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ロンドン「戦争博物館」館長

 「展示をしっかりとご覧下さい。全て現実にあった出来事です。そして後は、自分で考える事です。」

 ロンドン「戦争博物館」館長

 第一次世界大戦以降の戦争の歴史が、淡々と展示されている。ナチスドイツの制服や、武器と言ったものまでも、ドキュメントとしてある。

 しかしそれは、決して非難めいて陳列されている訳ではない。それが英国ロンドンにある「戦争博物館」と言う所である。英国の「大英博物館」は、あまりにも有名で、そこには何の遠慮もなくこの博物館にあるものは、そのほとんどが植民地から略奪してきた物だ、と惜し気もなく語っている。

 英国と言う国民の気質は、ありのままを表現する事に、何の苦悩もいとわない。世界の情勢の中で、常に中心で居続ける国家にあって、彼等が決して過去を振り返らない大バカヤローではない事は、この「戦争博物館」の存在で理解出来る。展示物の中には、目を覆いたくなるような展示物もある。

 それは「戦争博物館」である以上はあるはずで、決して美しい物ではないかもしれない。しかし、それらは、全て人類が歩んできた道のりそのものを表現していて、それらを受け入れる事から、戦争への理解が始まるのである。

 余計な言葉は一切入っていない。この名ゼリフは、戦争に対する価値観の形成に大きな一石を投ずる物になるだろう。何故英国はこのような負の遺産を公開するに至ったのか?

 それは、少なからず犠牲を出した戦争当事国としての、責任を感じているからだろう。日本が米国と英国に宣戦を布告した事で始まった第二次世界大戦ではあるが、実質は日本VS米国の戦いだった。それは、英国の最大の脅威が、ナチスドイツであったからだ。英国の国力を考えれば、日本と米国の間に入り、戦争を仲裁する事も出来たかも知れない。

 勿論それは、後世の人間が語る一方的な結果論に過ぎない。それでも多大なる犠牲を出す前に戦争を終わらせなかった、出来なかった為に、莫大な数の人間と資源を浪費させてしまった事は大きな国として反省するべきであろう。それは、戦争の当事者ではない国も他人事ではない。大きな犠牲があったというだけで、戦争を終わらせなかった英国の価値ある取り組みであると思う。

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