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三人の関係

これは「夜の花園~紫の石」の続編のサイドストーリーになります。 前回、とてもご不幸だったイレーネを主人公にしております。彼女は本当に不幸で前作は主人公だったはずなのに…脇役にまわされ、ナイジェルには利用されるだけされ…悪役にもなってしまいました。もちろんぜ~んぶ、私のせいですけれど(笑) 

 今回の続編は前作の最後に触れた〝冥の花嫁〟になった皇女編に…と思っていましたら…ははは その設定を考えている時に妄想が…という訳で(どういう訳?)彼女の恋物語をお楽しみください。お相手のタイプは傍若無人の我が儘な俺様です。お好みの方どうぞ!(笑) 

 魔法が解けた夜にかけなおした魔法は消えた―――


 イレーネは今、それが悲しいとも寂しいとも思わない。それにこだわっていた自分が恥ずかしいだけだった。元々、自分には何も無かったのだ。美しさも賢さも名誉に権力などなど・・・少し夢を見ただけだった。

それもつらい夢―――

 今思えばかけなおした魔法で手に入れたものが本当に欲しかったものでは無かった。本当に欲しかったのは・・・・ツェツィーリアと同じく闇夜に浮かぶ月のようなあの人だったのだろう・・・・


 冷たく孤独な皇帝ナイジェル―――その心をとらえる事は出来なかった。少女の初恋はいつしか憎しみに変わり、そしてその想いは小さくなって消えたのだ。今はほろ苦い思い出だけが心に残っているだけだ。


 幸せそうな二人を見てつらく無いと言えば嘘になるが意味合いは違う。つらいのは彼に心を残しているのでは無くて、想い合う相手がいるのが羨ましいのだ。自分もそんな恋がしたかった。しかしそれは無理というものだろう。元皇后という肩書きは必ず付いてまわりおいそれと言い寄って来る者はいない。それに誰もが振向くような美女ならまだしも十人並みの容姿では尚更だ。若くして隠居生活のようなものだった。


(昔より条件は悪いのかしら?)


 そう思うとイレーネは刺繍をする手を止めて微笑んだ。

 その時、侍女のリリーが遠慮がちにトレイにのせた封書を持って来た。

「あの・・・イレーネ様。皇城よりお使者がお越しになりましてこれを・・・・」

 それはひと目見れば慶賀の招待状というのが直ぐに分かるものだった。それにはイレーネが好きな鈴蘭の花が添えられている。イレーネは微笑んでその花を取り上げた。

「ツェツィーね。相変わらずわたくしを喜ばせるのが上手だわ」

 見なくても分かっている。ナイジェルとツェツィーリアの婚礼の招待状だろう。


 その婚礼はナイジェルとイレーネが離婚するにあたって彼女から願い出たことだった。当初ナイジェルは密やかにツェツィーリアを迎えようとしていた。イレーネと別れた挙句、盛大な婚礼を挙げては彼女に対して申し訳ないと思ったようだった。そのような心遣いで遠慮する彼にイレーネは驚いた。他人を気遣うナイジェルなど今までに無い事だったからだ。しかしそんな元夫にイレーネは言った。


「陛下。わたくしへの気遣いは無用でございます。わたくしもそうでしたが婚礼というのは女にとって幼い頃から夢を見る特別なことでございます。美しい衣装に身を包み、花々が舞い上がって祝福の花火が上がり、神殿の鐘が帝国中に鳴り響く・・・・幸せのひと時であり一生残る大切な思い出になるのです。ですからどうぞツェツィーにもそれを見せてあげてくださいませ。彼女にはいつまでも幸せに微笑んで貰いたいのです。ですからどうぞ彼女との婚礼を挙げて下さいませ。もとろん、わたくしの時よりも盛大にお願い致します」


 ナイジェルは硬い表情になった。静かに語るイレーネは本当に夢を見るようだったからだ。その夢を無残に踏みにじったのは誰でも無い自分だった。皇后の座さえ与えていれば女は満足していると思っていた。人格など全く無視をしていたのだ。長い間、彼女が時折話しかけていた内容さえ一言も思い出さない。政略結婚を主とする貴族にとって愛情の無い夫婦は幾らでもいて、結婚とは利益の為でありそれが当たり前だと思っている者達もいる。しかしイレーネは例え黄金や権力が無くても、十分幸せを感じる事が出来る女性だったのだ。今更ながらどれ程つらかっただろうかと思わずにはいられない。ほんの一言二言の優しい言葉をかけなかった自分にナイジェルは後悔していた。


「・・・・イレーネ・・・すまない。私の配慮が無く悪かったと思っている・・・」

 鎮痛な顔をしてナイジェルはそう言った。

 イレーネは再び驚いた。彼が謝るなど思ってもいなかったからだ。例え間違っていたとしてもそれを是とする事が出来る絶対権力者の皇帝が誰かに謝る事は無い。

「――いいえ。わたくしの方こそもっと陛下のお心を察していたらと思っております。そうすれば何か違ったものになったのではないかと・・・わたくしの方こそ悔やんでおります。でも今はツェツィーがおります。ですからどうぞお幸せになって下さいませ」

 イレーネは心からそう願い微笑んだのだった。


 皇城では宰相ベッセルの謀反騒ぎが落ち着いたかと思ったら、今度は皇帝の離婚と再婚の話題で持ちきりとなった。それで無くても密かに噂が流れていた冥の花嫁がナイジェルを嫌がって自殺したという話もあり拍車がかかったようだった。そして新しい結婚相手よりもイレーネの方が噂好きの宮廷人にとって格好の標的だった。栄耀栄華を極めた人間の転落こそ楽しいものは無いらしい。しかし表立って彼女に何か言うものは少なかった。ナイジェルがイレーネを粗略に扱う事が無かったからだ。それどころか皇后時代よりも遥かに良いと思えるぐらいだった。

それでもイレーネは何かと華やいだ集まりに出るのは気が引けて最近では邸内にこもりがちだ。皇城から出たイレーネは実家に帰らず帝都の一角にある静かな邸宅に移り住んでいた。広く孤独だった後宮よりずっと良いと思っている。


 イレーネは手に取った鈴蘭を見た。可愛らしい花だ。大輪の花や華やかな色の花よりこの小さな花が何故か昔から好きだった。小さな頃の記憶はおぼろげだが誰かがこの花がイレーネみたいだと言っていた。可愛い白い小さな花に例えられて嬉しかったが、大人になって思えば、葉陰に咲く花は大人しく悪く言えば地味な存在。自分に自信が無いからその例えも間違えでは無いような気もしたが、好きなのは変わらない。


 イレーネはもう一度その花に微笑みかけてトレイに戻すと招待状を手に取った。中にはツェツィーリアからの手紙も添えられていた。

「ツェツィーも準備のためいよいよ皇城の大神殿に入ったのね」

 ツェツィーリアはその後の混乱を防ぐ為、密かに城を離れ大神官クレヴァーの手配で田舎の神殿に預けられたのだ。だから冥の花嫁は逝去したままになっている。もちろん彼女が冥の花嫁だったと知る者は他言を禁じられ、ツェツィーリアは普通の娘として嫁ぐ事となったのだ。事情を知らない者の話しは何通りかあるようだがイレーネの侍女だった彼女を皇帝が見初めたと言うのが一番多いようだ。


 そして帝国中の娘達が憧れる婚礼の日が近づいている。可愛いツェツィーリア。今では本当の妹のようだった。イレーネは何度も彼女のいる神殿に足を運び、何かと相談にのったり婚礼の準備も一緒に手伝ったりした。姉というより母親に近い感じがするぐらいだ。そう思うと自然と微笑んでしまう。


「イレーネ様?」


 リリーが怪訝な顔をしている。意味も無く何度も微笑む主人を不思議に思ったみたいだ。

 イレーネは、クスリと笑うとにこやかに言った。

「皆はきっと花嫁に負けないぐらい着飾るでしょうね。でもツェツィーにはきっと負けると思うわ」

 リリーは困ったように言った。先日から聞こうと思っていた事があった。

「あの・・・イレーネ様は如何なさいますか?今からですとお仕立ては間に合わないかと思いますが・・・」

 事情を知らない侍女がほとんどだからイレーネを哀れんでいるのだろう。いつもこんな調子で腫れ物に触るような感じなのだ。もしくは昔、よく癇癪をおこしていたからそれが再発するのでは?と恐れているのかもしれない。


 仕事仲間だったツェツィーリアが理由も分からず急にいなくなって主は機嫌が悪く大変だったのだ。しかも冥の花嫁が現れたとかで皇后の居室からは追い出され、花嫁が自殺したから元に戻ると思ったら離婚してしまった。そして行方不明だったツェツィーリアが現れたかと思ったら皇帝と結婚するとの事で仰天したのだった。それにからかっていた恋人が皇帝だったとは天地がひっくり返るぐらい驚いたものだ。

 リリーは怯えながらイレーネの答えを待った。


「衣装は白以外だったら何でもいいわ。白はツェツィーが着るから駄目よ。とても素敵な花嫁衣装なのよ。大神殿にとても映えるでしょうから楽しみだわ」

 リリーは驚いて目を見開いた。イレーネが負け惜しみを言っているのでも無く本心から喜んでいるからだ。それなら尚更だった。

「でも、イレーネ様。今お待ちのお衣装は一度お袖をお通しになられております。そのような華やかな場には皆様、競って新しいものでお越しかと・・・」

 気遣う侍女にイレーネは優しく微笑んだ。

「競う必要が無いのだから構わないわ」


 イレーネはそう言うと再び微笑んで刺繍を再開しはじめたのだった。

 リリーは最近では驚いてばかりだ。イレーネがまるで人が変わったようだからだ。機嫌の良い時の彼女はこんな感じだったがそれが何時も持続している。それよりも以前よりずっと気高く気品に溢れているようだ。色々な誹謗中傷を気にする事ないうえに今度の婚儀を本当に祝福して準備も手伝っている。それは尊敬に値するものだった。

 リリーが感心しながら扉の外へ出ると、また、城から何かが届いていた。


「イレーネ様、皇城からお届け物でございます。それとお手紙です」

「お城から?何かしら?」

 イレーネは届けられた大きな箱を開けるように指示をして手紙を受け取った。裏を見れば封印は皇帝の印だ。ナイジェルからだろう。文章を読むと思わず声をたてて笑ってしまった。その時、箱も開封され中から素晴らしい衣装が現れていたところだ。イレーネの衣装を見慣れているリリーでさえも感嘆の声を上げたぐらいだった。


 イレーネはまだ笑いながらその衣装を手に取って広げると、リリーに楽しそうに言った。

「リリー。これは陛下からの贈物よ」

「えっ!皇帝陛下でございますか!」

「ツェツィーの準備を手伝ったお礼ですって!しかもご自分で選ばれたそうよ。本当におかしいわ。あの方がどんな顔をして選んだのかしらね?しかもこんなに真剣に悩んだのは久し振りだったですって!でもツェツィーも手伝ったみたい。だから一応大丈夫だと思うと書かれているのよ。本当におかしいわね」

 イレーネはまだ笑っている。箱の中にはまだ箱があってその衣装に合わせた靴や扇子に宝石といずれも素晴らしい一式が出てきた。


 リリーはこの三人の関係が不思議でたまらなかった。結婚している間はあんなに不仲だったのに別れてから仲が良くなったのだから・・・

 そして密かに、皇帝は酷いと思っていた。歴代の皇帝は何人も妻を持っているのにわざわざイレーネを退ける必要は無いと思っていたからだ。寵を争うのは後宮の女達にとっては戦のようなものだ。先に皇子を産んで第一皇后になればいい。それに負ければ諦めもつくがそれでも離縁されることは滅多に無いのだ。それなのに・・・・


「皇帝陛下は何をお考えなのでしょうか・・・今更このような愛情をお示しになられて・・・」


 リリーはつい思った事を言ってしまった。

批判ともとれる言い方をイレーネは注意することなく優しく反論した。

「陛下のされるのは愛情では無いのよ。そうね・・・あの方なりの償いかしら。必要無いと言ってもきかれる方では無いから、お気が済むまでお受けするしか無いのよ」

「償い?それは今まで冷たくなさっていたからでしょうか?それならお別れする必要はございませんでしょう?それこそ今からでもやり直して頂いたらいいのですから!」

 リリーはとうとう禁句を言ってしまった。口に出した途端、はっとして青くなった。今度こそ勘気に触れたと思ったのだ。


 しかしイレーネは驚いたような顔をした。離婚は自分から願い出た事だったが、世間ではナイジェルからの話になっているとは思っていなかったのだ。お互い黙して語らなかったから、そういう風に考えられるのは最もな話だ。それに女にとって国で最も栄誉な地位にいるのに自ら申し出るなど無いだろう。

「そうよね・・・世間ではそうなるのよね・・・陛下を悪者にして申し訳なかったわ。それは誤解よ。わたくしから陛下にお願いしたのよ」



「イ、イレーネ様がで、ございますか!」


「ええそうよ。陛下はお止めになりましたけれどね。それこそ償いでわたくしとの関係も修復するお気持ちがおありだったのでしょう。でもあの方のツェツィーを愛するお心を痛いほど知っているからそのような関係はわたくしにとって虚しいだけ・・それにわたくしは今まで本当に愚かな女だったと反省しているのよ。だから皇后の資格なんて勿体無いわ」

「でも、イレーネ様は皇帝陛下をお慕いされていたのでございましょう?」

 リリーは気遣うように言った。


 イレーネは最近身の回りの世話をこの侍女にさせていた。リリーは若い娘には珍しく辛抱強かった。大人しく控えめな性格だがイレーネの荒れた時代も耐えて勤めていたのだ。その彼女が話すのは本当に珍しかった。

 イレーネは自分の言葉で誤解させたと思った。だから言葉を選びながら答えた。

「ナイジェル様に憧れない女性はいないでしょう?誰もがあの方を見れば胸をときめかせるわ。わたくしも同じ。でも憧れる心と愛する心は違うのよ。あの二人をみてつくづく感じたの・・・本当に愛する人を見つけた者はその全てで相手を包み込む・・・とても素敵な事だわ。皇后の地位というものにこだわった自尊心は捨てても、一人の女としての自尊心までは捨てられなかったのよね。逆に愚かな自尊心を捨てたから隠れていた平凡な想いが出てきた・・・・そういう相手がいるのは本当に羨ましいと思うわ。だからお二人を応援してさしあげたいのよ。名ばかりの皇后がいては迷惑でしか無いと思うし・・・でも他人から見ればわたくしは平民の侍女に負けた哀れな女かしら?でもどう思われても構わないわ。陛下とツェツィーとわたくしが分かり合えていればいいのだから・・・」


 リリーは主の話を聞きながらいつの間にか泣いていた。こんなに素晴らしい方の悪口を言っている者達が許せなかった。イレーネがあの二人の為に心を砕くならば、自分が主の為に誠心誠意尽くそうと思ったのだった。涙を流す彼女に、イレーネは優しく自分のハンカチを差し出してくれた。それを受け取りながらリリーはそう誓ったのだった。



<閑話>商人と皇帝


 商人は固唾を呑んで見守っていた。皇帝ナイジェルの視線や手が止まる度に、ゴクリと唾を飲んだ。ナイジェルがすっと顔を上げて商人を見た時は息が止まりそうだった。

「今日持ってきたのはこれだけか?」

「は、はい――っ。も、申し訳ございません。お気に召さなければ直ぐに違うものをお持ち致します――」

 商人はそう言って平伏した。


 店にいきなり城からの使いが来て、女物の衣装一式を色々持参しろとの事だった。そこでドレスの見本やその他諸々を揃えて城へ向ったのだ。一応対象となる人物は元皇后のイレーネ様だと聞き、お得意様だったからある程度のお好みも分かって良かったのだが・・・何故?皇城に?と思った。あの方はもう他に移っている筈だと・・・


 そこに現れたのはなんと、皇帝だったのだ!


 城では出入りしていたが、皇帝自らが手に取って選ばれた事は無かった。それが今、目の前で選ばれているのだから緊張するのも当たり前だった。しかも非情に厳しい表情で見ていて、生きた心地がしない。そして、とうとう口を開いたら・・・不満そうで・・血の気が引いてきた。

 その時、不意に皇帝の横から優しげな声が聞こえた。

「陛下。イレーネ様がお好きそうなものばかりだと私は思いますよ。これなど特に・・・」

「・・・そうか?お前がそう言うのなら・・・」

 商人はそれこそ驚いてしまった。冷酷無比の皇帝がその少女に微笑んでいるのだ。

その人物は噂の花嫁だと直感した。しかし、何故?元妻の為に二人で選ぶのか?貴人とは一般人には分からない思考だと商人は思うしかなかった。


 とにかくナイジェルはイレーネの為に何かをしたかったようだった。こんな事はナイジェルにとって初めての感情だろうと思うし、ツェツィーリアはそんな彼の思いが分かっていたから何も言わなかった。イレーネもそうだろうと思う。女性からすれば、今はそっとして欲しいのに何かと気にかけてくれるから逆に目だって仕方が無いのにだ。

 でもツェツィーリアはクスリと笑った。ナイジェルがあまりにも真剣に悩んでいるからだ。女性の物を選ぶのはもちろん初めてだろう。本当に怖い顔をしている。商人があまりにも気の毒に思えてつい横から話しかけてしまったのだった。


「イレーネ様はですね青や緑色系の淡いお色が好みなんですよ。それにこのお店は趣味が良いですし、間違い無いと思いますよ」

「そうか・・・ではこれがいいだろうか?」

「そうですね。宜しいかと思いますよ」

「ではそうしよう。それで、お前が好むものはどのようなものか?」

「私ですか?私は優しい色かしら」

 ナイジェルが微笑んだ。

 それを見た商人は驚いて目を見張った。あまりにも優しく微笑むからだ。呆然としているところにナイジェルが呼んでいた。はっとして我に返る。


「今度、これが好むものを持ってまいれ。お前の店は趣味が良いとこれが言っている。今後も良いものがあれば持ってまいれ」

「は、はい!光栄でございます」

 商人は床の頭をこすり付けるように平伏して答えた。

 その後、商人の店は皇帝ご用達の店として大繁盛したのだが、未だに皇帝が商品を目の前で選ぶのは心臓に悪いようだった。しかしその隣で優しく微笑むツェツィーリアが必ず助けてくれる。それに彼女が喜ぶとナイジェルの貴重な笑みも見られるから商売人としてはそれが醍醐味となった。


「さてと・・・行ってくるかな」

 商人はツェツィーリアの好きそうな春色のドレスを箱に積めて立ち上がった。

 二人の微笑みに期待を寄せて―――


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