女子の百合好きは腐なのだろうか
「雫ちゃんいる?」
クラスにそんな声がかかる。
僕はぶんぶんと腕を振り所在を伝える。
あ、今本がいいところなんだよ。
仕方ないな。
栞を挟み本を閉じる。
「どうかした?」
「今日の夕飯、頼めませんか?」
飛鳥からそんな話を聞くのは始めてだった。
昼休み。申し訳ないが彼女の方は断らせてもらった。
「実は、私、デートに誘われてしまいまして。‥‥‥あ!ばれてませんよ!?」
「大きな声を出すなよ、それこそばれる」
「確かに‥‥‥」
まあ、僕からしても顔立ちは良いしね。仲良くしたい人は多く出るだろ。
「デートってことは相手も一人?いきなり過ぎない?」
「一応二人きりでは無いですけど、誘ってきた人からは『デートだね』と」
飛鳥弱そうだもんね。押しとかに。
「別に行ってこいよ。夕飯は、まあ、なんとかなるだろ」
僕が言えた話じゃないが、ここはファンタジーの世界か何かかよ。
放課後。
見るつもりは無かったんだが、見えてしまった。
あの子、光って呼ばれてた子だったな。
「‥‥‥雫も女子同士のいちゃいちゃを好きなタイプだったりするの?」
「うわぁ!?」
「そんなにびびらなくてもよくない?」
誰かといえば真弥だった。
あの五人以外で僕への会話をするのは真弥か先生くらいだろ。
「“も”ってことは知り合いに誰か百合好きがいたわけか」
もしかしたらGLやレズの域まで行ってるのかもしれない。(なお、この二つの違いはほとんど区別してない)
女子の半分は腐の方だと言うのは本当なのかもな。ソースはラノベ。
「今日は残念なことに光達が用事らしいからね。暇なわけ」
「‥‥‥勉強あるから」
「嘘つけ、私より点数悪いの知ってるよ?」
真弥は上位カースト。クラス、学年だけでなく、テストでも。
「勉強はついでに教えてあげるから、行くよ」
「何をしに行くんですか!?」
「追いかけるの、尾行」
普通に犯罪なんだよなぁ‥‥‥
いたね。
あー、なんで真ん中に座らされてるんだよ。
そういうの苦手でしょうに。
あー、先行き不安。
「大丈夫なの?あれ」
「大丈夫な訳ないでしょ」
どっからどうみてもダメダメですよ。
会話はここまで聞こえてくることは無いが、会話がまともに続いていないことだけはわかるな。
頑張ってほしい。
「んで、勉強は?」
「本当にするわけ無いでしょ、僕をなんだと思ってるのさ」
「知ってた」
勉強するのは精々テスト前だ。
それ以外は授業くらいだ。
いや、授業もまともに受けているのは7割位か。
「ガチガチだし、大丈夫?助けなくて平気?」
「ばれるから出られないでしょうが。それに大丈夫だろ」
まあ、明日休むことになったらそれはそれだ。
ばれないように向こうより先に店を出る。
案の定、飛鳥は次の日休んだ。
私は百合問題ないどころか好きです。
TS行けます。
なんならレズ気味も構わなかったりします。
行き過ぎてたらこっそり読みます。