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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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モンゴメリー

 「リーダーシップとは、人を共通の目的に団結させる能力と意思であり、人に信頼の念を起こさせる人格の力である。」

 モンゴメリー英国陸軍大将(英国第8軍司令官)

 サハラ砂漠で、名将ロンメル元帥率いるドイツの戦車機甲師団を破った、モンゴメリー英国陸軍大将は、戦場での指揮官について、こう語っている。そもそもリーダーシップと言う言葉は軍事用語である。戦前の日本国民は、軍事に一切関知すべからず。と言う事になっていたが、戦後はやたらに民間人も「リーダーシップ」を唱える様になった。民間人が使う場合のリーダーシップ論は、専らビジネスの事を指している訳であるが、米国では軍事学の用語や考え方を、ビジネスの分野に当てはめる風潮があった。

 それが日本でも輸入され、日本人はありがたく拝聴したと言う訳である。戦後になるまで一般市民には無縁であったリーダーシップ論であるが、日本の軍隊は何も研究して来なかったのかと言うと、そんな事はない。

 日本陸軍では明治時代以来、参謀本部が軍事学の研究を行っていた。日本海軍も軍令部が研究していた。陸軍参謀本部に「戦史課」なる部署もおかれ、築城技術、兵器・装備の詳細、また軍政についても、当時の資料課が研究している。

 時代を経る毎に、研究対象は清国、帝政ロシア、米国にまで及んだ。その中から「指導者は如何にあるべきか?」と言う事を引き出そうとしていた。その集大成の一部がやさしく書き直されて、「旧参謀本部編集」の「日本の戦史シリーズ」(徳間文庫)として今でも刊行されている。

 良き司令官・指揮官とはどうあるべきか?それを研究する為には、先人の作ったレールに乗るのも良いだろう。多分それが一番早い。そもそもリーダーシップと言うものは、戦いを経験しなければならない。机上でいくら知識をつめこんでも、そんなリーダーはポンコツにしかならない。と言うより、ロンメル独元帥やモンゴメリー英国陸軍大将を見習えとしか言えないだろう。

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