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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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昭和天皇(大元帥)③

 「私が国民に呼び掛ける事が良ければ、いつでもマイクの前に立つ。…必要があれば、私は何処へでも出かけて親しく説き諭しても良い。内閣では至急に終戦に関する詔書を用意して欲しい。」

 昭和天皇陛下(大元帥)

 昭和天皇陛下の終戦に対する熱意を感じる名セリフである。昭和天皇陛下は、こうした意志を明確にする事を意図的に避けていた様である。その理由は定かではないが、恐らく様子を見守っておくと言う選択肢が、ベストだったと思っていた事は確かである。

 米国に勝てるか勝てないかと言う様な、戦略的な判断や分析においては、陸海軍の人間には敵わない。そこで中途半端な決断をするよりは、様子を見て大元帥らしく、ドンと構えておく事の方が良いだろうと。その昭和天皇陛下の重い腰を上げたのは、一重に日本の敗戦が近くなったのを悟ったからかもしれない。

 しかし、主たる理由はここで、総司令官である自分が先陣を切って、この戦争を終結させる事で、将来の日本に過誤を残す事を、どうしても避けたいと言う想いの方が、強かったであろうと推測出来る。勿論、昭和天皇陛下の本意とは別の内省的な理由が終戦要因となったのも、事実である。

 しかしながら、現代の日本が素晴らしい経済発展を遂げられたのは、昭和天皇陛下の御英断によるものが大きい。国家元首がここまで政治に介入した例は歴史的に見てもレアケースだろう。日本の戦後復興の大根元には、昭和天皇陛下が居られたと言う事を、日本人は認識せねばならない。昭和天皇陛下の果たした歴史的な役割も、理解する必要がある。そうした識見を持っていないのは、日本人として恥である。

 昭和天皇陛下は、御飾りではなかった。そうでなければ、この様なセリフを己の口から述べられはしない。終戦の為に、自分が出来る事ならば、何でもしてやる。と言う様な傲慢さは無い。終戦の為に、継戦派の強硬姿勢に対して、昭和天皇陛下は、命をかけてでもやる。それが昭和天皇陛下のプライドであり、戦争を許可した者としてのケジメのつけ方であった。

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