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18「さらばショパン!!」

ラフマニノフ「折り入って話があるんだが……」


ショパン「??」


ラフマニノフ「実は俺、ショパンとは距離を置こうと思う」


ショパン「えーーーーー?? 何で??」


ラフマニノフ「最近、孤独になりたい自分がいる。別れがあるからいつか再会したときに喜びが倍増するというものだ。今まで、ショパンに頼りまくっていた。ナイバルに弟子入りしようと思う。ナイバルは俺の弟子入りを歓迎してくれた。実は俺、ショパン以上のピアノ曲を作曲できるようになりたいんだ。ショパンは憧れだった。お前を超えたい!!」


ショパン「ラフマのほうがピアノ協奏曲やオーケストラの使い方が格上だよね?? ピアノ演奏技術でも上だし。会社を持っていてビジネスマンとして大金持ちの大成功者で全然負けてないのに」


ラフマニノフ「実際はお前の方が音楽家として俺より優れて

る。優劣をつけるならお前の圧勝だ。ショパン国際ピアノコンクールが1927年に開催されて、ダントツ別格天と地の差月とスッポンで正真正銘、世界最高のコンクールであるのに対して、ラフマニノフコンクールはまだできて数年しか経ってないし、規模もショパンコンクールに比べたら鼻くそみたいなもんだ。自分はショパンに負けていると実感したよ。自分はショパンより格上なワケがない。それは、ショパンコンクールとラフマニノフコンクールを比べたらわかる。ショパンの圧勝だよ。だから、『音楽家』のショパンを超えるために音楽的大天才、冥王星にいるナイバルに弟子入りしようと思う」


ショパン「君に天才だと認められたみたいですっごく嬉しいよ。ラフマ。でも、僕はラフマと別れたくない。いつまでも一緒にいたいよ。絶対に行かないでくれ」


ラフマニノフ「いつか、ショパンみたいなピアノ曲が書ける

作曲家になって戻ってくるよ。エキスパートピアノはショパンのみでやってくれ」


ショパン「ラフマがいなくちゃやる気なんて起きないよ。嫌

だ。嫌だ……絶対に嫌だ!! 行かせないからな!! ラフマがいたから今までの生活がより楽しくなったのに。それを壊すなんて嫌だあーーーー」


ラフマニノフ「お前にひとつ頼みがある!」


ショパン「涙で何もできないよ」


ラフマニノフ「俺のために別れの曲を弾いてくれないか??」


ショパン「嘘だろ?? 本気で?? もう決心は固いの??」


ラフマニノフ「お前を音楽家として超えるために!!」


 ショパンはピアノを思念で空中から出現させた。


 ラフマニノフの好きなピンク色のグランドピアノ。


 ショパンが泣いているイラストが描かれている。


 霊界最高のピアノ「マイダッハ」だ。


 放心状態になりながら、ゆっくり別れの曲を弾きだした。


 いつもよりゆっくりと大事に、今までのラフマニノフとの思

い出をピアノの音色に込めて、魂を込めて、号泣しながらの約4分間の名演奏だった。


特に、一番盛り上げるところでショパンは「ウウウウ」と一番涙を流した。


 今まででこんなに感情を込めた演奏はしたことがなかった。


 ラフマニノフと偶然付き合い始めてから色褪せた日常に光が差した。


 ラフマニノフはまさにショパンの太陽だった。


 ラフマニノフも泣いていた。無表情で静かに涙を流した。手で目を押さえている。


ショパン「今までありがとう。君との日々は忘れない」


ラフマニノフ「俺もだ相棒!! いろいろありすぎたな!!」












ラフマニノフ「おーい!! ショパン!! 起きろ!! 何泣いてるんだ??」


ショパン「あれ?? あっ?? なんだ!! 夢だったの

か!!」


ラフマニノフ「何の夢見てたんだ??」


ショパン「イヤ、実はさ……」


 ショパンは夢見たことを全て話した。


ラフマニノフ「俺がお前から離れるわけがないだろ?? 以前、あれだけー緒にいようと約束したじゃないか。それに俺がお前に音楽家として負けているわけないだろ?? 俺のコンクールはまだてきて数年しか経ってないからショパンコンクールより劣っていても仕方ないさ。音楽学校をお前ひとりに任せたら大変なことになるからお前を一人にしないさ。ショパンの魅力的で欠点だらけのピアノ協奏曲を完成させたのは、オーケストレーションに優れたラフマニノフだって言われていたように、俺たちはいつも助け合う運命なんだよ。ショパンはオーケストレーションよりピアノを更に極めろ。まだまだ向上できるさ。俺はオーケストレーションを更に極めるからな。俺までがピアノ曲を極めても面白くないからな」


 ショパンは目頭が熱くなりラフマに飛びついた。


ショパン「よかった!! それでこそラフマだ!! いつまでも一緒だよね!! 確定だよね!!」


ラフマニノフ「当たり前だ!!」


 ショパンは一緒にいるのざ当たり前と思っていたラフマが離れてしまうという恐怖を夢で仮体験した。


 それはラフマニノフという太陽が当たり前に存在すると思うなという夢からの教えだったのかもしれない。


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