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わたしはメリー

あなたはこんな都市伝説があるのをご存じでしたか?


ある少女が引っ越しの際、古くなった外国製の人形、「メリー」を捨てていく。


その夜、少女に電話がかかってくる。その内容は以下のようなもの。


「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」


少女が恐ろしくなって電話を切ってもすぐまたかかってくる。


「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…」


そしてついに


「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」という電話が。


怖くなった少女は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。


やはり誰かのいたずらかとホッと胸を撫で下ろした直後、またもや電話が…

「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの。」



これが有名な「メリーさんの電話」と言うお話です。


振り返ってメリーさんと目を合わせると命を奪われるそうな。




しかしメリーさんにも言い分があるようで・・・


あたしメリーさん。きょうは、はっきり言わせてもらうわ。

だいたい都市伝説って何よ!失礼しちゃう。


あたしはただお友達になりたくて、色んな人に電話をかけてるだけなのよぉ。

それを恐怖の電話だなんてヒドイ!

突然押しかけたら悪いと思って、こまめに現在地を連絡してるだけじゃん。

別に命なんか取る気ありませんからー。


あっ!もしかしたらヘンな噂流したのアイツかも。

そーだそーだ、きっとヤツだ。


メリー・「もしもーし、リカちゃん?聞いてる?

   あのさー 変な噂流すのやめてくれないかな?

   迷惑なんだけど」


リカ・「え?何のこと?私知りませんけどぉ」


メリー・「だーかーらー、呪いとか殺すとかの話よ。あんたでしょ。」


リカ・「し、知らないわよ!だいたいなんで私がそんなことするわけ?」


メリー・「やーねー、女の嫉妬って。こわいわー。ふんっ!」


ガチャ。ツーツーツー・・・


あームカつく。

さ、仕事仕事。


ポチポチポチ・・043の5〇〇の〇〇〇〇

アッ!苛々して間違えちゃった!

ま、いっか。

どうせまた留守電だろうし。


プルルルル


男・「はい、もしもし、、、」


メリー・うわ!出た。

  「あっ、あたしメリーさん(焦っちゃった(^^;)

   い、今、えーとえーと 羽田にいるの」


男・「はい?どちらのメリーさんでしょうか」


メリー・「メリーさん、知らないの?だんだん近づくあのメリーさん」


男・「え!マジか!」


メリー・「はい。ほんとです。今からあなたの家にいくわ」


男・「え、ちょ 待っ」  「ガチャ」


プルルルル


メリー・「あたしメリーさん。今 東京モノレールに乗ったわ」


男・「ほんとに来るの?」(こっちに向かってるよ・・・)


プルルルル


メリー・「あたしメリーさん。今 浜松町にいるの」


男・(近づいてる)


プルルルル


メリー・「あたしメリーさん。ここどこ?」


男・「ここどこって、知らないよ!どこにいるの?」


メ・「分からないの、、、ぐすん。家族がいっぱいいるの。

   あと大きいねずみとか、お城があってお姫様がパレードしてるの」


男・「何ディズニーランドに寄ってんだよ。そっから武蔵野線に乗れよ」


プルルル


メリー・「あたしメリーさん。やっと西船橋に着いたわ。

喉がからからだから ちょっとスタバに寄ってから行くわ」


男。(スタバ・・・ 金持ちかよ)


プルルル


メリー・「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」


メリー・「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」


メリー・「あたしメリーさん。」


男・「今度は何?!!(# ゜Д゜)」


メリー・「セキュリティードアで入れないの・・・」


(ったくなんなんだよ。わけわかんねーよ。

なんで俺が迎えに行く展開になるわけ?)


あたしは1927年にアメリカと日本の親善大使として

12,000人の仲間と日本に来たの。

最初はみんなとても喜んでくれて、日本人のお友達も沢山できたわ。

でもそのあと、日本とアメリカは戦争になってしまって・・・

仲間達のほとんどが、敵国の人形だからって焼かれてしまい

今はほんの数人が残るだけ。

しかも日本では、リカちゃんが人気だし、アメリカでだって

バービー人形が幅を利かせてる。

あたしの居場所なんかないのよー えーん えーん。。。


その晩からあたしは「ヒロシ」と言うこの子の家に住む事にした。

ヒロシは学生でもないし、働いてもいないみたいだった。

でも時々ネットで配信してお金を稼いでいたみたい。

なんかユーチューバーって言うの?流行ってるんだってね。


ヒロシにあたしの事怖くないの?って聞いたら

「むしろ有り寄りの有り」って言って気に入ってくれたみたい。


初めのうちは、一緒に買い物に行ったり、キャンプに行ったりして

楽しかったんだけど、そのうちにヒロシは束縛し始めた。

あたしが仕事(日米友好)で電話をかけてると、怒りだすし、

ちょっと散歩するだけなのに、ストーカーみたく後をつけてくるんだもん。

だんだんあたしも嫌になっちゃった。


メリー・「もしもしリカちゃん?あたしメリーさん。あのね あたしアメリカに帰ることにしたわ」


リカ・「え?急にどうしたの?」


メリー・「なんかさー、今 世話になってる男さー、ちょっとヤバ系なのよ。

   引き籠ってるし、友達ひとりもいないし。

   最近はあたしと結婚するとか言い始めちゃって。流石におかしいでしょ。

   あたしも もう98になるし、この仕事引退するわ。

   最近の日本についていけない・・・」


リカ・「うわっ!キモっ!そっかー、おつかれ。寂しくなるなー。」


メリー・「本当?あたしの事 目障りだったんじゃないの?」


リカ・「そんなこと ありませんってば!ちゃんとリスペクトしてたんだからね」


リカ・「あ、それから誤解を解いておきたいんだけど、変な噂流してたの

   あれ 貞子さんだから。呪怨の俊雄君に聞いたから確かよ」


メリー・「えぇー!なんで貞子さんが?」


リカ・「なんか自由に動き回れるメリーさんが羨ましかったんだって。

   ほら貞子さん、井戸とテレビ限定だし」


メリー・「そうなんだ。。。やっぱ彼女 性格わるいよねー。リカちゃん疑ってごめんね。」


リカ・「もういいって。それよりメリーさんナニで帰るの?

   来るとき確か船だったよね。」


メリー・「とにかく一番早い方法で帰るわ。

   これからは故郷でのんびり余生を過ごすの」


リカ・(大丈夫かなぁ。メリーさん結構道に迷うよね・・・)



ここは JAXA 勝浦宇宙通信所。


「班長!SLIM から信号が来ました!太陽光パネルが作動しています!」

やったぞーーー。

追跡管制棟の全員が拍手をし、万歳をし、手を取りあい喜んだ。


「音声信号です!SLIMが音声信号を出しています!」

「よし、早く音声解析するんだ」


「…ぁ……たし…めり…ん……ぃま つきに……るの……だれか…むかえに…て…」


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― 新着の感想 ―
[一言] 何だこれ。このメリーさん、全然恐くないぞ。 ディズニーランドとかスタバのところで声を出して笑いました! 楽しい気持ちにさせてくれてありがとうございます!!
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