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プロローグ3

森に入ったグレイとネーラ。



すでに周りは鬱蒼とした木が生い茂り、早朝にもかかわらず薄暗い。



「探索魔法を使うわ」



ネーラはそう言うと杖に意識を集中し、小声でなにやら呟いた後、ネーラの足元に魔法陣が展開され輝き出す。



「サーチ」



そう唱えると、淡い輝きを放つ魔法陣は光の粒となって辺りに拡散していく。そして……



「見つけた!まだ少し距離はあるけど、十分追いつける」


「よし」


「こっち」


再び走りだすネーラ、後に続くグレイ。

走りながら一番の懸念をグレイが口にする。



「子供の方はどうだ?」


「サーチにかからないとなると、恐らくかなり弱ってる。流石にサーチの範囲外まで逃げてるとは思えない」



このサーチという魔法は条件を絞り、範囲内にある魔力を探知する魔法である。

条件が人なら範囲内にいる人を、魔物なら同じく魔物の位置をある程度把握することが出来る。



「二人組もまだ居ることだ。殺されたってことはないだろうな」


「ええ、急ぎましょう」



そして足場、視界の悪さなど気にとめることもなく、風のように駆け抜けて行く二人。



「あいつらか」



とうとう肉眼で捉え、様子を伺う。

一人は弓を持ち、もう一人は剣を持っていた。そしてなにやら話し合っている。



「このままじゃ埒があかん、俺が行く」



グレイはそう告げると、男達の前に姿を見せた。



「よう、あんたらこんな所で何やってんだ?」



グレイの問いかけに不意を突かれたのだろうか、慌てて立ち上がる。



「い、いや〜、狩りの途中で道に迷っちまって……ははは」



そう誤魔化す男達に、白々しいと毒突きながらグレイは近づいていく。



「獲物は小さな子供かい?」


「「っ!?」」



虚を突かれ、慌てて男達は武器を構える。

そして向けられた剣先に薄っすら血痕を見つけると、グレイは怒りを露わにし表情を強張らせる。



「外道どもが……」



そう吐き捨てながら肉薄し、それとほぼ同時に男達の首を切り落とした。

血を振り払い、剣を仕舞うとネーラに呼びかける。



「子供はおそらく斬られてる。急ごう」



その後、サーチを使いつつ、日が傾き始めた頃には集落を発見することが出来た。しかしそこに子供は来ていないという。

二人は集落の人たちに滞在許可を貰い、もし子供が来たら自分達に教えて欲しいと伝え、少年の探索を再開した。



そしてこの二人が少年と出会うのは、二人がこの集落に到着した5日後であった……

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