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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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東条英機⑥

 「違う。そうじゃない。精神力で撃ち落とすんだ。」 東条英機陸軍大将

 昭和18年10月に、陸軍飛行学校に、学生達へのねぎらいを込めて、視察に行った時の事。東条英機はある学生に、「B-29が飛んできたとする。そしたら君は敵機を何で撃ち落とすか?」と問いかけた。するとその問い掛けられた学生は、教科書通りに「15㎝高射砲で敵機を撃ち落とします。」と答えたと言う。それに応じたのがこのセリフである。

 精神論が大好きな東条英機らしい答えである。実際には精神論で敵機は撃ち落とす事など出来ない。だが、そんな事は分かりきっている。では、何故反論しないのか?敵機を絶対に撃ち落とすと言う気概があれば、50機100機敵機を撃ち落とす事など雑作もない事であると言う安易な、精神論が蔓延っていたからである。

 仮にも日本国の首相である東条英機が、この低他落なのであるから、世も末とはこの事である。しかも東条英機は現役の陸軍大将でもある。彼の発言は、影響が多い為その発言には責任を持つ必要がある。結局の所、昭和の帝国陸海軍にとって大切だったのは、つまらぬプライドでしかなかった。

 ロシアに勝ち、清に勝ち、自分達は無敵なのだと勘違いして、米英に挑んでしまった事になったのも、全てが陸海軍それぞれのつまらぬプライドと大きな勘違いからスタートしている。そのシンボルこそ東条英機と言う男であった。

 これだけ精神論と無茶苦茶な倫理で政権のトップにいた人物は過去を照らしても見当たらない。無論、東条英機は悪い事だけしていた訳ではない。政治家として、軍人として、日本の為に身を捧げていたのは確かで、理解出来る。ただ、軍人が政治に関与しないという掟を破ってしまった所から、ボタンの掛け違いは始まっていたのであるが、東条英機自身は、精神論で何とか何とかなると思っていたが為に始末に負えなかったのである。

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