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28「焼き鳥屋さん」

 ショパンとラフマニノフは霊界の海で日光浴していた。


 毎週1回は海に行き、霊界の太陽を楽しむ趣味を持っている

のだ。


ショパン「ねえ、ラフマ。いつも思うんだけど、ピンク色の水着ってなんか恥ずくない?しかもパンツにでっかいハートマ

ークの絵柄がすごくて、みんな注目しているし、笑っている

よ?」


ラフマニノフ「そうだ。これはわざとこのように目立つ色を

つけてみんなの気を引くためにやっていることだ。霊界の魚

たちはピンクが好きなんだ。それは、全ての色を魚がどんな

反応するかを自分なりに実験して判明したことだ。ピンクが

一番魚たちを引き寄せるってわかったんだ。あくまで霊界で

はな。魚たちができるだけいっぱい俺についてきてくれる

と、楽しいからな。魚たちと共に泳ぐなんてロマンがあるだ

ろ?大量の魚たちとな。俺は魚が大好きなんだよ」


ショパン「えっ、実験までしたんだ?それは意外だな。結構、ラフマって相変わらず面白いな」


ラフマニノフ「それに比べてショパンのは黒ばかりだな。黒

は一番人気がないんだ。魚たちにとってはな」


ショパン「それは好都合だ。魚が近寄ってくると、なんか落

ち着かないから」


 2人は浮き輪に乗り、海の真ん中で浮かんでいた。


 ショパンのピアノ曲をかけながら。


 話をしていると、いきなり大きなクジラが二人を海の真下か

ら突進して、2人は海に落ちた。


クジラ「わあ、ごめん。まあ、ラフマ。今日も海で作曲か

い?」


ショパン「やあ、クジラくん。ラフマにまた会いに来たんだ

ね?でも、そろそろ下から突撃するあいさつは飽きたからや

めてくれ。ひねりがないよ。もっと、我々をビックリさせる

ようなものじゃないとね」


ラフマニノフ「よし、ショパン。いつものアレやるぞ」


ショパン「オッケー!」


クジラ「早く乗りな!」


 クジラは2人を乗せ、水中へと潜り込んだ。


 たくさんの魚たちがラフマたちを追って、海中でクジラによる水中散歩がはじまった。


ショパン「うわあ、いつやってもクジラに乗るってロマンが

あるよね。魚はあまり好きじゃないが、クジラは別かな。こ

こに焼き鳥屋があるから寄ってくれ!」


ラフマニノフ「ショパンの奢りでいこうか。クジラにも奢っ

てやれよ」


ショパン「もちろん奢るよ。ここの焼き鳥屋はカシラが美味

しいんだ。塩を振って、加熱するシンプルな感じが。塩って

本当に最高の調味料だよね。レバーもつくねも頂こう。ワク

ワクしてきたな」


クジラ「ここにいる魚たち全員に奢るんだよね?じゃなくち

ゃ寄らないよ!」


ショパン「ラフマ。僕、金欠だから貸しといてくれないか?」


ラフマニノフ「以前、大浴場で俺がお前のピアノ協奏曲1番2

楽章ロマンスラルゲットを弾いたときに渡したギャラはもう

使ったのか?」


ショパン「マイダッハのグランドピアノの最新バージョンが

出たんだよ。だから、それを買ったからね。頼むよ!」


クジラ「魚たちはざっと1万匹くらい集まってきてるから、

億はいくけど大丈夫?」


ラフマニノフ「ちょっと待ってくれ?俺に集まってきている

全ての魚に俺が奢るのか?」


クジラ「金持ちなんだろ?」


ラフマニノフ「じゃあ、奢るが、ひとつ条件がある。俺たち

ショパンとラフマニノフが経営している音楽学校エキスパー

トピアノを魚たちに宣伝してほしい。1万匹が海にいる人た

ちに宣伝してくれるなら奢ろう。俺にもメリットがないとそ

んな大金は出せん!」


魚たち「どんな風に宣伝すればいいの?」


ラフマニノフ「1匹につき、3人に宣伝してほしい。する

と、3万人が最低でも俺たちの音楽学校を知ることになる。

スマホで、口頭で、チラシで、インターネットで、ブログ

で、なんでもいい。クジラは1万匹の魚たちが全てしっかり

宣伝したかを管理してほしい。そして、俺に報告してくれ!」


クジラ「そんなのやってられるかーい!!!」


 クジラはものすごい勢いでみんなを置いて海の彼方へ去って

いった。


ラフマニノフ「まあ、冗談だ!実はここの焼き鳥屋は無料で

食えるんだよ!材料費がかからないからな。霊界では。た

だ、お金を手間代で気持ちで払えばいい。金額は自分たちで

決める方式なんだよ!」


焼き鳥屋「やあ、魚1万匹を食わせるとしたら、いくら払っ

てくれるんだい?ラフマ!」


ラフマニノフ「10億でどうだい?」


焼き鳥屋「嘘だろ?そんなに払ってくれるのかい?なら、い

いだろう!」


ショパン「ラフマ。いくらなんでも出しすぎだよ!考え直

せ!」


焼き鳥屋「冗談冗談。そんなにはいくらなんでももらえな

い。10万でいいよ。君たち2人は常連さんだからね。これ

からもよろしくね。お金よりも大事なものがあるんだよ。君

たちが週1で顔を見せてくれることが何よりの生きがいなん

だからな。君たちが来るのが楽しみで仕方ないんだ。いつも

のようにピアノでも弾きながら、焼き鳥が用意できるのを待

っていてくれないか?」


魚たち「俺たち、なんて幸せ者なんだー!やったー!」


ショパン「焼き鳥屋さんはとにかく孤独が悩みなんですよ

ね。なら、私たちが音楽学校でこの店を愛用してるって宣伝

してあげますよ。そしたら、この店は私たちの知名度により

有名になり、客が増えて、一人になることはもうないと思い

ます。忙しくなるでしょうがね」


焼き鳥屋「ありがとう。ショパンちゃん。ラフマニノフさ

ん。わしは生きててよかったよ!!!」

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