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偏りすぎた恋愛感をもつ帰国子女箱入り娘の雪山が溶け始めたご様子です。

作者: 花河相

突然降ってきた妄想です。

 それは高校1年生の2月。

 雪解けで春の訪れを感じる中、水たまりが凍りつく公園で一人待っていた。

 早朝、母に叩き起こされ、人を迎えに行けと言われた。誰と聞いても母の知り合いだとか。秘密だとか言われ、教えてくれなかった。


 そんな俺は今豆鉄砲を喰らっていた。


「愛してるわ」


 理由はハーフ系美少女に突然ハグとキッスをされ、耳元で愛を囁かれたからである


「……誰?」


 唇が震える中、唯一絞り出せた言葉だった。だが、その言葉を聞くと女は少し距離を空ける。

 表情は曇っていた。


「忘れたの?……ケーくん」

「……ティナ?」


 ケーくんと呼ばれ誰か認識できた。ケーくんと呼ぶのは唯一の5年前、一週間だけ共に過ごした幼馴染だけ。

 ティナは俺の母親の友達の娘。

 

「ケーくん会いたかった!約束覚えてる?」


 確か5年前別れる際に次あったら結婚するって約束したんだっけ?


「……あ、俺もだよ。結婚の約束だっけ?」

「そう!うれしい!」


 再び力強いハグをされる。

 今にもどうにかなってしまいそうであったが、ギリギリのところで俺の理性が耐えてくれた。


「ちょっと待って!」


 とりあえずティナの両方を掴み無理やり離す。

 戸惑ったティナに俺は一言伝える。


「とりあえず話そうか!」


 冷静で一言言えた俺を褒めて欲しい。

 





「まじかよ」


 ティナと少しばかり話し、俺は眉間に皺が寄っていた。

 好きの気持ちは本当らしく嬉しい反面頭を抱える事実が判明したからだ。

 

 ティナは大きな勘違いをしていた。

 まず俺にした大胆な行動はティナのおい立ちが原因。

 ティナの母からキスは好きな人とするのよ、と教えられたこと、ハグはスキンシップという欧米の知識。

 彼女は偏りすぎた恋愛観と知識から最も気持ちが伝わりやすい手法を選んだとか。

 

 ティナは英才教育を受けた箱入り娘。

 過保護に育てられた結果、世間の常識に疎いとのこと。

 結果あのような行動をした。

 そんな娘を危惧したティナの両親が日本の高校に入学させるため日本に来た。


 俺は懇切丁寧に……今後の彼女を思い説明をしたのだが。



 ティナは恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠して蹲る。

 なんと言葉をかければ良いかわからず、この場は静寂。


「……これから一緒に学んでいこう」

「……うん」


 とりあえず一言伝え頭を優しく撫でるとティナは嬉しそうに返事した。

 普通に付き合いたいが、その前に彼女に常識を教えるのが先だろう。



 雪解けの季節。

 ティナの積もり積もった雪山は溶け始めたばかりである。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。


もし、少しでも面白い、続きが気になると思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。


ーーーーーーーー

他にもなろうラジオ大賞5用の短編作品を投稿してます。

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