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修学旅行3

続き。

午後十時二十分

自由時間だ。

誠は友達とトランプをしていた。

さっきからぼろ負けしているがそれなりに楽しい。

今しているのは、ありきたりだがババ抜き。これで負けたら十五連敗だ。

(あ・・負けるなこれは)

と負けを覚悟したとき

バン!という威勢のいいドアの開ける音と一緒に

「お兄ちゃん!」

というこれまた威勢のいい叫び声が重なった。

「・・・ま・・麻衣・・?」

誠とその友達は当前のごとく唖然としていた。


十時三十二分

「お前の友達が雪女に付いて行った?」

「うん、武志っていうんだけどね・・」

麻衣のいる部屋に上の階の仲のいい男子が三人遊びに来たのだそうだ。

その中の一人が武志だ。

しばらく遊んでいると女子の一人が「あれ?外に誰か立ってるよ」と窓の外の『誰か』に指を指して言った。

見てみるとその『誰か』は手招きしているように見える。

男子の一人が

「あれ雪女じゃね?」

と言い出した。

「うっそぉ」

「絶対そうだよ!出るって聞いたぜ」

部屋にいるみんな、雪女の話で盛り上がっている。

今日は二回目だ。

麻衣は半ばため息交じりに、もう一度窓の外を見た。

外にいた『誰か』はこちらに背を向けて歩いている。

向かう先は深い森だ。

「あ!行っちゃう」

と麻衣が言ったとき、雪の中を『誰か』と同じ方へと走っていく男の子がいた。

「あれ武志じゃねぇ?」

武志は麻衣の通う学校でも、大のオカルトマニアで有名だ。

「おい武志ぃ!危ねぇぞぉ!」

「もうすぐ先生たちが見回りにくるんだぁ!戻ってこい!」

叫んだ男の子の声が聞こえたのか武志が振り返った。

「大丈夫ぅ!ちょっと調べるだけだから、すぐに戻るよぉ」

満面の笑みで返し、『誰か』を追いかけ森へと走って行った。


「・・んで、戻ってこなかったと」

「うん・・・」

麻衣は少し涙目になっていた。

「先生には言ったのか?」

「うん、武志が二十分以上経っても帰ってこなかったから、部屋にいた何人かで見回りに来た稲木先生に言ったら・・」

「先生、何て?」

誠は稲木先生の顔を思い出してしまい、苦い顔をしながら恐る恐る聞いてみた。

「それが、怒られると思ったんだけど言った後すぐに場所を聞いて飛び出していった」

「・・・・」

あり得ないことではなのだ。

先生になるくらいだ、生徒の事を一番に思っていても不思議ではない。

・・ただ、稲木先生の場合は少し似合わないだけ。

「先生が出ていく前に『他の先生にも言っとけ!』て言われたらしくて男子たちが大慌てで走り回ってた」

「・・それはいいんだけどさ、麻衣?何でまったく関係のない俺に言うわけ?」

誠はさっきから疑問に思っていたことを述べた。

麻衣はしばらく誠の方を見て黙っていたが『当たり前じゃん』と言わんばかりの顔で

「だってお兄ちゃん、こうゆうの得意そうじゃん」

と一言。

「・・・・は?」

そりゃあ確かに、幽霊は六年生ぐらいの時からほとんと毎日のように見ている。

もう馴れろよ、と言いたいところだがソレを目の前にするとやはり恐かったりするのだ。

麻衣の言う『得意そうじゃん』には万に一つも当てはまらないはずなのだが・・・。

「・・・まあ、今のところは置いといて、武志君を捜すのが先だ、それに・・」

空には厚い雲が幾重にも重なっていて、月の光はおろか星の一つも見えない。

風も強くなってきて降る雪もほぼ真横に落ちて来ている。

「吹雪になる」

誠は小さく呟いた。



ここの話は出かけててもカチカチと書いていた記憶が・・・。(元ケータイ小説です^^;)

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