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成り行きで異世界転生 〜チート能力、期限付き〜  作者: 乙坂創一
第二章『フロウザー家捜索』

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第六十七話「ゲーセン」

「おはよう……」

午前7時、皆は眠い目を擦りながら少しずつ起き始め、テントの外に出て行った。

朝食は、買い溜めておいた菓子パンを貪り食った。


「……そろそろ出ようか」

結輝の問いかけに、賛成の声が上がった。



午前8時、昇りたての太陽をバックに壊斗たちは優雅にドライブを続けていた。小一時間程走り続けていると、あっという間に砂漠を抜けた。ここまで来ると、他の建物がチラホラと見えてくる。

「ね、見て。あの建物大っきいね」

エメルは中でも一際大きい建物を指差した。

「『Amusement Arcade』……って、ゲーセンじゃん! この世界にもあるのかぁ」

壊斗は、この世界にゲームという概念がある事に驚いた。

『げーせん?』

「ゲームセンター。簡単に言えば、遊び場みたいな」

壊斗は久々のゲーセンに心を躍らせていた。

「……寄ってみるか?」

結輝は、壊斗にそう声を掛けた。

「遊び場……息抜きに良さそう!」

「良いじゃん、行ってみようよ!」

「そうですね、気分もリフレッシュ出来そうですし!」

悟と円香、昌幸もワクワクしていた。

「ま、お前らがそう言うなら寄ってみてもいいぜ」

トパーズは偉そうに声を上げた。



壊斗たちは、いざ敷地に入ってみると、建物の大きさに目を奪われた。ただのゲームセンターとは思えない三階建ての建物に、それぞれの階に繋がる立体駐車場が併設されていた。

「空いてねぇな」

ゲーセンは平日にも関わらず賑わっており、一階は全て埋まっていた。壊斗たちは、仕方なく二階の駐車場に車を停めた。



車から降りた壊斗たちはまず、一階から見て回る事にした。一階には、とても広いUFOキャッチャーがずらりと並んでいた。

「やべ、全然分からん」

景品には、見た事もないキャラクター達のぬいぐるみばかり置かれていて、壊斗は困惑した。それは皆も同じだった。

「あ、見てよこれ! 可愛い……!」

円香は何やらはしゃぎだ様子で可愛らしいユニコーンのぬいぐるみを指差した。

壊斗たちは、試しに一人一回その台に挑戦してみたが、全員惨敗した。

「んだよこれ。全然取れねぇじゃん」

壊斗たちは、あまりの取れなさぶりに、もはや笑いが込み上げてきた。だが、円香だけは少し悲しそうにユニコーンを見つめていた。

「……見てろ。取ってやっから」

意気揚々と腕まくりしたトパーズは、小さな声で「《縄盾(ロープシールド)》」と唱え、取り出し口から盾で作り出した縄を入れ、景品を取った。

「ほらよ」

トパーズは、取れたぬいぐるみを円香に渡した。

「良いの……? ありがとう……!」

円香は珍しく、笑顔でトパーズに礼を言った。

「えぇ……そういうの良くなくない……?」

「まぁ良いっしょ。こんな取れないザコクレーンが悪い」

心配そうに呟く悟に、壊斗は開き直ってそう吐き捨てた。

「ねぇエメル! お揃いの取ってもらおうよ!」

円香はエメルの手を引いてそう笑った。

「……ほらよ」

「ありがとう……トパーズ」

エメルは、円香のものとは色違いのぬいぐるみものを取ってもらった。円香とエメルは、互いに顔を見合わせて笑い合った。



一階は一通り見て周り、そろそろ二階に行こうかという話になった。階を移動する手段は階段のみなので、階段を登って二階に上がった。

壊斗はバスケゲームの前で一瞬立ち止まった。

「うわ、凄ぇやりたい……」

壊斗は自分の手に目をやって言葉を零したが、ため息をついて通り過ぎた。


次に、壊斗たちはキックマシンを見つけた。

「そういえば、結輝って蹴りめっちゃ凄かったよね? ちょっとやってみろよぉ!」

「そういえばって……まぁ良いけど」

小言を呟きながら、結輝はマシンを思い切り蹴りつけた。記録は、マシンに表記されている最高点の424kgを大いに上回る712kgを叩き出した。続けてトパーズも蹴ってみるが、結輝のスコアを下回る704kgだった。

「言い出しっぺのカイトはやんねぇの?」

「……辞めとく。やってみたいけど、ど〜せ壊しちまうし」

「はぁ? 金払ってんだし、悪ぃ事してる訳じゃねぇし、わざとじゃねぇならぶっ壊しちまっても文句言われねぇだろ」

「いや、下手したら辺り一体吹き飛ばしちゃうかもだし。俺は見てるだけで楽しいから」

そうは言って笑ってはいたが、壊斗は笑顔を上手く作れていなかった。



壊斗たちは、三階に上がり、ボーリングやビリアード、ダーツを目一杯楽しんだ。皆初めての体験で、すっかり遊び疲れていた。

「遊んだね〜!」

「楽しかった〜!」

「腕痛ってぇ……!」

「良い気分転換になったな」

「ね!」

「アタシ疲れた〜」

「だな……そろそろ戻ろうか」

結輝は指をポキポキと鳴らしてそう言った。

「あ、俺トイレ行きたい。皆先戻ってて」

「あ、私も行きたい……!」

壊斗の声に、エメルも同調した。

「じゃ、お言葉に甘えて先戻ってるな〜」

壊斗とエメルは皆に手を振ってトイレに向かった。



トイレは二、三階には無く、壊斗たちはわざわざまた一階まで下りた。

「じゃあ、早く終わった方がトイレ前で待ってよう」

「うん、じゃあ後でね」

エメルはひらひらと手を振って女子トイレに入った。



───やっぱり、二人だけを置いて行くのは心配だ

結輝は、心の中のモヤモヤが一向に取れなかった。また壊斗が狙われるんじゃないか。という良くない事をつい考えてしまった。

「……悪い。俺もトイレ行ってくる」

「うん」

結輝は、悟に車の鍵だけ渡して再び階段を下って行った。

「トイレ……すぐそこにあるのに」

円香は、キョトンとした顔でそう呟いた。



結輝が階段を降りていくと、下からコツコツという足音が聞こえてきた。

不意に下を覗いて見ると、黄色のエクステが黒い地毛に編み込まれたコーンロウスタイルの男が、階段を登ってきていた。

男は、無言でポッケに手を突っ込みながら、一段ずつ結輝の方へ近づいてくる。

結輝は念の為に少し離れた所で男が過ぎ去るのを待った。

「工崎壊斗」

「……は?」

「工崎壊斗を知ってるか?」

通りすがった際、男はそんな事を尋ねてきた。

「知ってたら何───」

男は突然パンチを放った。反射神経が良い結輝はそれを()け、すぐさま反撃の蹴りを食らわしたが、いとも簡単に片手で掴まれた。

幸い、壁と壁の距離が狭かった為、結輝は壁に手を付いて掴まれた足を振り払った。

「何のつもりだ」

「……簡単に吐かないだろうから、一発殴って分からせようって」

男は訳の分からない言葉を吐いた。

結輝は必死に頭を働かせて、男をどう倒そうか考えた。が、しかし。階段のせいで細心の注意を払わなければ蹴りが放てない。

結輝は男の更なる攻撃を躱す為に、地面に肘を付き、男の顎を蹴り上げた。


……蹴り上げたのだ。結輝の踵は、しっかりと男の顎を捉えていた。だが、男は微動だにしなかった。


男の顔にはオーラが纏ってあった。当然、結輝にはそれが見えておらず、現状の理解に時間を要した。

再び足を掴まれた結輝は、思い切り壁に叩きつけられた。

「がッ───」

結輝は気絶した。念の為と言わんばかりに、男は段差に結輝を叩きつけた。結輝は頭部を強打し、頭から血を流した。

呪術廻戦のOPキタニタツヤはエグい

見るしかない

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