第三十一話「襲撃」
「…なんかオレらの仲間よぉ ガキばっかだな」
トパーズは突然、そんな事を言い出した。
「すみませんね …ガキで」
円香はトパーズに嫌味を込めてそう言った。
「ま、円香〜 そんな喧嘩腰にならなくても…」
昌幸は、ね?と必死に円香を宥めた。
「……先に喧嘩を売ってきたのはソイツです」
「ソイツ!? …それオレに言ってんのか?」
折角トパーズとエメルの蟠りが無くなったと思ったら、今度はこの二人がギクシャクしている。
「まぁ な? 喧嘩すんな 折角の旅なんだから そんなんじゃ楽しくないぞ?」
壊斗は二人の間に割って入った。
「む……わかりました すみませんでした トパーズ」
「ア゙ァン? 俺だけ呼び捨てかよッ!」
あぁあ。また喧嘩始まっちゃった。
───まぁでも、こんくらいなら良いのかな…
「───死ねや」
『!?』
壊斗の背後に潜む何者かの存在に気がついた時には、既にその人物は注射器を壊斗の首元に突き刺していた。誰もが気を抜いていた瞬間の奇襲。何というバットタイミングだ。
「───何やってんだッ!!!!」
トパーズはその事態にいち早く対応し、おらぁぁぁぁッ!と雄叫びをあげその男を薙ぎ払った。
「アッハ〜ン!! んなのが当たる訳ねぇだろうがクソボケぇ!!!」
男はトパーズの攻撃をふざけたながらも見事に交わした。ちゃんと対面してみると、そこに銀髪の男、褐色肌の男、爽やか目の男の三人が立ち尽くしていた。
「オメェら 三人も居たのか…? …おいバン! 大丈夫だろうな!?」
「あぁ 全然平気───」
───あれ。力が……
壊斗は何故か脱力して地面に倒れ込んでしまった。倒れる際に無意識に入っていた力により、凄まじい衝撃波を生むと共に、地面に巨大な穴を作った。
「うぉッ! なんじゃこりゃッ!!!」
「うああ゙あああああぁぁぁ!!!」
その場に居た全員が、出来たばかりの深く大きい穴の中に落下した。
「クッッッソッ!!|《弾む盾》《バウンドシールド》ッ!!!」
トパーズはやむを得ずその場全員を助ける選択を余儀なくされた。
「んだこれ!トランポリンみてぇだな!!」
褐色肌の男はこの状況で呑気にはしゃいでいる。
「うらああぁあああッ!!!」
トパーズは死に物狂いで深淵の縁に手を伸ばし、ガッシリと捕むと、エメルに「掴まれッ!!」と手を伸ばした。エメルはトパーズの腕にしがみつき、円香に手を伸ばす。
「マドカちゃんッ!!」
円香は差し伸べられた手を掴み、昌幸の手を握りしめた。
「───重ッ!!!」
昌幸は壊斗の手を掴むものの、重さに耐えきることが困難だ。一刻も早く引き上げ無ければ、再び奈落の底に落ちる事となる。
「───らああ゙ぁああああ゙ああッ!!!」
トパーズは渾身の力で四人を地上に引き上げた。
「お前らッ! バンを頼んだぞォ!!」
トパーズは大声でそう叫んだ。
「……で、何一人だけ助かろうとしてんだ? クソ野郎」
一人だけ辛うじて穴の窪みにしがみついている男が居た。
「うるせぇ!! 俺は死ぬわけにゃいかねぇんだ!!!」
銀髪の男はトパーズに怒号を浴びせる。
「もう腕限界だわ このまんまじゃ落ちちまうな 折角だから……テメェも道ずれにしてやんよ |《縄盾》《ロープシールド》」
『───グゥッ!!!』
トパーズは男をを縄で縛り付け、奈落へ引きずり落とした。そして……トパーズもそれに続くように底へ落ちていった。




