第7話 王国魔法師団団長
「ファナリ王女殿下、本当によろしかった
のでしょうか??」
「いいのよ、役立たずの穀潰しも
囲っておける程うちも余裕ある訳じゃ
ないし♪」
「ですが、流石に【魔境の樹海】に放置
されては骨すらも残りませんぞ・・・」
「いいの、いいの♪これからタダ飯食らって周りにただただ迷惑を掛けて生き恥晒してい
くくらいなら、
ちゃちゃっと殺してあげた方が零君の
為になるよぉ♪♪
それに骨も残らないとか都合いいじゃん♪」
「・・・」
「なによマルクス、あなたも行きたいの?
魔境の樹海♪♪」
「いえ、そんな。こんな老害は魔の物でも
食さんでしょうし、骨は墓に埋めたい
ですわい」
「あら、そう??」
老騎士とファナリがそんな話をしていた
頃
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
零の目が覚めた時、6畳程度の蝋燭の火
だけが灯る薄暗い部屋にいた。
そこには零とローブを纏いフード深く
被った人がいた
「おっ、目を覚ましたかい?
乱暴な真似をしたみたいですまないね。
私はこの国の魔導師団団長のマーリンだ。」
顔は見えないが、声からして女性かな?
雰囲気はあまり悪く見えないな
それにしても頭痛い。
「どうも、広瀬 零です。」
挨拶するとマーリンは首を傾げていた
「いや、すまない。
この状況で普通に挨拶を返して貰えるとは
思っていないくてね。
面白いな、零君は」
「いえ、それはどうも。
まぁ良ければその状況とやらを教えて
貰えると助かるんだが。」
「あぁ、そうだな、すまないね
まぁ先ずは頭痛まないかい??」
「少し痛みはしますね」
「じゃあそれから治そうか!
そのまま動かないでね。」
何やらこっちに向かって手をかざした
【ヒール】
その時暖かいナニかに包まれ
頭の痛みはすっかり消えていた。
「え?!」
なんだ!今のは!?
「あぁ、君達の世界に魔法は存在しない
んだったね。今のは回復の魔法だよ」
やっぱり魔法が存在するのか、
水晶玉の時から思ってはいたが、
そう考えれば鑑定も魔法だよな
「あ、あぁ少し驚いたよ。
それにしても凄いな、痛みが完全に
引いてる。」
「まぁ私はこれでもこの国一の魔法師
だからね!!」
なんかサムズアップしている・・・
「まぁ助かる、ありがとう。」
「うむ、それじゃあ軽く説明しようか。
とは言っても物凄く嫌な話だと思うけどね
すまないな。本当に。
零君は鑑定玉で最低評価がでてしまってね
それを見て処分すると決めたらしい。
その処分方法なんだか魔境の樹海という
入ったものは骨すらも残らないと言われる
様な場所の前で殺して捨ててこいと命令が
下ってね・・・
本来なら馬車でも2週間はかかるんだか
私は魔法のワープが使えるから今直ぐいけて
しまうのだよ・・・
こんな事の為に力をつけたのでは
無いはずだったんだけどね。
すまないが命令には背けないんだ。
とりあえず今から転移する事になるのだが
他に聞きたいことはあるかい?」
「あぁ、魔法についてちょっと教えて
くれないか??」
「あぁ、あまり時間もないので基本的な
事だけね。
魔法の基本といばやっぱり属性魔法ね。
火魔法、水魔法、風魔法、土魔法
これが初級魔法ね。ステータスだとスキル
の枠になるわね。
炎魔法、氷魔法、雷魔法、金魔法
これが上級魔法。ステータスだとハイスキルの枠になるわね。後、
光魔法、闇魔法
これも上級魔法になるわね。
でも誰でも使える訳じゃなくて、適正が
あってちゃんと鍛錬しないと難しいわよ!
大体10人に1人くらいは1つの属性に
適正がある感じね。
2属性だと1000分の1
3属性だと100000分の1
4属性なんて100000000の1よ
一応私は4属性使いだけどね〜☆☆
5属性は伝説の勇者様が5属性、
火、水、風、土、光
伝えられている歴史上では勇者様しか
使えた人はいないわね。
後はそうね、属性魔法以外には
無属性魔法と特殊性魔法ね。
無属性魔法に関しては殆どの人が使える
魔法ね。
身体強化とかできて便利な魔法よ。
最後に特殊魔法。
これに関しては色んな魔法の総称ね。
例えば、さっき使った回復魔法【ヒール】
今から使う空間魔法【ワープ】、
他にも色々な魔法が存在してて、
特殊魔法に分類されている感じかな。
簡単にはこんな所だけどどう??」
「あぁ、分かりやすかった。
ありがとうな」
まぁ魔法が使える世界であるって事が
確認できただけ上等だろう。
それにこの怪しい国から出られるのは
儲けもんだな。
あとはどう逃げるかだな。
このマーリンて人から逃げるのは
至難の技だろう。というか無理だろう。
さてどうするか・・・
「では零君、準備はいいかい?」
「中々残酷な事を聞くなぁ笑
まぁいいよ、どうぞ。」
「では。行こうか。
【ワープ】」
次の瞬間、目の前は森。
後ろは草原だった。
「零君、ついたよ。
じゃあ、すまないがそのまま前の森へ
進んでくれ。」
「ん?ここで殺さなくていいのか?」
「あぁ、せめてもの報いだよ。
その森に入れば私は死と認識することが
できる。
何故か中に入った途端何かに遮られて
外へ出ることができなくなるらしくてね。
恐らく為にはならんかも知れないが
どうか生き延びてくれ。
あと、一応この袋を持っていってくれ。
中にある程度の食料や金銭、武器等も
入れてある。
森をこのまま真っ直ぐ進めば抜けた先にも
街がある。まぁ地図上の話だが・・
入ってでてきた者が1人もいないのだ
確める事はできないが知らせておくよ。」
なんだやっぱこの人いい人じゃないか。
あのクソ姫に見習って欲しいものだな。
「色々とありがとな!
すまんがステータス見せてら貰う事は
できるか??」
「ん、あぁ、いいよ。
本来絶対他人にみせる事はないんだけどね
はい、どうぞ」
ステータス
マーリン・アナスリン LV. 460
HP 4600/4600 MP 6900/6900
STR 300
VIT 260
DEX 1800
AGI 850
INT 3400
スキル
火魔法 LV10
水魔法 LV10
風魔法 LV10
土魔法 LV10
詠唱省略 LV10
魔力感知 LV10
魔力操作 LV 10
無属性魔法 LV10
ハイスキル
炎魔法 LV10
氷魔法 LV10
雷魔法 LV10
金魔法 LV10
回復魔法 LV8
空間魔法 LV10
並列思考 LV10
無詠唱 LV10
ウルトラスキル
称号
魔導の探求者
リアーナ王国魔導師団団長
「では、零君の無事を祈っているよ。」
その言葉を最後に零は森への一歩を
踏み出した。
「すまない零君。
残った者達だけでも必ず守ってみせる」
マーリンはそう心に誓いながら城へ
戻っていった。