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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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梅津美治朗

 「敗軍の将にそこまでやらさないでくれ。頼むから勘弁してくれ。」 梅津美治朗陸軍参謀総長

 ダグラス・マッカーサーが来日した翌日から、早速マッカーサー司令部と日本政府との間で、交渉が始まった。そして「降伏文書」の調印式を1945年9月2日に東京湾上の米国海軍戦艦ミズーリ号で、行う事が決まった。

 慌ただしい日程ではあったが、東久遷之宮内閣は迅速にそれに対処していた。しかし、一つだけこの時悶着が起きていた。日本政府は誰がミズーリ号の調印式に参加するのか?と言う事で、軍部が揉めたのである。調印式には、大本営の陸軍部と海軍部から、そして日本政府から最低一人ずつ出席する事が義務付けられていた。内閣では外相の重光葵が出席する事が早々に決まっていたのだが、軍部は誰も行きたがらなかった。

 陸軍の代表は参謀総長の梅津美治朗が一番の適任者であったが、この様なセリフを言い続け何としても譲らなかった。結局、すったもんだの末に昭和天皇陛下が直々に梅津を説得して、何とか陸軍部の代表に決まった。海軍部は、軍令部出仕の横山一朗が赴く事になった。

 しかしながら、この様な悶着を見ていて思うのは、戦争をきちんと始めた以上、きちんと終わらせるのも戦争指導者の仕事であるにも関わらず、それをつまらぬプライドで放棄するとは如何なるものかと思う。戦争の終わらせ方は国の行く末に関わる一大事である。と、戦争を始めた時に思っていれば、この様な事にはならない。

 少なくとも、梅津参謀総長のセリフからは、己の体裁を第一に考えているようにしか見受けられない。最後は昭和天皇陛下に説得される低他落。仕方無く、しぶしぶ感は否めない。戦争を早期に終わらせたいのなら、自ら立候補する位の気概が欲しい。少なくとも300万人の人間を死に追いやっている訳であり、その責任を感じているならばトップの人間が、やるべき仕事である。勝った、負けたの軍配はもう既に決着しているのだから。

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