便所飯その3
弁財天????
「えっ!?弁財天ってあの七福神の?? よりによってなんでトイレ??」
弁財天ってあのきれーな着物着たべっぴんさんだよな??
いや、今目の前にいるのは同じ学校の制服着た変な女子だし。
「そーよ。 まだ見習いだからあの制服は着られないから私服だけど。 弁財天はトイレの守護神でもあるのよ」
あ、なるほど。
「弁財天になるにはねー、徳を積まなきゃいけないの。要するに人助けね!」
「……人助け」
私は人間が正直好きではない。
「あのう、私はそもそも人間自体が好きじゃなくてですね……それは見ていたのならよくご存知だと思うんですけど」
愛美はキッとした顔になってヒステリックに喚いた。
「ねぇ!? 私がどんな気持ちでずっとあなたを待っていたと思う?
こんなトイレにお供え物する人なんていなくて、弁財天になるチャンスはほとんどないの!
もし、協力しないって言うなら祟ってやるから!」
……祟る!? こいつ神様見習いのくせに脅すのか!?
私は思わず愛美を睨みつけていた。
愛美はハッと我に返ったような顔をした。
それから少しの沈黙が流れた。
「……お願いよ。じゃなければ私は半永久的にひとりぼっちよ」
愛美は半べそかきながら震えていた。
今度は泣き落としですか……。
まあ、1人の辛さはよくわかりますよ。
小・中・高ずっとひとりぼっちだったから。
「……わかった。 協力する」
愛美の顔がパッと華やかな表情になった。
……わかりやすい奴。