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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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戦時下スローガン①

 「贅沢は敵だ。」 戦時下スローガン

 貧しさに耐え、ただひたすら日本の勝利の為に団結する。それ自体は必ずしも悪い事ではない。平時においても、富の無い者にとっては"贅沢は敵"である。このスローガン下に日本人は貧しき事は、悪では無いと己の苦沢を正当化する。

 しかし、それはスローガンとして掲げる様な物ではない。贅沢の範囲には、個人差がある。カレーライスを食べるのが、贅沢である。と言う人も居れば、白米を食べるのが、贅沢である人も居る。㎏数万円の高級牛肉ですき焼きをするのが贅沢であると言う人も居るだろう。

 それらの行為を他者に強制してやらせないと言うのは、傲慢以外の何物でもないのである。一個人が贅沢を我慢した程度で勝てる戦など無い。ましてや国家総力戦の時代。贅沢くらいさせても良いではないか。そんな事は一個人の決める事であり、スローガンにして流布するような事では無い。とは言え、私はこのスローガンの中身を否定したい訳では無い。

 確かに、慎ましやかに節約して生きる事は大切である。戦時中の有事の際に"贅沢は敵"と言う理屈も決して理不尽とは言えなくもない。それでもこのスローガンこそ戦時中の日本が、国家国民共に麻痺していた事を物語っていると思わずにはいられない。このスローガンこそ民主主義では無い全体主義の象徴であり、いくら正当化しても、通らない理屈、理論であった。

 "贅沢は敵"と誰が言い出したのかも分からないプロパガンダを上手く巧みに大本営は利用した。明日明日の生活の先も見えない中にあって、このスローガンは、日本人に耐え難い苦痛を強いた。その為のスローガンであった。これは、一種の洗脳に近く、世が世なら大変な事になるものである。

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