↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成り行きで異世界転生 〜チート能力、期限付き〜  作者: 乙坂創一
第一章『ありふれた異世界』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/119

第八話「裏切るモノと疑う者」

エメルと一通り話を終え、待たせていたトパーズを呼んだ。


エメルにはトパーズの前では今後しばらくは"バンデント=フレイデルクス"と名乗ると説明した。エメルはまだ早いと言いながら何故か顔を真っ赤にしてどっちが"ミドルネーム"?とやらか聞いてきたが、咄嗟に作った偽名だと伝えるとエメルは一瞬で真顔になった。


ミドルが何なのか聞いてみたが何故か答えてはくれなかった。


ちなみにエメル自身の名前について。これからもエメルと呼んで欲しいらしい。エメラルドとしてじゃなく、エメルとして生きたいとのことだ。


「じゃあ改めて話を聞くよ 俺がお前の仲間になるってのは何だ?」


「単にお前が王を… オレの父さんを殺せる見込みがあるからだ」


「何でだ? お前が王を倒したい理由は無いだろ エメルが言うならまだしも」


「お前… エメラルドから聞いたのか? まさか暴力を振るわれてたのがエメラルドだけだとでも思ってるのかよ?」


「違うのか? エメルはお前について何も言ってなかったからな」


「あのクソ親父 エメラルドが居ない時やオレたち兄弟が下手打った時 それから何かが気に食わなかった時は標的がオレたちに変わるんだ」


トパーズは続けて話を続ける。


「殴る蹴るは当たり前 この前俺が少し下手打った時は"罰"を受けさせられたよ それが終わった後そのまま何時間か放置される 痛みで意識が遠のく中 少しでも気を失いかけると水をぶっかけられる あれは拷問だ 実の家族にする事じゃねぇ!」


なかなかエグい事をしてるな。ダイヤモンド王とやらは。


「で それを恨みに思ってダイヤモンドに復讐をしようとしている訳か…」


「それだけが理由じゃねぇが… まぁひとまずそれだけだ」


「俺は一人で殴り込みに行こうと思ってたんだけどな」


今の壊斗は自分の力なら本気を出せば余裕で倒せる筈だ。と過信していた。


「幾らバンでも一人で乗り込むのは辞めておいた方がいいぜ? アイツはそう簡単に勝てる相手じゃない まずは仲間を集めるんだ 多ければ多い程良い それでも倒せるか分かんねぇけどな」


「オレは最初から自分より強い奴にあったらそいつについて行くって決めてた 毎日毎日腸が煮えくり返る思いをしてたんだ …もう耐えられねぇよ だから少しでもアイツに勝てそうな見込みのある奴が居たらそっちに寝返るつもりだった …それが今日になっただけだ」


「それ俺にメリットある?」


「…ある 今思いついただけで二つもな! まず一つ! オレという完璧な盾がお前を守る 次 二つ! …えっと お前だって父さんに処刑されんのは嫌だろ!? そういう事だ!」


「…お前さっき盾ぶっ壊れてたじゃん」


「オレがちっちゃかった頃 一回だけ壊れた事があった だが時間が経てば勝手に直った 昔の記憶だからあんま宛になんねぇかもだけど… まぁ大丈夫だろ」


不安だ。


だけれど確かに守ってくれる奴が居てくれた方が良いのは確かだ。


「…じゃあお前 どうすんの? これから」


「オレは一度ダイヤモンド城に戻る 一人厄介な能力を持ってる奴が居るんだ そいつが父さんサイドに居たら俺らに勝ち目はない そいつをオレら側に寝返らせる」


「…話は分かった だけどそれを簡単に信用するのは無理だ お前は俺を殺す気だったろ? それに俺はなんもしてない そっちから攻撃を仕掛けてきたんだ 一度戻って仲間を連れてくるのかも知らない 正直捕虜として捕らえて置くことも考えている」


トパーズは台所に置いてあった朝飯の魚を切るために使ったデカめの包丁を右手に持ち 思い切り振りかざし自らの左腕を切断した。


「…っこれが証拠だ… エメラルドに治して貰うのは俺が無事ここに帰って来たらで良い…」


トパーズはあまりの痛さに絶叫しそうになった声を押し殺し、強がって見せた。


赤黒い血が止めどなく吹き出す。


「何やってんだよ! エメル! 布を持ってきてくれ!」


壊斗は予想だにしていなかった行動に気が動転する。


エメルが布を持ってきている間、壊斗は切断面を水でよく洗い流した。生魚を切った包丁だ。雑菌まみれに決まっている。それが体内に入ってしまうことを恐れ、念入りに水で流す。


エメルが持ってきた布を切断された部分にきつく縛り付け、応急処置を完了した。


「…もういい エメル どこまで出来るか分からないが 出来る範囲で治してやってくれ」


「いいや治すな もし俺がこの状況を想定してやった事だとしたらどうする?」


「そんな事思ってる奴が言うセリフじゃないぞ ひとまずは信じた だから エメルに治して貰えって」


「エメラルド 俺の腕は腐らないように袋に密閉して氷水に浸しておいてくれ それと… 帰ったら話したいことがある いや 言わなくちゃいけない事がある」


「…わかった」


エメルは嫌そうに返事をした。


「今から偽連絡をする 少しでも疑ってるなら立ち会ってくれて構わん 相手の声は聞こえないけどな」


「一応聞いとく」


トパーズは何かを探るように静かに目を閉じた。


「こちらトパーズ 見つかったぜ エメラルドの奴 家に隠れてやがった」


(こちらラピスラズリ 家? 誰の家かしら? それよりエメラルドちゃんは保護できたの? どんな状態?)


「ピンピンしてたぜ 例の赤黒い髪をした男の家に居た 心配すんな そいつは無事に始末した」


(そう… それで ちゃんと首は取ったのかしら?)


「実は首を取ることは出来なかった 護衛隊の攻撃が全く効かなかったって話 あれマジだったぜ 盾で包み込んで確実に窒息死はさせたがな」


(証拠を持って帰らないとダイヤモンド様は認めてくれなそうね 暫くの間はまたエメラルドちゃんが八つ当たりされちゃう どうにか証拠を持って帰れないの?全身包んで持ち帰るとかさ)


「俺の盾でも流石に無理だ エメラルドには悪ぃが父さんのサンドバックになってもらわなきゃな」


(…分かったわ…じゃあエメラルドちゃんだけ連れ戻して)


「あー それなんだがよぉ… 無理そうだ」


(何で!? 手ぶらで帰ってくるつもり!? 王様に何されても文句言えないわよ!)


「仕方ねぇよ エメラルドの奴 …体調が悪いみたいでよ 今はベッドで寝てる 俺もここで一泊してから連れ帰るから 《追跡(トラッキング)》はオフにしとけ」


(…分かった 何かあったらまた呼んでね)


「りょーかい」


「今すぐに城に向かう」


「一泊するとか言ってなかったか?」


「それは追跡を解除してもらう為の嘘だ この隙にダイヤモンド城に戻る 大丈夫だ 策を考えてあるから」


「分かった もう外は暗いから気をつけろよ」


「数日かかるかもしれないが必ず戻る」


「待ってるよ」


トパーズを外まで見送った。

タイトルは二つの意味を込めています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。