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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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伊藤整一

 「そんな馬鹿な事が出来るか!」

 伊藤整一海軍中将(戦艦大和艦長)

 しかし、神重徳大佐が"戦術の神様"でいられたのは、太平洋戦争の中盤位まで。信仰するナチスドイツの"電撃作戦"もこれまで。情報は米軍に筒抜けのまま、打ち続く敗北に戦線はジリジリと後退して行く。

 もう奇襲などは、夢のまた夢となる。そんな中で昭和20年4月1日、米軍の沖縄上陸作戦が始まる。連合艦隊司令長官から、世界に冠たる巨大戦艦「大和」に沖縄特攻の命令が下ったのは、同年4月5日の事であった。この作戦発動の為に、「大和」が所属する第2艦隊司令部に対して必死の説得を行ったのが、当時連合艦隊司令部首席参謀だった神重徳大佐である。

 「殴り込み作戦」の夢未だ覚めず、軍令部も連合艦隊司令長官も差し置いての、正に個人プレイと言うべき大胆な行動であった。「大和」以下の戦艦は、出撃を諦め係留して、本土決戦の砲台にすると言うのが、軍令部の考えであった為、神重徳大佐は、作戦の総元締めである軍令部富岡定俊作戦部長をすっ飛ばし、その頭越しに軍令部次長小沢治三郎中将に談判して、了解を求めた。

 軍令部総長及川古志郎大将が黙って聞いている所で、小沢治三郎中将が作戦を決断。その後、連合艦隊司令長官豊田副武大将も、これを了承したと言う。そんな成り行きになった。第2艦隊司令長官の伊藤整一中将は、「"大和"で沖縄へ特攻に行け。」と言う事を連合艦隊司令部から言われて、このセリフを放っている。このセリフが偽らざる本音だとしたら、大和を特攻に使うのは伊藤整一大和艦長としては、反対であったと言う事になる。

 結局は連合艦隊参謀長草鹿龍之介中将に説得されて、半ば無理矢理行かされる事になる。勿論、伊藤整一大和艦長を説得した、草鹿龍之介中将でさえ、当初は電話で意見を聞かれた時は、「長官が、決裁してしまったから、今更参謀長の意見はどうですか?も何も無いものだ。」と、激怒したと言われている。

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