13「誓い確定機」
夜、2人の天才音楽家は寝床に入って雑談をしていた。
ラフマニノフ「なあ、ショパン。これから音楽学校をどんど
ん進化させていくわけだが、これは俺の夢だった。お前の本
当にしたい夢は他にあるか?」
ショパン「なんだよ、急に。したいことはやっぱり自分を超
えるピアノ作曲家を育て上げること、生み出すことかな。ま
だ、ピアノの作曲の分野では僕を超える人は現れてないんだ
よね」
ラフマニノフ「じゃあ、ピアノの専門学校として私はこの学
校を作っていくつもりだが、一緒の考えでいいんだな?一緒
にいてくれるな?」
ショパン「どうしてそんなこと聞くの?」
ラフマニノフ「お前が俺から離れてしまったらと思うと怖く
て仕方ないんだ!」
ショパン「あっ、君、僕の日記勝手に見たでしょ?」
ラフマニノフ「いや?別に⋯何のことだ?」
ショパン「バレバレだよ。そんな話するのはなにか理由があ
るはずだからね」
ラフマニノフ「今日は誓いの儀式をしてほしい」
ラフマニノフは誓い確定機を取り出した。
ラフマニノフ「これに誓った声を記録すると、必ず守られる
という一種の強力な魔法というか、呪いというか」
ショパン「なにそれ?そんなの聞いたことも見たこともない。どうしたの?」
ラフマニノフ「ずっとオレと、少なくても1000年は一緒
に行動してほしい。パートナーとして!それをこれに誓って
ほしい!」
ショパン「そんなおもちゃで本当に効果あるのかな?冗談で
しょ?」
ラフマニノフ「宇宙の神、ミヤザワトモヒデにもらった大切
なものだ。例えば、地球には、この宇宙には様々な法則があ
るだろう。カルマの法則とか、引き寄せの法則とか。そうい
う法則を全て作っているミヤザワトモヒデが生み出したもの
だ。効果はあると思うぞ! さあ、オレと一緒に少なくても1000年、できれば永遠に一緒に行動してほしい。お前がいないと俺は耐えられそうにない。頼む!!!ずっと一緒だと叫んでくれ!」
ショパン「私、フレデリック・フランソワ・ショパンは相棒
のセルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフと1000年
とはいわず、永遠に一緒に行動を共にするパートナーとして
確定します!」
ラフマニノフ「間違いありませんか?」
ショパン「間違いありません!」
ラフマニノフ「誓い確定機に記録しますが、本当に今の言葉
を確定させますか?」
ショパン「確定します!」
ラフマニノフ「最終確認です!今、発言した言葉は全て実現
されますが、よろしいですか?」
ショパン「YES!」
誓い確定機に記録した。
ラフマニノフ「よし!これで、少なくても別れることはな
い!!!そう信じている!!!たとえ、一旦距離ができたと
しても必ず最終的にはいつも一緒に仕事ができる仲間として
な」
ショパン「でも、どういう仕組みなんだろう!すべての誓い
が確定したら人によっては危ない使い方になってしまうよ
ね」
ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデがこの誓い確定機に誓った
内容を全て閲覧し、叶えるかどうかを決める。ミヤザワトモ
ヒデが危険だなって判断したら、その誓いを消すこともでき
るらしい!」
ショパン「宇宙には不思議なものがたくさんあって理解がで
きないよ。それより、なんか君が熱い話するから眠れなくな
っちゃったなあ」
ラフマニノフ「じゃあ、オレたち2人で共作した2台のピア
ノを使った協奏曲を今からつくろう。最初はまず⋯ど
んな感じがいいかな?」
ショパン「いや、ラフマがいつも寝るときに聞かせてくれる
子守歌がいい。それか、ラフマ秘蔵のおとぎ話を聞かせて
よ。僕が眠るまで⋯」
ラフマニノフ「わかった」
2人は毎日、一緒に布団に入るこのまどろむ時間を一番の楽
しみにしているのだった。