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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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東条英機④

 「戦争が終わると言う事は、戦いが終わった時の事。それは我々が勝つと言う事だ。そして我々の国が戦争に勝つと言う事は結局"負けない"と言う事である。」 東条英機陸軍大将

 第78回帝国議会で、「戦時時限立法」として作られた「言論出版集会結社等臨時取締法」に関してこの様なやりとりがあった。勝田永吉議員から東条英機は、戦時の意味を問われ、こう質問を受けた。「"戦時中"の意味を伺いたい。首相の言う戦時中とは、宣戦の御詔勅を受けてから、講話の談判が出来て、条約が御批准になった時に終わるのか?」それに対して東条英機は、「"平和回復"それが戦時の終わりです。」と、答えるだけだった。

 しかし、それでは納得しない勝田永吉は、更に「戦時」の具体的な意味を突き付けるが、その後の答弁もまた曖昧だった。つまりはそうした質問に答えられず、しばし立往生してしまった。見かねた委員長が、「首相、この件については、法制局長官に答えさせた方が良いのではないか?」と、助け船を出される始末だった。

 だが、これはまだボタンのかけ間違いの始まりに過ぎなかった。昭和18年頃には戦局も悪化し始め、東条英機の演説や側近への話には筋道の通らない論理が含まれる様になった。このセリフはその最たるものである。少なくとも日本の首相であった東条英機は、良し悪しではなく、言うなれば日本の未来を背負う側の人間のトップであった訳で、その立場にいる人間が如何様な筋道の通らない話をしてはならないであろう。

 問題は、暴走し始めたバスを制御するブレーキが何も無かったと言う事だ。マスコミも国民も陸軍も海軍も、東条英機内閣の推し進める戦時戦略の結果が、敗戦と言う結果であった。

 我々はここから何を学ばなければ、ならないのか?トップの無責任さと暴走に対して対抗できるのは、国民の総意ではないのだろうか?

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