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放課後の相談


「飛び降りる夢?」

「うん」

放課後の自分たち以外誰もいなくなった教室で、水城 誠はクラスメートの大場 稀一に相談を受けていた。

因みに稀一の読み方はキイチだ。

「毎晩見るのか?」

「うん、テーブルの上からとかベッドの上からとか全部低いとこから・・・前はそうでもなかったんだけど最近は毎晩のように見るんだ。・・・びっくりしてすぐに飛び起きるから、そのあとどうなるか、分からないんだけど・・・」

「・・・・・」

最近はこのテの相談をよく受ける。

多分、誠が霊感が有るというのを誰かが話したのだろう。

「・・最近、自分に対してイヤなことあった?」

「え?」

夢占いとかはどちらかというとあまり信じない方だか、よく現実世界の不満とかを夢の世界で違う形で見ることが有ると聞いたことがある。

「・・・ないことは・・ない・・けど・・」

言いにくい事なのかな。

「・・・じゃあ、周りでイヤこととかは?」

「・・・この前・・・おばあちゃんが・・・亡くなった・・」

誠は稀一の肩の方を横目で見た。

さっきから稀一を心配そうに見下ろしているこの人がそのおばあさんなのだろう。

「おばあちゃんは僕の・・一番の理解者だった・・いつも、見方でいてくれたんだ・・・なのに・・」

「・・・・おばあさん、稀一のこと凄く心配してるぞ」

「え・・!ここにいるの?」

「お前にはまだ幸せになってほしいから考え直してほしい、ってさ。良いおばあさんだな」

「え・・考え・・直すって・・・な・・何を・・」

稀一の声は段々と小さくなり、俯いたせいもあって、最後まで聞き取れなかった。

「それはお前が一番よく分かっているだろ」

そう言うと誠は席を立った。

稀一は下を向いたまま動かない。

「相談は終わりだ。あとは自分自身に聞いてみな」

そう言い残すと誠は出入り口へと向かった。

教室を出るとき、チラッと稀一を見た。

そこには、俯いている稀一とそれを優しく抱きしめるおばあさんの姿があった。


窓の外では陸上部が運動場をかけ声に合わせて走っている。

野球部やサッカー部の声は、ここでもうるさいと感じるくらい威勢がいい

「・・・自殺はいかんよ・・・」

誠の呟いた言葉は外の活気溢れる声にかき消され、まだ明るい夏の空へと消えていった。


飛び降りる夢・・・。見るんですよね・・・^^;

なんでだろ?

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