第2話 恋の土台は整った
覚えておいてほしい、イツメン男友達
松岡 幼馴染 面白いやつ 卓球部
山寺 幼馴染 面白いやつ 野球部
古城 サッカー部 アイドル好き ゲーマー
城之内 常に笑っているやつ
12歳と9ヶ月。特に人に恋をすることがなかった。けど心の中でずっと気になっていたあの子。祖父の家を通るために見るあの子。一体あの子は何者なんだろうとずっと気になっていった。
「普段は何してるんですか?」
「あぁ、おれんちにトイプードルの犬いてるんて。そいつとよく散歩しよる!」
「え、うそ!どんなのか書いて!書いて!」
「お、おう」
机に全力で書いたトイプードルの絵。それを見たあの子は「可愛い!めっちゃ可愛いです!」と答えてくれて私は愛犬を誇らしげに思った。
ある程度経ってから4月も後半。この頃になるとグループ化が進んでいた。そして部活も始まった。絵を愛していて、運動能力皆無の私は美術部を希望したが廃部になっており、運動系しか部活はなかった。仕方なくその中で私は卓球部に入ることにした。卓球部は俗に言うクラスのダメなやつらが入る場所であって、私はそれでも松岡もいるし頑張ろうとした。しかし、入部後は忘れることのできないほどの優しい先輩達がいた。
「喰らえ!ギャランドゥーサーブ!」
「何を!アトミックハリケーン!」
「ぐわぁああああああ」
「嘘だろ!松岡のライフはゼロよ!」
「そこに痺れる憧れるぜ!後輩くん!」
そんな感じで私は後悔のない充実ライフを送っていた。体育館を2分割して行う練習。隣には女子バレー部が練習していた。そこには頑張るあの子もいた。部活の休憩中によく女子バレが割り込んできた。私たち冴えない卓球部の唯一のポジティブ要素であり、他の部の男子からすると憎たらしいイベントであった。
「うちもやる!うちもやる!」
部活の中心的な女子を先頭に入ってくる女子バレ。嬉しくてたまらない自分。「あ、私たちもお願いします!」あの子も入ってくる。
おれと松岡が覚えたての回転サーブやスマッシュを披露しながらやる。すごいですねぇと言われて満足する自分がいた。
そんな私はいつも同小の松岡と山寺、中学で知り合った古城、城之内とよく下校していた。うちの家の近くにある商店の自販機でジュースを買って一杯やるのが好きだった。その後女子バレー部の軍団が来るのだが、よく私たちを真似てジュースを買っていたのだがこの時も今思えば話しかけてみるべきだった。小学校と違い人も多く、移動範囲が増えて本当に毎日が楽しかった。私達は思春期という時期、これが学校生活の中で大きく影響するとも知らなかった。
そして、5月。ここから恋が動き出す。