第二十七話「東雲城」
今日カラオケ行って裸の勇者歌ったんだけどふざけんな
映像で泣きそうになったから画面見ずにうる覚えで歌ったわ
───東雲城、城内───
「姫君はまだ見つからぬのか!?」
「使役を増員させ、即刻向かわせたのですが… 依然、見つかりませぬ…」
宿老、笹森京之介は焦っていた。姫が失踪し早数ヶ月が経過していたからである。何十人にものぼる部下を向かわせても一向に足取りを掴めずにいた。
「殿はワシと顔を合わせる度にため息をつかれる! 正直に申すが、少々気まづいのだ…」
「お言葉ですが、何処で何を聞かれているか分からぬ故、流させていただきます」
「べ、別にこれ位良かろう!? 悪口を言った訳でもあるまいし!」
「───うわッ! 凄! クソでけぇ…」
壊斗達は円香に案内され、南東に向かった。そこに東雲家、もとい東雲城があるのだと言う。
実際、予想より遥かに大きな城があった。日本城の様な作りをしていた。柵の向こう側にあるのに、余裕で城が見えてしまう。
その都合上壊斗達は右下から攻める事にした。当初の予定とは多少変わったが、執着点は変わらない。
「そうか? オレらん家の城はこれの三倍はあるぞ?」
「凄いですね…ッ!」
「マジか! 一回見てみたいなぁ」
「ほら! 何しているのですか! 早く行きますよ!」
円香は壊斗を急かした。
「あ、うん…」
大きな門が開き、人影が覗く。
「───!? 姫様ッ!?」
「え… 長政!?」
和服の様な物を身に纏った二十代後半位の男が突撃してきた。
男は懐から小刀を取り出し、こう言った。
「貴様ァァァ!!!」
「やめて!」
「…ッ!? 何故止めるのですか!? 円香姫!」
「この人達は悪い人では無いの!」
「あぁ 姫様…! こんなにもボロボロになるまで… 此奴ら…ッ!」
男は悲痛な表情から切り替え、酷く冷ややかな表情をし、残りの四人の方を見た。
「…此処に居る者、四名を即刻処刑致します」
『!?』
その場に居た五人は同時に驚く。
「あぁ!? テメェ… 何言ってんだ!!! おいマドカ! どうなってんだ!」
「口の利き方に気をつけよッ! 貴様如きが対等に口を聞ける相手では無い! 勿論、私に対してもだ…!」
「…ッ」
壊斗は言い表せないもどかしさを抱えていた。壊斗は、自分が思い付く最善の選択を取った。
「…こいつらが仲間!? 笑わせんな! そんな訳ねぇだろ!? こいつらは俺の荷物持ちだ! 現に今さっき見つけてきた!」
「む…そうか…ならば、"仲間ではないということを"証明せい」
「───ッ違うの! 寧ろ、工崎さんは私をッ!」
「姫様…!」
円香は、男が今までに見た事の無い顔をしていた事に唾を飲み込んだ。
「え… 長政…?」
「…」
男…長政は黙りこくる。
「ご、ごめんなさい…長政 でも、納得出来ない! 彼らは私の恩人なのよ!? 殺すだなんて… やめてよ!」
「恩人… その様に姫様を汚す事がですか…?」
「違ッ…!」
「幾ら姫様のお言葉であっても、聞き入る事は出来かねます…ッ!」
「おい、某…」
長政はトパーズを指さした。
「あ゙? 何だよ…」
「お主がこの中で一番力があるだろう?まぁ、正確には一番マシと言う事だが。 この者を蹴ってみよ それが出来るのであれば、信じよう 此奴とお主らが同志でないと…」
「!?」
トパーズは長政の提案に驚く。
「………ッおらァ! 早く蹴ってみろッ!!!」
壊斗はトパーズに怒号を浴びせた。
「…はぁ…はぁ…」
壊斗の瞳孔が小刻みに震える。
「は…はは ハハハッ! 良いぜ… そこまで言うならやってやるよッ!」
何かを感じ取ったかのように、トパーズも乗っかった。
「おいお前 こいつを蹴れば良いんだな…?」
「そうだ …はよせい」
「ちょっと!」
「お主ら… 余計な口出しをしないで頂きたい」
「トパーズ…」
───バンの事だ… きっと何か策があるに決まってる…ッ!
トパーズは左腕を振り下げ、右腕を振り上げ、右脚で壊斗の横っ面を蹴り上げたと同時に右腕を振り下ろした。所謂ハイキックだ。
トパーズの蹴りは壊斗の頬に確かにクリーンヒットした…はず。
なのに、壊斗は一歩も動く事も倒れる事もしなかった。
───ッやっべ…
壊斗は猛省した。
「お主… 手加減をしたな?」
場に緊張が走った。
「クソッ! ビビっちまって上手く力が出せなかった…」
トパーズは臭い芝居を打った。
「…何だと? なら、手を抜いた訳では無いのだな?」
「そ、そうだよ! じゃあッ! もし…こいつがオレに襲いかかってきたら アンタがオレを守ってくれよ!? それなら本気が出せる…!!!」
「…まぁ良かろう もしその様な事が起こるのならば この場で即刻首を叩き切るまでだ」
「お、おう! 分かった!」
「…次は腹を蹴るのだ 手加減等不要 次に同じ事をした場合は お主含めお仲間全員の首が一斉に飛ぶ事になるぞ」
「…」
もう口出しをしようとする者は居なかった。
「行くぜ…?」
「早くせい」
「オラァッ!!!」
右脚で押し倒す様に壊斗の腹部を蹴る。
───タイミングを合わせてなるべく余計な力が入らないように倒れるんだ!
壊斗はドミノ倒しの様に後ろに倒れた。体の一部分に体重がかからないよう工夫をし。
然し、その気遣いは失敗に終わった。倒れたと同時に、凄まじい轟音が鳴り響き、地揺れを起こし、地面を凹ました。よく見ると亀裂が入っている。
「…は?」
長政は状況を理解するのに時間がかかった。
「か、体に重りでも身に付けておったのだろう… 外しておけ」
「…ひとまず信じる事にしよう この者以外は無関係。協力を余儀なくされていただけど…」
「だから言っただろうが こいつらは仲間じゃねぇって」
「口を閉じよ 下衆が… 処刑を行うのはこの者だけだが、貴様らにも一つ忠告しておこう…」
「何ですか…?」
「如何なる理由においても、姫様を危険に晒した貴様らを私は許しはしない」
そう言い放ち、長政は壊斗の首根っこを掴み、円香を連れて門の中に入っていく。
「工崎さんッ!」
「カイトッ!!!」
「大丈夫 死にゃしねぇだろ ……多分」
最後の一言は自分だけに聞こえるよう言い聞かせた。大方大丈夫だろうが、少し恐怖が消えない。
壊斗は一度も後ろを振り向くことなく城の中へ消えていった。
ちな俺が歌ったの藤井風とVaundyと米津玄師King Gnuしかない
いつもは髭男と星野源とRADWIMPSとかも歌う
ワンオクとミスチルとミセスは無理笑




