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76話 修行開始

エリマリンの究極の逸品とも言える服を買い、早速ステラには試着をしてもらうことにした。


その間にアクセルは支払いをするのだが、エリマリン自身も3億などという驚きを通り越して馬鹿げた金額を、まさか払う者がいるなど思ってもなく、さらには一括で払うとアクセルが言うと腰を抜かし放心状態となっていた。


そんなエリマリンをよそに、ドンドンと出てくる金貨がパンパンに詰まった袋。


従業員に3億を数えるだけで数日かかると言われ、もし足りなければ後日持ってくると伝えた。


そうこうしていると着替えを終えたステラが何やら慌てた様子で出てきた。


「アクセル様、ミラ様、これ!!」


ステラはそう言うと(たもと)に描かれた、とある花の模様を指差している。


「サマはやめろ。あ、その花…」


「あんたもこの花を知ってるのかい?これはすでにこの世界から消えた木に咲く花だよ」


放心状態から立ち直ったエリマリンが会話に混ざる。


「消えた??」


「そうさ、この花は寒期から暖期に移り変わる時に咲く花で、名をサクラというんだ。だが、理由は分からないが数が少なくてね…私が見た最後の木の一本も100年ほど前に枯れて消えていったのさ…」


「………なるほど。綺麗な花だな」


エリマリンがこの世界から消えたと言っているサクラの木は、間違いなく拠点にある。


ステラは拠点にあるサクラの花弁が描かれていたこと自体に驚いていたようだが、アクセルはミラと目配せし、拠点にあることは黙っておくことにし、話を合わせた。


「それにしてもステラ、物凄く似合ってるな!!」


「え、あ、ありがとうございます!!」


「うむ、ステラ自身の可愛さも相まって気に留めない男など居ないだろう…悪い虫なら私が叩き潰すが!」


「お、おう…お前、なんかステラに対して過保護だよな…」


「可愛い妹が出来たのだ。少しくらい過保護にもなるさ」


そんなミラの言葉を流しつつ、改めてステラを見てみる。


巫女服を参考にしたと言っていた通り、白を基調とし、袂にはサクラの花弁が刺繍されている。たが、肩は広く開き丸見えだ。


そして襟は赤に染められ、ステラの白銀髪と白い服が一層映える。


しかし本来、巫女服の下は袴であるが、ステラはなんとスカートをはいている。


しかもミニスカートだ。その下に僅かにスパッツのような物も見えている。


そして太ももまである、服同様の白いニーハイソックスの様な物を履き、膝下ほどまであるブーツを履いている。


「物凄く似合ってるだけど……なぁ、ばあちゃん、これ本当に攻撃防げるんだよな?」


「ば、ばあちゃん!?私はまだ300代だ!それにあれには竜のひげと呼ばれる素材をこれでもか!という程、使用している。もちろん他の貴重な素材もね。下手な金属に負けるような素材でもないし、加工の仕方もしていない。見えてる部分だって動く際にはちゃんと隠れるように作ってある」


「まぁ、加工のことはよく分からないけど…竜のひげかぁ…」


「もちろん本物のドラゴンのヒゲじゃない。とある魔物の特徴ともいえる部位さ!時間と金を存分にかけて集めたんだ。値段以上の価値はあると思っていい」


その後も根掘り葉掘り性能に関しては聞いていくアクセル。


(君だって充分過保護ではないか…まぁマスターの場合は命に対して…か)



▽▽▽



「よし!じゃ魔法の訓練の前に言っておくことと、やることがある」


拠点に戻り日課の鍛錬ではなく、魔法を使う為の修行を始めることにした。


「俺は魔法が使えないから魔法を教えることは出来ない。ある程度の知識はあるけど、実際魔法を使えるミラに聞いた方が確実だな!で、やることっていうのはステラの持ってる属性を確かめることだ!」


アクセルはそういうと何の変哲もない5枚の小さな紙を取り出し、ステラの前に並べる。


「この5枚のうち、好きなのを好きだけ選べ。まぁ、直感だな」


「ふむ、私も知らない方法だな」


「これは先生が見つけた方法らしい。俺もこれで調べた。ミラもやってみるか?」


ミラの属性はアクセルも知っているが、この方法が確実である保証もない。またミラも属性が変わっている可能性もある。


ミラの分の紙を用意した後、ステラとミラは少し考えたあと、ミラは2枚の紙を取り、ステラは4枚の紙をとった。


「結果の前に言っとくが、本来は協会とかにある魔道具で調べるのが確実で一般的らしい。今やってる方法はあくまで参考程度にと思っておいてくれ」


アクセルはそういうとミラとステラが持つ紙に、それぞれ液体を垂らしていく。


するとミラの持つ紙は緑と黒、ステラの持つ紙は赤、青、緑、黄色に変わる。


「ミラは風と闇で変わらずだな。ステラは火、水、風、光の4つだ!」


「確かに当たっているが…」


「はは、だよな!俺もイマイチな反応したの覚えてるよ。でも、この紙には予め自分の魔力に反応する液体を付けてるんだ。それを直感で感じ取って、持ってる属性の数を、最後の液体で種類が分かるようになってる」


「ふむ…確かにこの2枚から何か惹かれるものを感じたな」


「ちなみにアク、マスターはどの属性を持ってるんですか?」


「俺は、全部だ!」


「マスターはその全て属性を同時に使う事で驚異的な身体能力を得ているのだ」


「前に見たパチパチいってたやつ…じゃあボクも、もしかしたら…」


「それは現状では難しいだろうな…複数の属性を同時に使うこと、それは極めて難しい。二つならまだしも、三つの属性など、まず持っている者が少ないし、4つ持っているステラもそれだけで充分凄いことなのだぞ?全てを同時などマスターが異常なだけだ」


「酷い言い方だな…まぁ、可能性は無いわけじゃないけど、俺も出来るようになったのは2年前に死にかけた一件以降だからな。まぁ、まだ一つの属性を引き出す魔法も使えてないんだ。まずはそこからだな」


「はい!頑張ります!!」

読んで頂きありがとうございます

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