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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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子供向け戦意高揚歌

 「いざ来い、ニミッツ・マッカーサー。出てくりゃ地獄へ逆落とし。」 子供向け戦意高揚歌

 時はいよいよ昭和20年に入る。1945年3月17日には、大本営に向けて硫黄島守備隊司令部が、決別の打電をし、その7日後に約400人の日本兵が万歳アタックを決行。硫黄島は玉砕した。これにより、サイパン、硫黄島と絶体国防圏を米軍に抑えられた。制空権も米軍に抑えられ、本土空襲はその頻度を更に増した。

 4月には、米軍は沖縄に侵攻し、本土決戦はいよいよ現実味を帯びてくる。しかし、無情にも大本営からしてみれば、沖縄戦も硫黄島と同じく、米軍の本土侵攻を少しでも遅らせる為の、防波堤に過ぎなかった。

 多くの特攻作戦も、いよいよ本格化していた。4月からは、連日の様に九州の基地から、特攻隊が飛び立っている。出陣学徒は、離陸し体当たりする訓練だけを受けて、日本近海に展開する米国海軍の艦艇に、体当たりしていた。

 大本営は兵士の命など、何とも思っていなかった。海軍の回天や、桜花なるものや、連合艦隊に残っていたほとんどの兵器を利用した。軍艦も同じ所謂、大和特攻である。その結果は歴史が証明している。戦備も無く、食糧も無くては戦いようがない。庶民は日々の命の確保すら難しくなっていた。B-29の爆撃にも耐え、国民の間では嫌戦の気分がみなぎった。デマがあっという間に広がり、日本は特殊な兵器を持っているから、それを使えば勝てるだとか、あるいは神風が吹くとか、まるで根拠の無い話のみが国民に、聖戦完遂の気分を煽り立てていた。

 このセリフ(歌)も、その頃に作られたものであり、品の無い歌詞まで披露される時代に入ったのである。敗けは決定的なのに、戦争をだらだら続けてしまった。よく言われるのは、戦争は始めるよりも、終わらせる方が難しいと言う。確かにその通りである。帝国陸海軍は、山本五十六元帥が亡くなった事により、不必要な犠牲が多数出てしまった事は事実であり、特攻や原爆での死者は、その典型であると言える。

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