第17話 ダンジョンとレベル祭り【1】
基本の属性魔法の習得とレベル上げを終え、
探索を再開する零。
魔力感知の能力を全開にする。
半径10km圏内・・・
に気配は感知されなかった。
ここでまた無闇に歩き廻るのも面倒なので
ちょっとズルをする。
獲得経験値倍加から0を外して、
魔力感知の範囲を10kmから100km
にする。
すると1000以上の気配を感じ取り、
想像以上の量に驚くが、それよりも
気になる事があった。
全方位に気配はパラパラとあるのだが
一箇所だけ気配の量が桁違いに多いのだ。
最初に感知した時はバカデカい気配。
正に森の主。的な魔物でもいるのかと
思ったのだが、詳しく見てみるとかなり
沢山の気配がその場所に集まっている事に
気がつく。
その中にはゴブリンやナイトウルフの
気配もある。
が、知らない気配も多数存在している。
気になるので確認するべく歩をすすめるが
一瞬、迷う。
もし。明らかにヤバい魔物がいたら??
そして400倍の効率により、魔法だけは
レベルが上限だが、本人自体のレベルは
まだ9なのだ。
ゴブリン如き。狼如きは幾ら戯れようとも
屠れるだろう。
だが今もし、マーリンよりステータスの
高い相手がいても勝てるだろうか??
色々と不安がよぎり歩く足が止まる。
彼処だけは避けて。他の出口を探すか??
いや。マーリンは此処に入り、出てきた者を
知らないと言っていた。
恐らくあの見えない壁はこの樹海全てを
覆っているのだろう。
だとすればこの樹海を抜けられる手段を
今思い付く事は出来ない。
最悪一生抜けられない可能性も加味するべき
であろう。
やはり行くべきである。
少しでも情報を集めておくべきである。
「よし。少しだけ覗こう。」
そう決め、AGIとDEXに0を振り
駆ける事、約1時間。あまり疲れは感じない
目的の場所まで50m程の場所まで
来て唖然とする。
そこで見たものは・・・
木である。
段々と近くに連れ、何度自分の目を疑った
か分からない。
木である。
いや、木なんだが。
大きい。
ん〜、上手く言葉が見つからない程、
大きい。
その木の周りを一周してみた所、
太さ30mはあろうかと言う太さである。
途中、半分程回った所に縦5m、横3m程
門の形を模した様に穴が空いていて、
その先は暗くなっていた。
明らかに怪しいので一旦無視した。
高さも確認したかったので、
風魔法【飛翔】で飛んで確認しに行ったの
だが、100m程で他の闇夜の木を
追い越し。
300mは飛んだだろうかという所
で何かに頭をぶつけた。
そう、見えない壁である。上にもあったのだ
この大き過ぎる木は見えない壁をぶち抜いて
まだ上へと伸びている。
しかも地上300mからでも頂点が
見えない。
そして大量の気配はこの中から感じる。
木の中に住処でもあるんだろうか??
確認しない事にはわからないので
とりあえずその場で木に向かって、
水魔法【水弾】を撃ち込む。
が、貫通どころか凹みすら出来ない。
ちょっとムキになり、氷魔法【氷槍】を
最大火力でぶつける。
が、やはり凹みすら出来ない。
現状の最大火力に近い魔法を放ち
粉砕した事に木は凹まないのに
気持ちは凹む。
これではどっちが攻撃を食らったのか
分からない。
このまま飛んでいても仕方ないので
とりあえず下へ降りる。
テンションと共に。
降りてまず向かったのは先程無視した
お先真っ暗な空洞である。
今はその空洞の前で立ち止まっている。
一歩進んでまた戻る。
一歩進んで前ならえ。
一歩進んで偉いひと。
いや、いかん。これだと地味に進んでしまう
俺は石橋を叩いて渡る人間なのだ。
知らない。分からない。のは非常に怖い。
折木を投げ入れる。
魔法を撃ってみる。
特に反応はない。= 何もわからない。
うーん、でもやっぱりここから入れと
言う事なのだろう。なのだろうが、
危険はないのだろうか??
まぁこの樹海自体がそもそも危険の宝庫
らしいのだが。
どちらにせよと此処で立ち止まっていても
事は進まない。
行く!!たぶん大丈夫!!そう心が
言っている!!言い聞かせている。
石橋叩けって??
俺だって叩きたいよ。
叩く石橋があるのなら幾らでも叩くさ。
寧ろぶっ壊してやるよ!!
念のために金魔法【鎧】を纏う。
ゆっくりと近付き先ずは手だけ入れてみる。
特に反応はない。
次に片足だけ入れ足場があるかを確認する。
足場もある。感触は樹海の地面と
変わらない様に感じる。
意を決して全身を突っ込む。
閉じてしまっていた目を開けた時、
視界に入った景色は色鮮やかな草原。
まるでまた異世界へ転移したのかと思う
程に綺麗な景色。
先程まで居た魔境の樹海の様な、
どこか陰鬱な空気など微塵も感じない。
もはや草原というよりは、まるで庭園。
まさに絶景である。
ここがこの世界の起源です。と言われても
恐らく疑う事はしないだろう。
澄み渡る空気。
瑞々しい草木。
色鮮やかな花々。
流れる川の音が耳を喜ばせる。
一生此処に居てもいいかも知れない。
そんな事を思い感慨に耽る事10分。
ようやく気持ちが落ち着いて来て、
頭も回転し始める。
色々とオカシイ事がある。
1、此処はあのデカい木の中なのか??
だとして、見渡す限り壁の様な物は
見当たらない。後ろには暗い空洞。
その両横は草原である。
草原 空洞 草原
草原 零 草原
草原 草原
空洞だけがその他の景色から切り離されて
いて、まるでどこかから取って来て置いてある様に見える。
そして明らかに30m以上の広さがある。
見渡す限りは草木しかないので、今いる場所
から真っ直ぐに進んでも2kmはあるだろう。
不安なので1度外に出てみたのだが
やはり陰鬱な森である。また入る。
2、川の音が聞こえる。
この広さも明らかにオカシイが、
川が流れているのは正直違和感しか感じない
何処から??
音がする方へ向かうと確かに川が流れていた
。川幅は3m程である。流れは強くも無く、
弱く無い感じ。
川に沿って上流へ向かう。5km程歩いた
所で川の河口にたどり着く。そこにあったのは、又もや暗い空洞である。今回の空洞は
入口の物程大きくはない。直径1m程の
円形である。
そこから水が流れ出ている。
ここまでの状況から見て暗い空洞は恐らく
何処かと何処かを繋げる役割を担っている
のだろう。
だとすれば、今いるこの草原は魔境の樹海
ではなく何処か別の空間なのかも知れない。
あくまでも推測の域を出ないが矛盾点も
あまりないし、であれば、この広さも理解
できる。
ここでもう一度魔力感知100kmを使う。
するとやはり1000以上の気配を感じる。
上から。
今いるこの草原には居ない様である。
上へ行く手段があるという事だろうか??
仮に別の空間ではなく木の中なら上があるの
は頷ずける。まぁ別の空間であったとしても
上が無いとはいいきれないのだが。
ただ、上を見る限りでは普通に青空が
広がっているだけである。
気配は上から感じるので、とりあえず
飛んでみる。【飛翔】
すると50m程飛んだ所で頭を打つ。
また、見えない壁である。
ここはなんなのだろう??
疑問は増えるばかりである。
そして50m上から周囲を見渡すと、
一箇所だけポッカりと穴が空いているかの様に草木の無い場所を見つける。飛んで
その場所へと向かう。
ついた場所には扉があった。
今回はキチンとした扉である。
黒い。怪しい。扉である。
まぁ恐らくは上へと続く扉なのだろう。
先ずは開けて見る。押し開くタイプだ。
するとその中はまるで洞窟の様になっていて先には階段がある。
この扉といい階段といい。
人でも居るのだろうか??
それとも知能の高い魔物??
もしくはそれを率いる魔人や魔王などの
存在??
一応あのクソ国のクソ姫は魔王討伐の為に
召喚したと言っていた。本当かは知らんが。
まぁ魔王がいるのは居るんだろう。
何処に居るかは知らないが。
ここだけは辞めて欲しいな。
でも名前魔境の樹海なんだよなぁ。
魔の境目て事でしょ??
これヤバいかなあ??
進むか、ここで一生を過ごすかしか選択肢は無いのだ。
当たって砕けろ!
いや、砕けてはいけない。
意を決して階段へと足を進める。
登る事1000段。多いよ。
階段は無くなり一本道になった。
魔力感知を発動するとゴブリンがいる。
それもかなりの数いる。大体200くらい
はいるだろうか??
正直。ゴブリンは羽虫か何かだと思っている
ので、何の躊躇もなく気配の元へ向かう。
するとドームの様に開けた場所に出、
そこにゴブリンはいた。わんさかいる。
近くに居たゴブリンがこちらに気付き、
声を上げる。
「ガギィギャ!!」
その声に周りのゴブリンも反応し、こちらを
向く。そして200体のゴブリンは一斉に
こちらに向かって襲いかかってきた。
「炎津波」
炎魔法を使い念じる。
すると炎の津波がゴブリン勢を飲み込む。
・レベルが上がりました
1分程するとそこには炭と紫っぽい何かが
キラキラしている状況が生まれていた。
・レベルが上がりました
・レベルが上がりました
・・・
レベルが上がりましたの文字が暫く浮かんだ
後、ゴブリンの鑑定をしようと思ったが
原型を留めているゴブリンは一体もいなかっ
たので諦めて、
紫色の何かを1つ拾い見てみる。
鑑定。
≪ゴブリンの魔石≫
魔石ランク:F
状態:劣悪
魔石!!
魔石か!!劣悪だけどww
次からもう少し綺麗に倒そう。
外で倒した奴には魔石は無かったので
ここの魔物でだけ手に入るのかな??
て事はあれかな??
ここは所謂。ダンジョンなのだろうか??
RPGやファンタジー小説に良く出て来て、
冒険者などが主に探索をしたり
素材などを集める
場所??なのだろうか??
もしそうなら最後まで行けば分かるか。
次はステータス確認を行う。
ステータス
広瀬 零 LV. 37
HP 6580/6580 MP 5930/6580
STR 1490
VIT 1186
DEX 1490
AGI 2382
INT 1490
スキル
火魔法 LV10
水魔法 LV10
風魔法 LV10
土魔法 LV10
詠唱省略 LV10
魔力操作 LV10
魔力感知 LV10
瞑想 LV10
夜目 LV5
獲得経験値倍加
ステータス上昇率倍加
バース言語理解
鑑定 LV6
偽装 LV8
高速睡眠 LV10
睡眠学習 LV10
ハイスキル
炎魔法 LV10
氷魔法 LV10
雷魔法 LV10
金魔法 LV10
空間魔法 LV10
収納魔法 LV10
無詠唱 LV10
並列思考 LV10
睡眠魔法 LV1
ウルトラスキル
0 LV2
称号
召喚されし者
魔導の探求者
魔導の真理を見定めし者
睡眠を極めし者
0を司る者
おお、ゴブリン約200体でレベルが28も
上がった!
そしてめっちゃ身体軽い。
ふわふわする。
薬物投与でもしたかの様である。
いや、した事はないよ。
今なら狼に幾ら噛まれても痛くなさそう
である。
よし!ジャンジャン行こうっ!!
魔力感知を発動する。
また気配を感じたのは上である。
てことはまた階段でもあるのかな??
今なら1000段くらいスイスイ登れるわ!
ドームの先には案の定階段があった。
次は先ず相手を鑑定してから倒そう。
階段を登って感知した気配は大きく分けて
3つ。道も3つに別れている。
1つはHope of the destroyerこと、
ナイトウルフの集団
残り2つは気配しか分からない。
先ずはナイトウルフの方へ進む。
やはりナイトウルフがいるのはドーム状の
空間の中である。その数20匹。
ここの魔物はそうゆう
生態系なのかな??ダンジョンの決まり事
的なものでもあるのだろうか??
先ずは鑑定をする。
ステータス
ナイトウルフ LV. 45
HP 400/400 MP 240/240
STR 140
VIT 100
DEX 100
AGI 260
INT 120
スキル
夜目LV6
感覚共有 LV8
かみつき LV6
ハイスキル
ウルトラスキル
称号
おぉ、外のより全然強い。
レベルだけ見れば負けてるねww
どうやらドーム状の空間に入らなければ
大丈夫らしくこちらにはまだ気付いていない
。
さっきみたいに丸焼きだと魔石が傷付くので
風魔法使うことにする。
ただ何処に魔石があるか分からない為、
今回はとりあえず、頭か心臓辺りと仮定
して、首を落としていく作戦で行く。
ドーム状の空間へ入る前に、風魔法、
【鎌鼬】で20個の風の刃を用意する。
この洞窟は場所にもよるが大体、
縦5m、横5mくらいあるので広さは
十分である。
【鎌鼬】を浮遊させてた状態で空間へ
入ると、気配を感じとったのかすぐに
こちらに気付き包囲しようと回りこんで
来る。
回りこんで来る前に【鎌鼬】を放ち
近くの個体から順に首を落としていく。
なんの抵抗も無く綺麗にナイトウルフを
倒す事ができた。
・レベルが上がりました
・レベルが上がりました
・・・
またレベル祭りである。
しばらく文字が浮かんでいたので、
その間にナイトウルフの解体をする。
魔石は心臓の場所にあった。
鑑定。
≪ナイトウルフの魔石≫
魔石ランク:E
状態:良
・鑑定のレベルが上がりました
・解体を習得しました
・解体のレベルが上がりました
20体の解体をして毛皮と魔石だけ
次元収納に入れ、ステータスの確認をする
ステータス
広瀬 零 LV. 91
HP 17380/17380 MP 17380/17380
STR 4190
VIT 3346
DEX 4190
AGI 6702
INT 4190
スキル
火魔法 LV10
水魔法 LV10
風魔法 LV10
土魔法 LV10
詠唱省略 LV10
魔力操作 LV10
魔力感知 LV10
瞑想 LV10
夜目 LV5
解体 LV10 NEW
獲得経験値倍加
ステータス上昇率倍加
バース言語理解
鑑定 LV7 UP↑
偽装 LV8
高速睡眠 LV10
睡眠学習 LV10
ハイスキル
炎魔法 LV10
氷魔法 LV10
雷魔法 LV10
金魔法 LV10
空間魔法 LV10
収納魔法 LV10
無詠唱 LV10
並列思考 LV10
睡眠魔法 LV1
ウルトラスキル
0 LV2
称号
召喚されし者
魔導の探求者
魔導の真理を見定めし者
睡眠を極めし者
0を司る者
おぉ、ステータス的にもマーリンを超えたな
ナイトウルフのレベルが高かったのか
経験値が多く入ったのだろう。
54レベルも上がっていた。
順調だな!
鼻歌混じりに洞窟を進む零であった。