第十六話「渡海」
船のシーンで一ヶ月位待たせてしまったって事は実質ハンターハンター
大変長らくお待たせしました(汗)
遠くで待たせていたエメルを呼び、壊斗たちは筏に乗りこんだ。筏…というか、これはもう船と言っても過言では無いだろう。
ただでさえギュウギュウ詰めなのに大量の食料が場所を取りキツくてで仕方ない。
「じゃあ… エトカ号発進!」
由来はエメル、トパーズ、壊斗のイニシャルを取って付けた。
「なんだその名前」
「お前には言わね〜よ」
決して言わない訳じゃない。言えない。少なくとも、今はまだ。
基本的にはトパーズが船を漕ぐ係。エメルだと力不足だし、壊斗だと破壊してしまう為だ。
「腕疲れてきた… エメラルド 変わってくらよ」
漕ぎ始めてから一時間経過した後、トパーズは弱音を吐き始めた。
エメルは無言で回復能力をかけた。
「…はい これで治ったでしょ 早く漕いで」
「…兄使いの荒い妹だ」
これはエメルなりの気遣いだったのかも知れない。場を和ませる…じゃないけど。
「オレさ… もし海の向こうに大陸があって。それが仮に国だとして、もしそうならさ… そこに住むのも悪くねぇんじゃないかって思ってきた」
暫く無言が続き、最初に口火を切ったのはトパーズだった。
「どうしたんだよ 急に」
「あの野郎の呪縛から解き放たれるならさ… そっちの方が良いかもって思ったんだ」
「復讐は諦めるってのか…?」
「ま、今んのとこはって話だけどな オレ結構意見コロコロ変わっから」
トパーズはぶっきらぼうにそう言い放つ。
「ただよ… 問題点つーか 気に食わねぇことがあるんだ」
「どした?」
「…何でオレたちが窮屈な思いしてアイツらから逃げ隠れしなきゃなんねーんだよ バレたら終わりだ だから変装を続けなきゃならねぇ だけど! これから表歩く時は二度と普通に歩く事が出来ないって考えるとよ…」
「腹が立つ…ってか?」
「ああ その通りだ」
「そっか …てか聞きたいことがあるんだけど」
壊斗は唐突に話を変えた。
「何?」
「この世界って殺しが合法ってか… 罪にならないんだよな?」
今まで人殺しがさも当たり前かのような会話を多々耳にしていた。そこで生まれた疑問をトパーズにぶつけてみる。
「罪になる場合もある」
「まじ? 例えば?」
「一般人が護衛隊 及び自分よりも位が高い人物を殺すこと 下位が上位を暗殺したりとかな 後は三人の中だとオレとエメルだけ適用されるんだが… 親族、家族間での殺しだ」
「お前が殺しちゃった人も家族だったのか?」
「厳密に言やぁ …まだ家族じゃなかった ただ結局親族に値するから罪になるんだ」
「罪になるって… 罰は…?」
「…死刑」
「死刑!?」
「罪を償う為には死刑以外有り得ない 父さんの考えだ死の痛みを越えてやっと罪が消えるんだとよ」
「本当にそう言うルールなん?」
家族間と言えど、あまりにも重い掟に半信半疑な気持ちを抱く。
「そうだ …疑ってんの?」
「いや別に」
不意に目をやると、体育座りをして小さく縮こまっているエメルが目に入った。
エメルは壊斗とトパーズが話している最中、割って入ってきた事が殆ど無い、それは空気を読んでいるとかそういう事では無く…。
「エメル… そんなにトパーズの事が嫌い?」
「…」
エメルは答えようとしない。
「俺的には仲良くして欲しいんだけど… 無理そうなら…」
「私も努力してるっ…」
言いかけた壊斗を遮るようにエメルが口を開いた。
「…え?」
「でも… 無理だよ 怖い… どうしても目を見て話せない…」
エメルは悔しそうな、それでいてどことなく怯えたような表情をした。エメルもエメルなりに頑張って話そうとはしているみたいだ。
「…少しづつで良い 打ち解けていって欲しい」
「…がんばる」
「…くどいな」
トパーズはボソッとそう呟いた。
トパーズが船を漕ぎ続けて、気がついたらすっかり夜になっていた。潮風が冷たく、とても寒い。
「寒すぎ」
幾らギュウギュウ詰めだと言っても、覆われている訳では無いため、直接風が吹き付ける。
「なぁ二人共〜 寒ぃから一箇所に固まろうよ」
『えっ!?』
やはり兄妹だ。息ピッタリだ。
「毛布とか何も持ってこなかったしよ… このままじゃ凍死しちゃうぜ」
トパーズは何かを閃いたかのような顔をした。
「た、確かに名案だな!」
「えぇ… やだなぁ…」
「いや待って、それよりもっと良い事思いついた」
壊斗は新たなアイデアを思いついた様だ。
「何なに?」
エメルは興味津々だった。
「トパーズ、盾は直ったか?」
「《黄盾》」
トパーズは筏を漕いでいた手を止め、オールを船上に置き、また耳障りな音と共に異空間から出現した。
「《黄盾》がどうかしたか?」
「それを毛布っぽい素材に変えたり出来ない?」
「やった事ねぇな …やってみっか」
数十秒かけて、機械的な音が鳴り終え、フワフワの毛布が出来上がった。
「こんな感じか?」
『おおっ』
壊斗とエメルはキラキラした目で毛布を覗き込んだ。
「で、こんなもんどうすんだよ 三人で使うには小さすぎるし…」
「一人が仮眠を摂る。その間二人は起き続けて一時間後位に寝てる奴を起こす。どうだ?」
「それ二人起き続ける必要あんのかよ 二人寝て一人見張りとかで良いだろ」
「一人だけだとうっかり寝ちまう可能性がある そしたら誰も起こしてくれる人が居なくなるだろ? だから二人体制で見張りする必要があんだ」
「ふーん」
「じゃ 先俺寝るから 一時間経ったら起こしてくれ〜」
壊斗はそう言い、毛布を掛けて座ったままさっさと眠ってしまった。
ただ単に目を閉じたかったからというのもあるが、二人だけの機会を作るためでもあった。
…お互い無言の状態が長く続いた。
「そろそろ起こした方が…」
「待って! まだ五分位しか経ってないよ ……バンも疲れてるだろうし… もっと寝かしてあげなきゃ」
トパーズが壊斗を起こそうとしたのをエメルは阻止した。
「…」
また、沈黙が続く。
「…さっき、あのおじさんと別れた後 ……バンと何話してたの? 喧嘩してるように見えたけど…」
なんと、エメルからトパーズに話しかけた。
「…ッ!」
これにはトパーズも驚いたみたいだ。
「…怒られたんだ 色々と」
「…例えば…?」
「口の利き方が悪ぃとか… 癖づいちまったもんは治そうとしても難しくてよ 危うくオレ置いてかれるところだったんだ 正直治せるか不安なんだよなぁ この事はバンには言うなよ?」
「珍しい… バンがそこまで怒るなんて…」
「反省してるよ… 次同じようなことがあったら… 今度こそ見限られちまうだろうしな」
トパーズは壊斗の言葉に相当心を痛めた様だ。
「…私ね… 反省したの」
「何に?」
「トパーズに直接された訳じゃないのに… 勝手に怖がって 勝手に恨んで… 最低だぁ 私って」
エメルは笑いながら一筋の涙を流した。
「お、おい! 泣くなよ…」
「あはは… ごめんね」
エメルは涙を指で拭った。
「トパーズもトパーズなりの事情があったのかもだし… 悪いのは全部パパだよね… 今まで 本当にごめんなさい」
エメルは誠心誠意トパーズに謝った。
「辞めろって…っ! 悪ぃのはオレなんだしよ… 何回も言ってるけど… 見て見ぬふりしたり… その… 色々と 悪かった…」
「うん 今までの事は… 水に流そ? カイ… バンにも悪いし…」
壊斗は片目を開けて、微笑んだ。寝ずに聞き耳を立てていたみたいである。
「…じゃあそろそろ…」
トパーズは壊斗を揺さぶって起こした。
「朝だぞ そろそろ起きろ」
燦々と降り注ぐ太陽。時刻はおよそ朝の九時。壊斗は優しくエメルの耳元で囁いた。触ることは出来ないからである。
「あえ?」
「おはよう エメル」
「かいと…おはよ」
エメルは寝ぼけ眼でそう返事をした。
三人は海水を浄化し、飲み込む。買っておいたトマトを浄化した真水で洗い、齧り付いた。
それから実に三日が経過した。
「二人とも! そろそろ着きそうだぜ!」
トパーズはニカッと笑い、二人の方へ振り向いた。
「って まだまだじゃねーか」
トパーズに言われ辺りを見渡したが、遠くに島がポツンと見えただけであった。然し、明らかに近ずいている。
「こっからなら後二、三時間ありゃ着くだろうぜ」
「楽しみ!」
「そうだな」
三人は仲睦まじく、言葉を交わしあった。
そういえば前やった進撃のOP初視聴の時は「ん?」って思ったけど何回か見ていく内に好きになった まさかデスメタルとは思わんかったけど笑
でも聞けば聞くほど進撃に合ってるなーって思いましたね。




