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0を司る者  作者: 理外
2/23

第1話 零



主人公の名は 広瀬 零 日本有数の日用品メーカーの御曹司で16歳の高校1年生である。


身長は170㎝、体重52.2㎏

いわゆる細マッチョであり、

顔立ちは100人見れば100がイケメンと答えるであろう容姿に中性的であるため中学の時にモデルをやっていた事もある。

バレンタインデーのチョコレートを全校生徒教師含め、なんと男子も含めて全員から貰うというちょっとよく分からない快挙を成し遂げた程のイケメンである。


零の家族は父、母、弟、妹が一緒に暮らして

いる。

広瀬家は父も母も成功者である。

父は一代で日用品業界のトップに、

母は読者モデルとして若い頃引っ張りだこ

状態で今も指導者側としてかなり優秀な

人である。


そんな家の長男として生まれた零は両親に

とって、新たな成功。ビジネスの道具だ。


それはもう道具の様に扱われて来た。


始めてテレビに出たのは生後2週間である。

ドラマの赤ちゃん役として、出演させられて

いた。母の乳すら飲んだ事も無いのだ。

裕福であるが為に乳母なる存在がいた。



2歳でピアノ教室に、英会話教室、

ダンス教室に子役のオーディション。

その他にも習い事という習い事は全て

行かされた。


勿論そこに両親の姿はない。

執事の人や侍女の人が送り迎えだけ

やってくれていた。


少し年上の子が親と楽しそうに笑いながら

手を繋いで帰って行く姿を見て、ちゃんと

出来る様になれば、自分もあんな風に褒めて

笑い掛けてくれるかな??と思い、


その為だけに一生懸命頑張った。



4歳の時一度逃げ出した事があった。

家出である。

勿論、そんなに遠くに行ける訳でもない。

父に、母に、探して欲しかったのだ。

がむしゃらに探して見つけ出して、


「心配をした」と。そう一言だけ言って、

強く抱き締めて貰いたかったのだ。



でも結局、両親は来なかった。


2日間。近くの公園で倒れる様に眠っていた

のに。


助けてくれたのは通りすがりのおばあさん。

おばあさんが救急車を呼んでくれて、

なんとか生き延びる事が出来た。


病院に搬送された次の日の朝一番に父が

来てくれた。


嬉しかった。父が来たとナースの人に

言われた時には自然と涙が出ていた。


父が病室へと入ってくる。



「父さん…。」


スパンッッ!!


父か零の頬を引っ叩いたのだ


ぇっ。


何が起きたのか一瞬わからなかった。


その後告げられる父の言葉も耳に

入らなかった。


「病院から電話があったから来たが、

なんだその五体満足そうな身体は。


俺は忙しいんだ。


どこで何をして病院に搬送される事態に

なたのかは知らんが、


もう二度と俺の手を煩わせるなよ。」



そう言い残して父は病室を出ていった。



それから3日後、家に戻ると1番の話し相手

であった侍女さんはもう居なかった。



この日から中学の卒業まで、零は本当の

気持ちを押さえ込み。

両親の優秀な人形として生きる事になる。





零の通う学校は現代日本の庶民では存在すら知られていない、

いわゆる貴族学校というやつで大手企業の嫡男やお嬢様の集まる学校で公にはされていないが総理大臣の隠し子等もちらほらいる。



そんな学校の一室、1ーEクラスの窓側一番

後ろ(庶民の学校では席替え等で最も人気の高い席らしい)で伏せて眠っているのが

レイ君こと広瀬 零 である。


この貴族学校では国語、数学…etc基本科目加え交渉、目利き、指導、等 色々な分野の知識を多岐に渡り教えて貰える。


教師陣も国のトップが集まり全校生徒480人男女比は、男7、女3。に対し、教師陣150人と約1/3ものすす人材が派遣されており生徒同様、年に3回の試験を受け下10人はいつでも変わる体制を整えている程の充実ぶりである。


そんな学校の席替えとなればホワイトボードに近い席から順次埋まっていき後ろの席等は親の地位があらかた低い生徒達の特等席となっている始末である。

もちろん、席替えはくじ引きでやっいるのだがカネやらコネやらが色々と絡み殆どの席は変わらないという何の為にくじを引くのかわからない状況になっている。


零の家はそれなりに高い地位の為、一応最前列を毎回引かせて頂いてはいるのだが、適当にその権利を売り払い、いつも窓側の後ろを陣取るという明らかにやる気の無さが滲み出ている。


クラスの一部から付けられたあだ名は

「眠り姫」

本来ならもっと残酷なあだ名を付けられてもおかしくないのだが、男であるにもかかわらず、ウィッグつければ女と見間違われる程中性的で整った顔立ち、これは零に近しい者しか知らないがモデルをやっていた事もあり、さらに家柄もそれなりに高いため

あんまりなあだ名は付けられないという、

ややこしい理由もあり、微妙なあだ名が

付いている。



そして零の人生を大きく変える日の朝


それは冬の新学期が始まる朝、いつも通り

朝礼の30分前に席で寝ていた零に

声が掛けられる。


「アハッハッハッ、そりゃ傑作だなぁぁ


おいおい、眠り姫ちゃんよぉ〜


おはようおはよう!!


ちょっと俺達についてこいよ!!」



声を掛けて来たのは1ーAクラスの

"紺野 竜馬。と金魚のフン×3

この4人は親の繋がりで昔から権力を振るい

頭のおかしい事を繰り返し続けている

グループである。



「・・・・・・・zzz」



「竜馬さん、こいつまだ寝てますぜ!」



「ッ! 俺の言葉が聞こえねぇとは


いい度胸じゃねぇかぁぁ!!コラァ!」


何という堪忍袋の尾の切安さ。

声をかけてからキレるまでの時間

なんと、

0.3秒。


「ぁっ、やべぇ。」

「ぉい、ちょっと離れっぞ!」

「どこんいくん〜??

ぁ、ちょっと待って〜」


ゴッ! ガン! バキャッ!! パリン。


その時竜馬が零の寝ている机を蹴り、

その机が前のイスにあたり、

横のイスを零に投げつけ、

窓ガラスが割れる。


まだ朝早くあまり学生も来ていない

教室の中でもそれを見ていたクラスメイトは

口を開け、唖然としていた。


そんな中、零は



「・・・・zzz」



自分のイスに座ったまま、


寝ていた。



それを見た瞬間静まり返る教室。



これには流石の竜馬も固まり、

沈黙が続く事20秒。



永遠かとも思える時間の中、

何事かと他クラスからも人が集まり


それに面食らったのか、竜馬とフン×3は

そそくさと帰っていった。


「おい、テメェらけぇるぞ」


「へい、

分かりました、

は〜い。」



その後朝礼に担任の教師が来て、

何事かと騒ぎ倒し、犯人が竜馬だと

現場を見ていたクラスメイトに言われた時

またかと、呆れた顔で一旦職員室に

向かって行った。


一限目の全校集会に1ーEは一番遅れて、

向かうのだった。



講堂へと向かう途中零は、


「そういえば、名前も知らないけど

あの4人は何をしに来たんだろう??」



机を蹴られる事を察知し

少しだけ預けていた体を浮かせ、

投げられたイスを目をつぶったまま

体を起こす事で躱していた零だった。


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