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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

アイノカタチ2

作者: ししゃーも

アイノカタチ2とありますが続編ではなく一つの物語なので気軽に読んでください!

(...ほら…起きて、起きなさい!遅刻するわよ!)

その声とともに明るい光が私の目に飛び込んできた。

「うわ...眩しい...」

(眩しいじゃないの!早く起きないと学校に遅刻するわよ。)

そう言ってお母さんは私がかぶっていた布団を剝いできた。

(もう、いい加減にしなさい!朝食は出来てるから早く起きてらっしゃいよ。)

そういってお母さんは部屋から出ていき下に戻っていった。私は自分の睡眠を邪魔する人がいなくなったことを確認してから床にある布団を拾ってまた夢の世界に行こうとすると部屋の時計が目に入った。そこには8時30分を示していた。学校に遅刻せず行くためには最低でも8時には起きなくてはいけない。それから私は信じられないスピードで焦りとともに制服に着替え、髪を直し、鞄を持って急いで階段を駆け下りていった。下では家族みんなが団欒して朝食を食べていた。

(お、どうした彩?朝食は食べていかないのか?)

そうやってちょっと煽りながら言ってくるのは私のお父さんだ。

「うるさいな。もう遅刻ギリギリなんだから黙っててよ。」

(こらこら彩、朝食は食べていかないと体に悪いぞ。)

(そうよ。パンぐらい食べていきなさい。)

そういって私のことを心配してくれるのは私の祖父と祖母だ。

「ごめんね、おじいちゃん、おばあちゃん。本当に遅刻しそうだから食べてる余裕がないんだ。」

私は急いで玄関に行き靴を履いていると、後ろからお母さんが

(全く、そんなに急いでるのならもうちょっと早く起きればいいのに。はいこれ、いつものおにぎりね。行く途中でも学校でもいいから食べなさい。)

と言って私のお気に入りの袋を渡してくれた。

「ありがとう。お母さん、愛してる!」

そういって家を飛び出そうとすると後ろからみんなが声をそろえて

((((行ってらっしゃい!))))

といって私を送ってくれた。私はそれに応えるようにみんなのほうを向いて

「行ってきます!」

そして私はダッシュで学校に向かった


学校につきクラスの扉を開けるとすでに授業が始まっていた。

「おい!遅いぞ、菅野!また遅刻か。何度遅刻すれば気が済むんだ!」

といって大きな声を出して私を叱ってきた。

「ごめんなさい...。でもそんなに怒ってるとまたしわが増えるよ。」

そうやって先生をちゃかすとクラス全体が笑いに包まれた。

「菅野―――!」

私はいたずらっ子のように笑いながら自分の席に着くと

「おはよう。相変わらずだね。」

そういって私の友達の莉子が笑いながら言ってきた。

「違うの今日はお母さんが起こしてくれなかっただけでいつもだったら間に合ってるもん。」

「そういっていつも遅刻してるじゃん。今日もおにぎり持ってきてるんでしょ?私がフォローしてあげるから早く食べちゃいなよ。」

「本当?!ありがとう!やっぱり持つべきものは親友だね!」

私は教科書を立てて、残っている一個のおにぎりを隠れながら食べた。


学校が終わり帰る準備を始めると教室の入り口がざわざわし始めた。今日もか、と思うとクラスメイトの女の子が急いで近付いてきて

「ねえ、彼氏さんが呼んでるよ!」

そういって扉の方を見ると彼氏の玲がいた。私はありがとう、とその女の子にお礼を言って急いで玲に駆け寄った。

「どうしたの?今日は部活じゃなかったっけ?」

「彩の顔を見て元気もらってから行こうと思ったんだ。」

「もう玲君ったら」

「もうそんな甘ったるいやり取り、クラスの出入り口の前でやらないでくれる?」

そんなやり取りをしていると莉子が後ろから私たちのことを茶化してきた。

「ごめんごめん。てかもう準備はできた?」

「できたからここにいるんでしょ。早く行こ。悪いけど彩は今日私との約束があるんだから。」

「どこかに行くのか?」

「なんと彩の家にご招待されてしまいました!」

「はあ?俺だってまだは行ったことないのになんで?!」

「ごめんごめん。玲君はまた今度ね。」

「わかったよ。やべ、部活遅れちゃう。行ってくるけど変なことするなよ!」

「変なことって何よ!」

「玲君、大丈夫だよ。部活頑張ってきてね!」

そういって私がほほにキスすると

「うおーー!燃えてきた!頑張ってくる!」

といって玲君は猛ダッシュしてグラウンドに向かっていった。周囲の野次馬たちは私たちの行動におーー、と声を漏らしていた。


そんなやり取りの後、私たちは学校を出て帰り道を歩いていた。

「そういえば私、彩の家に行くの初めてかも。行きたいっていうと毎回、無理だっていうから。」

「私は大事な人しか家に入れたくないんだ。」

「それって...。」

「うん。莉子はもう私の家族みたいなものだから。」

そういって私は歩き続けた。しかし莉子は歩くのをやめて止まっていた。すると莉子は

「じゃ...もう...慢...よね。」

と小さな声で何かを言っていた。私は聞こえなかったので

「莉子、何か言った?」

と聞き返すと

「ううん、何でもない。いこ!」

と、言って小走りで駆け寄ってきた。私たちはじゃれあいながら家に向かった。


「ただいまー」

私は元気よく挨拶をしながら扉を開けた。

(おかえり)

とお母さんが挨拶を返してくれた。

「今日は家族はいないの?」

「多分、お母さんだけかな。」

「そうなんだ。挨拶とかしたほうがいい?」

「大丈夫だよ。それよりも早く私の部屋にいこ。」

そういって部屋に向かい階段を昇って行った。部屋の前につき

「ここが私の部屋だよ。」

と言って扉を開け、紹介すると莉子が

「彩の...屋...。...ってこと...よね。」

と少し息を荒げて何かを言っていた。うまく聞き取れなかったので聞き返そうとするといきなり莉子が私に抱き着いてきて

「ねえ、もうそういうことだよね!もう我慢しなくていいってことだよね!」

と言いながら私を押し倒してきた。

「彩が悪いんだよ!私はずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、、ずっと、ずっと、我慢してきたのに!彩があんなこと言うから、もう耐えられないよ!彩が悪いんだよ!彼氏なんか作って、私はいつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも彩のことを見てたのに。私のほうが先に好きだったんだよ。でも今日から違う!今日から彩は私のものになるんだ!そうだよね!ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?ねえ?」

と普通ではあり得ない表情で私に迫ってきた。

「うん、そうだね。だけど莉子のものっていうのは少し違うかな。今から私たちは家族になるの。」

「家族でもなんでもいいよ!つまり私たちは一緒になれるんでしょ?だからさ早く私と...。え?」

「何でもではないよ。私たちがなるのは家族だよ。」


次の日

(起きなさーい。もう朝よ。)

私はいつも通りお母さんの声によって起こされた。

「おはよう...。」

私は眠い目をこすりながら朝の挨拶をした。

(もう朝食ができてるから早くきなさい。)

そういってお母さんは下の階に降りて行った。私は寝ぼけながら昨日の出来事を振り返っていた。

[そういえば、やっと莉子ちゃんと”家族”になることができたんだっけ。これから楽しみだな。]

そう思いながら私はリビングへと向かった。

(お、めずらしいな、彩が時間通りに起きてくるなんて。今日はや槍が降るんじゃないか。)

私がリビングに入るなりお父さんが笑いながらいじってきた。

「うるさいな。私だってやればできるんだから。」

そのあと私はおじいちゃんとおばあちゃんにおはよう、とあいさつをして机に向かった。そこにはいつも通り、お気に入りが置いてあった。私はそれを手に取って学校に行く準備を始めた。学校に行く準備ができ、家を出ようとすると

((((行ってらっしゃーい。))))

とみんながいつもの挨拶をしてくれた。私もそれにこたえるように

「行ってきまーす!」

と言って家を出た。家から出るとすぐに近所のおばちゃんに話しかけられた。

「おはよう、彩ちゃん。久しぶりね。元気してた?」

「おはようございます。元気ですよ!それだけが取り柄ですから。」

「今から学校?」

「はい!おばさんはこれからゴミ出しですか?」

「おばさんじゃなくてお姉さんね!そうよ、ここからだとゴミ捨て場が遠くて困っちゃうわ...。何とかしてほしいものね!」

その言葉に私はハハ...と相槌を打つように笑った。するとお姉さんは

「そういえば家族のみんなは元気?最近全く姿を見なくなって、この前も家にお土産を渡しに行ったら誰も出なかったのよ。何回か行ったんだけど全部だめだったの。」

「そうだったんですね。でもみんな元気ですよ!今度お母さんにお姉さんが会いたがってたって伝えてお行きます!」

「本当!お願いね。また一緒にランチしましょって伝えておいて。じゃあ彩ちゃんも学校頑張ってね!」

そういってお姉さんはゴミ捨て場のほうに歩いて行った。


学校につき私が教室に入るとみんなが私のところに集まって

「彩ちゃん!彩ちゃんは大丈夫だったんだよかった!」

と、大声で私に話しかけてきた。

「みんなどうしたの?」

「彩ちゃんはまだ知らないんだ。実は...。」

と私に事情を説明してくれるところで

「おはよう!みんな席につけ!」

と言って先生が教室に入ってきた。

「またあとで教えて。」

と言って急いで席に着いた。

「みんなも知っていると思うが...佐藤が昨日から家に帰っていないらしい。今も行方が分かっていない。」

その言葉に私は驚いた。

「え!先生、何言ってんの?莉子なら私の隣にいるじゃん!」

私はいつも通り隣に座っている莉子を見ながらそういうと

「田中...ショックなのはわかるがそういう冗談はやめてくれ。みんなももし何か情報があれば教えてくれ。」

そういっていつも通りの授業が始まった。今日は莉子お弁当持ってきてくれなかったんだ。おなかすいたな...。

そんな調子でいつもの学校生活が始まったがひとつだけ違うのは先生やみんながまるで莉子をいないように生活していることだ。新手のいじめにしてもたちが悪すぎる。私の大事な”家族”にそんなことをするなんて許せなかった。だから、私はその仕返しのつもりで今日一日みんなのことを無視した。

そんなこんなで学校が終わり帰ろうとすると一生懸命走ってきただろう玲君が息を切らしながら

「彩!今日は一緒に帰らないか?」

と誘ってきてくれた。みんなの態度で疲れ切っている私にとって助け舟であった。私は元気よく

「うん!」

と言って玲君に駆け寄った。教室の廊下を歩いていると友達が

「あ、じゃあね...また明日。」

と挨拶してくれるが私はそれを無視した。


帰り道に私は玲君に愚痴を吐いていた。

「ねえ、みんなひどくない?莉子はちゃんと学校に来て授業受けてるのにみんな無視するんだよ!ずっと、ずっと隣にいたのに...」

「そうだよな、佐藤はいつも彩の隣にいるもんな。」

「そうだよね!やっぱり玲君はわかってくれるよね!」

そういって私は引き続き愚痴を吐き続けていた。そんな私の愚痴を玲君は不満を見せずに聞いてくれた。その姿を見て私は

「玲君、今日うちに来る?」

といった。すると玲君はびっくりした顔で

「いいの?」

と嬉しそうに返事をしてくれた。

「今の玲君の姿を見たらなんかときめいちゃって...。」

「じゃあよろしくお願いします。」

「よろしくってどういうこと?w意味が分からない。」

と私たちは笑いながら家に向かった。


家に着き

「ただいまー!」

と帰りの挨拶をするとみんなが

(((((おかえりー!)))))

と返してくれた。私が玲君のほうを見て

「入っていいよー」

というが玲君は止まったまま

「本当にいいのか?」

と聞いてきた

「全然大丈夫。さあ入って。」

と言って私の部屋に案内した。部屋に入るなり玲君が

「今日、家に家族はいないの?」

と聞いてきたが

「みんないるよ。けど大丈夫だよ!」

そういうと玲君が私のことを押し倒してきた。

「玲君...急がないで。私たちはゆっくり家族になるんだよ。」

私は玲君にそうささやくとバシン、という音ともにほほに痛みが走った。

「え?」

何が起きたか私にはわからなかった。玲君のほうを見ると息を切らして

「彩、やっとだよ、やっとだよ!ずっと、我慢してきたんだ。お前はガードが固くてそういうことができなかったけど、」

と言いながら私のことを殴り続けた。

「佐藤がいなくなって傷心した今だったらいけると思って帰りを誘ったのが正解だったな!今日は大切な記念日になるぞ!彩!」

と叫んでいたが殴られ続けた私はもうそれどころではなかった。痛かった、苦しかった。必死の言葉で

「もうやめて...」

というが

「何がやめてだよ!かわい子ぶってるんじゃあねえ!」

と言ってさらに殴ってきた。玲君は服を脱ぎながら

「今からお前は俺のものになるんだよ!」

「俺のもの?それって“家族”ってこと?」

私は必死に玲君に聞いた。

「家族?まあ確かによく言えばそうだな!だけど実際は俺の...。」

と言いかけたところで

「なんだ、“家族”になりたければ早くそういえばよかったのに。」

と言って私は近くにあるはさみを取って玲君の横腹に突き刺した。

「え?」

玲君は一瞬何をされたのか分かっていなかったがすぐに刺されたことに気が付いたようで

「痛い、痛い、痛い、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ、いたい、いたい、いたい、いたい!」

と叫び始めた。玲君は私の上からどいて部屋の外から出て行った。

「ねえ、なんで逃げるの?そんなことしたら“家族”になれないじゃん。」

私はそう言いながらゆっくり玲君を追いかけて行った。一回に行くとリビングにつながる扉が開いていた。リビングに入ると玲君がおびえてしりもちをついていた。

「こ、これは?」

と言いながらそこにある私の“家族”を指さした。

「それはね、私の“家族”だよ。」

「家族?意味がわからねえよ!そしたら佐藤を殺したのも?」

「殺した?違うよ!私はただ彼女を“家族”にしただけだよ。だって莉子も私と“家族”になりたいって言ってくれたし。でもみんな“家族”になりたいって言ってくれるの“家族”にしようとすると玲君みたいに嫌がるんだよね!」

「狂ってる...。」

「狂ってなんかないよ!ただ“家族”になるだけだよ。玲君も今から“家族”になるんだよ!」

そういって私が近づくと玲君は

「やめてくれ、死にたくない。」

とごちゃごちゃ言いながら私から後ずさっていた。

「もううるさいな!」

と言って私は手に持っているもので玲君を“家族”にした。

「なんでだろ?いつも誰かを家族にすると静かになるんだろ?まあいっか、これで玲君もずっと一緒にいられるね!」

私は“家族”になった玲君を抱きしめて言った。すると

「ピンポーン」

とチャイムの音がした。インターンフォンを見ると警察の人がいた。

「はーい。」

「すみません。佐藤莉子さんについて少しお話を聞きたいのですが。」

「わかりました!」

と言って私は玄関のほうに走っていった。

[次は誰が私の“家族”になってくれるかな?“君”がなってくれる?]



読んでいただきありがとうございました。

アイノカタチもあるのでぜひ読んでください。

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