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閉ざされた学校の記憶  作者: 成実 恵梨
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少年の面影

 ボクの学校に幽霊が出るという噂がある。目撃者の話では、幽霊は少年でよく教室の窓際で目撃されるらしい。幽霊話の元になる話があった。彼は体が弱く、よく窓の外から運動場を眺めていたそうだ。グラウンドを走っている人たちを羨んでいた。彼は「ボクも体が元気になったら元気にグラウンドを走り回りたい」と言っていたらしい。


 ここ最近、彼を最も目撃したのは陸上部の女の子だった。彼女はよく一人でグラウンドを走っていた。彼女が教室の窓際でいつも運動場を眺めている少年を目撃したという。


 彼は健康に憧れて運動場を走り回る日を夢見て消えていったのだった。それからだ。幽霊話の噂が囁かれるようになったのは。


 学校の先生や関係者たちは知っていても特に口に出さない。先生たちも触れたくないみたいだし、何より祟りとか呪いとか誰にも不幸が起きていないので問題ないと判断したのだろうと言われている。


 ボクは教室の窓際に立ち、グラウンドを眺めた。誰もいない放課後、運動場からは生徒たちの無邪気な声がこだましていた。ボクはそのまま窓の外へと消えたのだった。

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