境遇は一緒な者達の部屋
キャラ説明回
これ以上の説明は必要ないでしょう。
「とりあえず、これでいいかな」
基本的な当番が振り分けられる。
因みに僕は洗い物(皿等)
毎日仕事こそあるけど、たいした人数じゃないしわりとすぐ終わる。
それに身長的にもシンクに立つのは苦じゃないからわりと助かる。
はじめは洗い物(衣服)
はじめは(ゲームの為に)早起きしているらしいので干してもらうことになった。
「あ、雫ちゃん、皿出してもらえる?」
「はいよ」
今、僕を呼んだのは『上地 飛鳥』料理の当番だ。
そして何故僕が呼ばれたかと言うと、他の3人が向こうでハバ抜きをしているからで、
「はい、これで俺の勝ち」
「うわ~、また負けた~!!」
今、はじめに負けたのが九条 にとり。
買い出し担当の片方。
体はかなりの低身長。シンクに立つには土台が必要なレベル。
ただ、その小柄な体型にも関わらずかなりの力持ちらしい。
「これで、私も上がりです」
今、上がったのが『二藤 桃花』にとりと対称的にかなり大柄でこちらはこちらでシンクに立つには辛そうだった。
そしてにとりと同じ買い出し担当だ。
「ほら、お前ら飯出来たぞ。どかせどかせ」
「お、やったー」
「はじめちゃん、後でもう一度な」
「にとりは私と買い出しですよ」
「あ、そうだった!じゃあ、帰ってきてからな!」
「会って数回で仲良いみたいで良いですね」
「よし、次は飛鳥も一緒にやるぞ、はじめを負かせる!」
「お、楽しみ~」
5人とは思った以上に騒がしいもので、加えて見た目だけは女子な為更に騒がしく感じる。
「そんじゃ、いただきまーす」
「洗い物は全部シンクに置いとけよ、茶碗は水に浸けとけ」
「はーい」
はじめが元気に返事をした。
「それじゃ、はじめちゃん、行ってきます。多分40分位かかっちゃうけど」
「その間は狩りでもしてるから大丈夫だよ~」
「行ってきます」
制服から着替えたにとりと桃花が出ていった。
5人から3人で随分静かに感じるものだ。
暫くは自室で小説でも読んでゆったり過ごすとしよう。
―――おっと、気が付いたら2時間経っていた。
洗い物をせずにそれはやらかしたな。
「すまん、少し小説に集中してしまった‥‥‥あれ?」
シンクに洗い物は無い。
そして他の4人はテレビに繋いだゲームを楽しんでいた。
「あ、雫ちゃん、これ変わってください。残念ながらこれ向いてないみたいなので」
「いや、僕も操作わかんないんだけど。」
飛鳥に強制的に渡されたコントローラーを確認する。
最新機種の新しい奴だ。
「あー、また負けた!」
「後ちょっとでしたね」
「これ、はじめのか?」
「正解~。コントローラーは全員ぶんあるから安心して~」
「それにこれ、最新ゲームだろ。よく手に入ったな」
「予約は当たり前」
『大乱戦スマッシュファイターズ』つい数日前に発売された最新のゲーム。
操作は簡単な方でアクションゲームの中でもパーティ要素が高いらしい。
「あ、雫も参戦?よし、かかってこーい」
なお、料理が出来るまでの間3人がかりで1勝も出来なかった。
「雫さん」
桃花に呼ばれて振り返る。
「どうかした?」
「いえ、はじめさんはまさかクラスで俺なんて言ってないですよね?」
「言ってるよ」
「‥‥‥一体何がしたいんでしょう」
僕に聞くんじゃない。
「そういえば、皿洗いをしてくれたのは誰なんだ?凄く申し訳無いんだが」
「飛鳥さんがやってましたよ」
「後でお礼言っとかないとな‥‥‥」
「それに、1回雫さんを呼びに行ったんですよ。」
「全く気が付かなかった、申し訳ない」
集中するとすぐこれだ。
以後気を付けることにしよう。
「そういえば風呂はどうしましょうか」
噂をすればなんとやら。自室から飛鳥が出てきた。
「さっきは悪かった、皿洗い忘れてた」
「いえいえ。でも、集中して本を読んでいる雫ちゃんは可愛かったですよ?」
顔が熱くなったのがわかった。
呼びに来たときに見られてたのか。
「僕は男だし、男に可愛いなんて言われても嬉しくない」
「なら、なんで雫ちゃんはそっちを向いているのかな?」
もうやだ、自室に引きこもりたい。穴があったら入りたい。
「やっぱり可愛いは駄目だった?」
「可愛いってことはバレにくいってことだろ、良いことだろうが」
風呂は他の3人が先に入ったので飛鳥と2人だ。
もっとも限界数がどう見ても3人なので残りは後からはいるしかないのだが。
そして勿論、目鼻立ち整った飛鳥にもついていた。
「同姓の友達は初めてなので少し舞い上がっていたのかも知れません。周りはずっと女子ばかりでしたし」
「‥‥‥なら、仕方ないな」
元々本気で怒るつもりも無かったが何も言う気が無くなった。
「そういえば部屋を覗いたときに思ったのですが、持ち物の大半は本でしたね。ライトノベル‥‥‥?と言うのでしたっけ?」
「‥‥‥お勧めしないぞ」
オタクになんてなったって良いこと無いぞ。
あって趣味が増える程度だ。
失うものが多すぎるだろ。
「いえ、まずは皆の事から知っていこうと思っただけですから」
やべえ、飛鳥超いいやつじゃねーか。
「‥‥‥後で何冊か貸してやる」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
パッと笑顔になる飛鳥。
感情が顔に現れやすく。男の僕から見ても笑顔が可愛い。
まあ、とりあえず男バレが視野に入ってきたらまずははじめを犠牲にしよう。
リビングにははじめとにとりの平仮名コンビがいた。
「2人とも長かったね」
「そうか?これが普通だったから」
「俺はすぐ出たくなっちゃうんだよね~。でも今日は別だよ?にとりと割り箸してたからね」
「1勝も出来なかったけどな!」
何処でもゲーム脳なはじめと楽しいこと絶対主義みたいなにとりは馬が合ったか。
この2人は常に騒がしそうだ。
「それでさそれでさ、今日はリビングに布団を持ってこない?皆で一緒に寝るやつ!」
「ここまで持ってくるの面倒」
「大丈夫!それは僕に任せとけ!」
既にはじめとにとり、そして桃花の分の布団が敷かれているので拒否権は無いだろうと思っていたしな。
「では、私の分もお願いします」
「おう、任された!」
深夜一時。ゲームのボタンを押す音がイヤホンに遮られつつもほんの少し聴こえる。
隣がはじめな時点で少しこうなりそうだとは思っていたけどね。
因みに僕は端っこ。僕から左側にはじめ、にとり、桃花、飛鳥の順だ。
因みに僕はアニメを閲覧中。
部屋にあるテレビで録画こそしているけどリアルタイムでも見たいタイプなのでスマホで見ている。
一時半見るものも終わったので僕も眠りにつく。
いまだゲームの操作音は依然として聴こえたままだが。
目を覚ます。現在7時。
登校に時間はかからないので問題ないだろう。
「あ、おはよ~」
昨日最後に寝たはずのはじめが起きていた。
4時間も寝れて無いんじゃないか?
「どしたの?」
「寝不足になってないか気になっただけ」
「2時半には寝たから問題ない。いつも通り」
7時起きでも4時間半、全然寝れてないだろ。
「にしても面白いよね」
ゲームの手は止めず話してくる。
「まだ、寝てるんだよ」
起きたのは僕が最後ではない。僕は3番目だ。
残る2ヒトの内、1人はにとり、そしてもう1人は、
桃花だった。
。は癖でつけてて修正には時間が必要かと。