われていますからね。たくさんの優秀なピアニストを育て上げましたし」
ショパン「じゃあ、僕に才能がないだけか??」
ラフマニノフ「その通り」
ショパン「はっきり言うなよ。傷つくじゃないか」
ラフマニノフ「本当にショパンは冗談が通じないなあ……」