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第五話 次代達の作戦会議



はい、せーのっ!!

祝☆詰み回避〜っっ!!!!


いや、マジで今回ばかりはどうにもならないと思った…!!マジでヤバかったぞ…!

ろくに転生組での話し合いはできない状況で、聖女と王太子のセッションバトルとか想定できるわけねぇだろコンニャロー!!



けど、正直マリアローゼの言葉には俺も夢を見せられた。

転生だなんだと言ってはいるし、元より亡命する気満々だったがこの世界で十八年間も生きて、彼らを直に知っているのだ。

大切にも思うし、家族だと心から感じる。


今の現実は日本の冴えないサラリーマン兄ちゃんだった俺ではないのだ、いつまでも観光気分のままでいたらそれこそあっという間に斬首斬首!

そう易々と首差し出せないんでね!!クズなりにいのちだいじにしてますから!!




でも、やっぱりクズなりに思うところはある訳で…



「ありがとうな、マリアローゼ。…正直お前が追放されたら兄上が確実に殺されていたし父上だって何らかの原因で死んでたと思う。

こんなの柄じゃないけどさ…、俺の家族、助けてくれてありがとな!」



もう腹の探り合いをする必要もなくなったからこその本音ぶっちゃけにマリアローゼはほんの少しだけ驚いて、ふふふと笑う。

くそ、可愛いな…!!今お前めっちゃガチ聖女フィルターかかってるから余計に可愛く見えるぞ…!!


「私はこちらに産まれてくる時にローゼフィール様にお願いされましたからね!…それに、何よりあなたが彼らを家族だと思っていたから素直に私も支えたいと思えました。思い出の日本に浸るのはいい事だけど、きっとそれに浸かりすぎて現実が見えなくなってしまう事は悲しい事だと思うから。」

「まーな、前世は前世。今は今、そんな感じで動いてないと心がガス欠起こして斬首の前に廃人だな。」

「それに、ほら…燃えませんか?私達には前世があるから知っている発明品の数々…!それをこれから様々な形でこちらの世界の人が作るのです!それを別パターンも知った上で見れるなんて、凄くいいでしょう!」


キラキラした目で見てくるマリアローゼに思わず笑ってしまう!

そりゃそーだ!!前世と似たような物は生まれたり存在したりしても同じものが生まれるわけがねー!


おーおー!!男の子スイッチ入っちゃうじゃねーか!!!



二人して爛々とした目で笑っている姿に正直兄上は引いたように見ていたが、まあ真面目な話ではあるんだし兄上も許してくれるだろう。

いやそれにしても原作じゃ分からなかったけど兄上ツンデレお兄ちゃん属性なんだな…、いやまあ弟の俺にしか見えない一面なのかもしれねーけど!!




あー!だめだ!!

さっきまで詰んだだの世界がどうの話してた癖に今はワクワクしてとまらねぇ!!!




◇◇◇



「ンンッ!…それで結局どうするのだ?何事もひとつずつ進めなければ何もかもが瓦解する。一度に何もかもを進めるより、状況の整理をして何から手をつけていくのかを考えるべきだろう。」

「流石兄上!…こうして考えると仕方がないとはいえ教会と王族の二権分立による不干渉が痛いな。現状国民の意見が上にまで登ってこないと考えるとそこが分断されると余計に声が俺達に聞こえなくなる。」

「もちろん政治としての問題もありますが、私としては医療の発展の遅さが気になります。もちろん現段階でどうにも出来ないものは女神様の癒しでとうにかなりますが、それによってやり甲斐もなく活力などが低下する事で我が国の医療がずっと発展しないままなのでは?」



そうか、マリアローゼが言いたかった主な聖女いりません宣言の裏にいたのは医者の存在か!!


言われてみれば確かに、シアローゼ王国には医者が少ないしよりすぐりのエリートだとしても城にお抱えされていない時点でこの国の医者達への風当たりが強いことがわかる。

そりゃ王族や一部の貴族は「風邪ひきました!聖女呼んで!」でなんでもかんでも治る訳だから重宝されようがない…。


けど、滅多に聖女の癒しが届かない市井の人間にとって医者はまさに生命線!

確かに国民は替えがきく!みたいな考えの元貴族ファーストで国営していたら聖女居なくなったらこの国潰れていただろうな…。



「となると、医者へのやり甲斐や鼓舞、もしくは金銭面でのサポートが現実的なところか?

俺達はマリアローゼ本人からその意思を聞いたからすんなり受け入れられるけど、女神の力が絶対っつー価値観をそもそも壊さないといけないところから始まる。そうなってくると…」

「現在聖女が教会に縛られて長期間自由に行動できない事が問題になってくる訳か…」



頭が痛い、とばかりに額を抑える兄上にドンマイと言わんばかりの視線を向ける俺と期待の眼差しの聖女。

さっきの話し合いからしてもこの辺りのセーブは兄上の領分だし、第二王子としては気楽なもんだ!ケケケと悪いクズ顔を披露する俺に呆れたような、というかお前他国に染まりやがってみたいな顔をされる。



すまん、兄上…!

染められてるのは俺の魂の方だ、他国の人は悪くない。

けど言い訳としてめっちゃ最適なので存分に使わせてくれ他国の人!!!すまん☆



「流石にここまで問題が大きくなってくると俺達だけでの解決は不可能だ、全員要人扱いで市井に降りたとしても護衛は何人かつくだろう。

それを毎日出し抜いて問題解決に当たるのは現実的じゃない。……それに」



それに〜〜???



「それに、父上に心配をかけさせるのも…。」





カーーーッッ!!

素直に言っちゃえよ兄上ー!!!

父上心配させちゃうの悲しいから父上に報告してから動きたいですって!!


今なら分かるぜ、前世の妹よ…!

こういう悪役のギャップがたまらなくてそれ系の小説読んでたんだな?

お前が言ってたキャーキャーの要因ここだろ!兄ちゃん今それ体験してるぞ!!

なんならデレを味わう弟ポジションだぞ!!!




俺の脳内で愉快な話が繰り広げられている間もマリアローゼと兄上は真剣に話し合っていたらしい。マジメだなお前ら…俺ぁちょっと斬首遠のいて気が抜けてるぜ…。



「直接的な助けを国王陛下から受けることは出来ないでしょうが、理解さえしてくだされば見なかったことにして下さることもあるでしょう。

もちろん話し合いの席にはレガルド殿下、アルベルト様両名に参加していただく形にはなると思いますが、私の方からも今の現状を説明させてください。」

「会うことは可能だ、しかし俺以上に国王という立場があるからこその厳しい視線を向けられるだろうが…俺達が助力しなくて構わないのか?」

「構いません。元よりそのつもりで参りましたし、この話を始めたきっかけは私にあります。……国王陛下の了承が得られるまで、何度でも話をするつもりです。」



カッケェなおい!!!!

いやさっきも思ったんだがこの転生マリアローゼ、原作のマリアローゼちゃんよりも聖女様してるんじゃ…?

原作だともっとこう、なんか…はにゃっとしてたオーラ出てたぞ?


それが着てる物やらは平民以下の癖に、雰囲気が超然としすぎている。

原作の服装して、国民の前に立たせたらマジで一大ムーブメント起こるんじゃねーか?



「国王陛下からの了承が得られるまで、女神様のブローチは王太子陛下に預けさせて下さい。…この国の聖女と認められて初めて、私はブローチを誇りと共に背負いましょう。」




お前マジでイケメンすぎない?!?!?

前世悟った坊さんレベルなんですけど?!?!



前話のレガルド視点独白を話数として組み込むのは読みにくい&転生組ではないと言う組み分けから完全な独白の形へと変更させていただきました!

内容の変更はありません!

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