表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/167

68話 共同依頼再び

「アクセルくーーーん!!!」


武闘大会優勝を果たし、シン、アヤメ、そして決勝で闘った男と談笑した後、拠点に帰ろうかと思っていところで聞き覚えのある、大きな声で呼び止められた。


「ん?あーー!!!コリン、アネッサ!!久しぶりだな」


「やっぱりアクセル君だ!久しぶりだね」


「決勝見ていたよ。優勝おめでとう」


「ありがとな。お前らは依頼か?」


話を聞くと、偶然依頼を受けこの街に来ていたコリン達は、依頼で街をずっと離れいて少し前に戻ってきたようだ。

そしてまた偶然、武闘大会の決勝を見ていた時、アクセルを発見し声をかけたのだとか。


さらには少々込み入った事情もあるらしく、仲間も紹介したいと思ったアクセルは拠点に招待することにした。


「うわぁ………綺麗なところだねぇ」


「あぁ、美しい…」


拠点としている開けた場所の手前、並木道の中でコリンとアネッサには待ってもらい、アクセルはミラ達に事情を説明する為、先に向かう。


そして了承を得て改めてコリン達を招待した。


だが初めて見るコリン達を警戒しているのか、動物はすぐに姿を消している。


そして全員で自己紹介を済ませたが、なかなか本題には入ることが出来なかった。


「ロアちゃんもロイ君も立派になっちゃってぇ…しかもネロちゃんまで…」


その後、思う存分ロア達を撫で回したコリンとアネッサは、人間の姿になったロア達を見て大層驚いた後、落ち着いてきたのかやっと本題には入ることになった。


「単刀直入にいうと、また共同で依頼を受けて欲しい」


コリンに代わり、アネッサがそういうと説明を始める。


事の始まりは今から約ひと月前、ポロの街から少し離れた海沿いの場所に謎の遺跡らしき物が発見されたとのことだ。


最初はただ、自然洞窟への入口が長い月日が経ったことで開かれたくらいにしか認識していなかった発見者達だったが、その中に入ってみると人工物が多く見られ、急いで領主に報告したとのことだった。


その後、領主の私兵で調査隊が編成され、コリン達にも声がかかったとのことだ。


「しかしここで問題が起きた。我々がこの街の領主から受けた依頼は、その遺跡の全容を記録することなのだが、いざ調査が始まると強力なゴーレムが出てきてな…調査隊は抵抗虚しく壊滅まで追い込まれ、撤退を余儀なくされた」


ゴーレムとは言わば魔法使いが生み出した兵士だ。

だが、複雑な命令をするためには相応の魔法技術が必要とされ、ほとんどのゴーレムは動く壁くらいの物としか起用されていない。


しかし、何かを護らせることには非常に都合が良い。


「一定の範囲を定め、そこに一定の大きさの者が侵入してくれば排除せよ」これくらいの命令ならば、国お抱えの魔法使いであれば可能である。


「ゴーレムがいたということは何かを護っていたと思われる。なにか貴重な物なのか、遺跡その物なのかは定かではないが…」


それが約10日程前の出来事だ。コリン達の仕事はあくまで内部のマッピング。わざわざゴーレムと戦闘を行う必要もないため他に入口がないか周辺を調べていたそうだ。


「そして、ここからが仕事の話なのだが――――」


未発見の財宝等が見つかった場合、文化的財産等は国、またはその領主の物となるのだが、金銀財宝といった金目のものは発見者の物とされる。


それ故に領主は遺跡発見を周囲には伝えず独自に調査をしていたのだ。


だがそれも失敗に終わったことにより、金銀財宝は諦め冒険者ギルドに依頼する流れとなったのだ。


「私達は金銀財宝を手に入れられない代わりに、領主より別途の報酬を約束されている。つまり君には遺跡の調査をしてもらいたいのだ」


「まぁ話は分かったけど、俺達が勝手にその遺跡に入っても良いのか?冒険者ギルドに依頼されてるなら他の冒険者もいるんだろ?」


「いや、正確には領主はまだ諦めきれないのか、冒険者ギルドに話を大々的には通していない。つまりはあの遺跡はまだ発見されていないのと同じなのだ。幸い私達の報酬については書面できっちりと記してあるから内部の地図さえ作れば言い逃れも出来ない」


「そうそう、だからアクセル君は遺跡の第1発見者になれるし、内部にある物についてもアクセル君の自由に出来るってわけ。どうかな?」


「冒険者ギルドも遺跡の存在を知らないわけではない。今の私達と同じ様に動く可能性もある。あまり時間の猶予はないがな」


しばらく考え込むアクセルだったが、ミラとステラに目で確認をとった後、受ける事にした。


その後、これからの予定を決めていく。


「じゃあ俺達は遺跡の調査が終われば冒険者ギルドに報告して、コリン達に頼んで地図を作って貰っているって言えば良いんだよな?」


「あぁ、それで構わない」


「少しくらいなら財宝分けてくれても良いんだよ?」


「はは、あれば分け前はちゃんと考えるよ…しかし訓練された兵を退けるゴーレムかぁ…当然普通のゴーレムじゃないだろうし……」


その後全員で宿に戻り、翌日遺跡の調査に向かうこととなった。

読んで頂きありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ