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名ゼリフから読み解く 大東亜・太平洋戦争  作者: 佐久間五十六


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マスコミ(世論)②

 「嗚呼、この一瞬。正に敵性国家郡の心臓部にドカンと叩き付ける切り札である」

 マスコミ(世論)

 昭和16年12月8日朝7:00に、ラジオから流れてくる臨時ニュースで日本国民は、初めて戦争状態に入った事を知った。その時の新聞記事はこのセリフの様に煽りに煽り立てた。

 日本国民は歓喜に沸いたのだ。米国に押さえつけられていて、背伸びの出来ないうっ屈感があったからだ。イライラした生活から一気に「胸のつかえが降りた」と言う解放感に満たされた。終いには、「万歳、万歳」と、声が上がる始末だった。

 大東亜・太平洋戦争を語る際に忘れてはいけないのは、日本国民の意思である。例え帝国陸海軍や大本営が直接の敗因だったとしても、彼等は国民世論に押し上げられた上での代弁者に過ぎなかった。だから、このセリフの様な世論を煽り立てたマスコミや日本国民にも敗戦責任の一端はあるのである。そして戦争に破れると、手の平を返したかの様な態度を取ったことはA級戦犯よりも罪は重いと思う。大日本帝国陸海軍は米国やその他連合国に、敗れたかもしれないが、民族の誇りまで失っては元も子もない。

 その国民世論を代弁するマスコミの低他落は、現在も散見される。表現の自由を盾にしてあること無いことまくし立てて、読者を引き寄せる。マスコミが"マスゴミ"と呼ばれる由縁ではないだろうか?

 無論、それに踊らされる国民にも責任はある。とにかく、帝国陸海軍以上に銃後の人間達にも戦争責任があった事は確かである。そうなる前に国家の運営を任される者は、きちんと間違った進路に進まぬ様に、オールを漕ぎ、舵を正確に取らなければならない。日本が国家総力戦を戦う事で、約300万人を越える犠牲を出し、悲惨な必要の無い犠牲を出した事は、猛省すべきである。間違っても、今後その様な犠牲を出すような世論の形成は、すべきではないと考える。

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