表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/27

やっと2人きりになりました


「ぴーちゃん、お仕事お願いしてもいい? エドワード様とザラ様のところに後ほど伺います。と伝えて行ってくれないかしら?」


 クラリスがぴーに笑顔をむけると得意気にパタパタと飛び立ち、部屋をくるりと一周する。


「ウン! イッテクルゥ」


 ふーん……ザラやエドワードのところにも顔を出すのか……ふーん……ふーん……く、悔しくなんかないぞっ!


 ぴーが部屋を出ると、静かな時間が流れ、2人っきりになった事を実感する。

 クラリスが紅茶を淹れてくれ、俺はカップを手に取り、コクリと飲んだ。


 ふぅぅぅ……

 やっと……クラリスとの時間を満喫できる。

 今日は朝から疲れたもんなぁ。


「アルベルト様。これを……」


 クラリスはリボンがかけてある箱を取り出すと、俺の前に差し出した。


「なに?」

「チョコレートです……」

「また、作ったのか?」

「はい……えっと……はい……バレンタインデーなので……あの……」


 こころなしか、クラリスは頬を薄っすら赤くし、だんだん声が小さくなり、後半部分の言葉が聞き取りづらくなる。


 ばれんたいんでぇ? なに? それ?


 聞き慣れない言葉に俺がポカンとしていると、クラリスは慌てて、ぎこちない微笑みをむけた。


「な、なんでもないです。えっと……チョコレート作りすぎちゃって……あの、お裾分けです!」


 お裾分けのわりに、かわいくリボンまでしてくれたんだな……赤くなってうつむいているクラリスがかわいらしくて、思わずにんまりしてしまう。


「開けていいか?」

「はい!」


 嬉しそうに顔を上げ、元気よく返事をする。


 くぅぅ、かわいいな。


 俺は婚約者のかわいさに、ついニマニマしてしまい、上機嫌で箱を開けると、まん丸のチョコレートがきれいに並べられていた。


「相変わらず、お菓子作るの上手だな」

「えへへ……」


 少し照れたように笑う俺の婚約者はちょっと変わってる。

 

 令嬢がお菓子を作るって、最初は驚いたが、もう慣れた。それにクラリスのお菓子は美味しいし。


 普段、甘い物をあまり食べない俺もクラリスの手作りだけは、絶対に完食する。絶対にだ。

 なんなら、他の奴にあげたお菓子も回収して食べたいくらいだ……あれ? これってヤキモチか?




お読みいただきありがとうございます。


はい、ヤキモチです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ