74.これからの事を
闇市なんていうオークションでの戦利品を持ち帰り、自宅のリビングに集合しました。
留美生からお酒飲んで良いよの許可が下りた。あざーっす!
「各自手を洗ってリビングへ集まってなぁ。今日は簡単な料理で済ますわ。お酒は棚にあるから好き飲んで良えで」
留美生がご飯の支度をしている間に、奴隷ちゃんに制約魔法を使う事にした。
「まあ、無いとは思うけど私達に関する情報が漏れないように制約魔法を掛けさせて貰うわ。拒否権はないで。後、私は奴隷扱いはせん。あの糞ったらしい長い奴隷譲渡の魔法も解除したる。代わりにうちの従業員になって貰いたいねん。勿論、日当金貨1枚で週休1日。産休・生理休暇・雇用保険・社会保険・ボーナスも完備や! 社員旅行は気が向いたら行くかもしれんけど、今んところは予定はないな。嫌なら制約魔法を行使した後、王都に戻したるから好きにしたらええよ」
週休2日制にしたいが、人手不足なので週休1日しか出せない。
アンナは、仕事大好きというかお金が大好きなので休日出勤上等な勢いで働いている。
お給金が休日出勤だと1.35倍になるからなぁ。
日本円にしたら13500円。
金貨を売れば約2.3倍の値段になるので月に40~50万円は稼いでいることになる。
「あの、奴隷ごときに何でそこまでして貰えるんですか?」
「ここは、サイエスとちゃう異世界や。地球の日本って国や。そこに奴隷はおらんし、奴隷なんて非人道的な事したらお天道様に叱られるわ。従業員確保はしたいし、あんたが持っとる膨大な魔力を有効活用したいのが本音やけどな」
「俺は奴隷なのに、何で奴隷のエルフを奴隷解放するんすか! 俺も奴隷じゃなく、1人の人間として扱って欲しいっす」
ワウルが不満顔で文句を言ってきたが無視した。
「今から鑑定してスキルを弄るからな。ワウル、あんた言語最適化のスキル取らせるの忘れとったから、一緒に取れ」
「俺の話は無視っすか」
「野郎に人権はない。衣食住は保証してやる。小遣いもくれてやるから、ちょっと黙れ」
下僕は下僕らしく働け。文句を言うな、と睨みつければ黙った。ヘタレめ。
「さてと、やりますか」
制約魔法を行使し、奴隷紋は消え左胸に太陽を象った模様が浮かび上がった。
私の小指に刻まれた紋章も綺麗に消えている。
神との制約の前には、奴隷紋なんて無いに等しいものである。
「じゃあ、ステータスを弄りますか」
「何で私の名前を……、まさか鑑定をしたの?」
ビックリするのも無理はない。隠蔽と変化のスキルレベルがどちらも18もある。
「うん、私の鑑定はあんたよりも上だからね。丸裸だよ」
楽白は、看破を持っているので私のステータスも丸裸である。
「ステータスオープン」
---------STATUS---------
名前:なし(No.1052)
種族:ハーフエルフ[サイエス人]
レベル:15
年齢:82歳
体力:10
魔力:21981
筋力:3
防御:3
知能:5113
速度:2
不幸:666
■装備:ボロ布
■スキル:隠密22・隠蔽18・魔力操作95・生活魔法35・魔力操作52・並列思考16・索敵8・変装18
■ギフト:[拡張空間ホーム共有化]
■称号:[レンの従魔(制約魔法試行中)]・[亡国の王女]
■加護:[須佐之男命・櫛稲田姫命]
■pt統合
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ブフォッ!! 何か色々と酷すぎる。
特に不幸値が666とか有えん。
ないわぁー。私も大概酷いステータスだけど、ここまでじゃなかったわ。
下には下がいるもんなんだね。
「No.1052って何」
「そう呼ばれていた」
「じゃあ、今この瞬間からイザベラね! はい決定」
ステータスを弄って名前の部分をナンバーではなく、イザベラに変更してやった。
奴隷を物扱いするのが、サイエスでの基本的な考えなのか?
まあ、商品として闇市で売られていたんだからそうなんだろうけど気分が悪いわ。
「その変装は解除してや。顔がダブって見えるから気持ち悪いねん」
「……分かりました」
渋々だけど解除してくれたら、別嬪さんがそこに居ました。
髪は黒のボブカット。前髪で目元が隠れているのが残念ポイントだ。
「取敢えず、cleaning! シャワー浴びて身体と頭洗ったらこのワンピース着てな」
ブラ付きワンピースを手渡し、シャワーの使い方などを教えて風呂場へ放り込んだ。
「さて、不幸のバッドステータスをどうにかせなあかんな。留美生に、幸運値の高い蛇ちゃんズから、幸運を分けて貰って相殺させるアイテムを作って貰うか」
ワウルの時もおもったけど、何やら面倒事を背負い込んだ気がする。
「ワウルも給金は日当金貨1枚、皆と同じ扱いやけど危険な仕事をして貰うこともあるさかい。その時は、別途手当出したる。残業代も着くから安心して死ぬまでコキ使ったるさかい喜びや」
「ううっ……生活苦に悩まされないけど、あまり嬉しくないっす」
喜ぶどころか落ち込んでいる。何が不満なんだ!
シャワーから戻ってきたイザベラを連れてリビングで寛いだ。
先に1人で晩酌をしていたアンナの隣に座り芋焼酎を飲む。
イザベラとワウルも座らせて、好きな飲み物を飲めと勧めたが断られた。
酒以外だとお茶かオレンジジュースしかないので、それを冷蔵庫から持ってきて好きなのを選ばせたら、イザベラはオレンジジュースを飲んでいた。
ワウルはお茶を選び、恐る恐る口に運んでいる。
まったり寛いでいたら、留美生のご飯できたの合図に、ワラワラと食卓に移動した。
「飯出来たでぇ!!」
各自、自席に着席したが、奴隷組は棒立ちだった。
「ワウルは留美生の隣に座り、あんたはこっち」
イザベラを隣に座らせ手を合わせて、
「「「頂きます!」」」
と、ご飯開始の合図を切った所でガツガツガツとご飯を食べ始める。
付いてけない二人に留美生が出汁巻きを突きながら忠告をした。
「横にスプーンとフォークで目の前の用意してあるご飯食べや! スイートポテトとか共有になってるのは、争奪戦やから食いたかったら自分の分は、自分で確保するんやで!」
山田家の食事は、毎回争奪戦です。今は契約カルテットは参加していないが、もし留美生の罰が解禁したら一層苛酷になるのは間違いなし。
「南瓜のご飯美味しいですね。クリーミーで舌ざわりが良いです」
アンナは、上品にかつ高速で食べている。その細い体のどこに入るのかさっぱりだ。
体系が変わらないのは羨ましい。
「南瓜のグラタンやしなぁ。自宅で食べる料理が一番やわ。やっぱり向こうの食事は不味いしな。」
私の暴言に、
「そうですね。このポテトも美味しい。商品に出せますね。」
と、レシピを商品化を進めるアンナ。
商売の話をしていると、それに付いて行けない新人達は漸く一口目に辿り着いた。
「「あ、美味しい」」
やっと手を付けた二人はガツガツと食べ始めた。
うん、最初はそういう反応だよね。
ここに来たばかりのアンナを見ているようだよ。
無言で食べ続ける彼等を見ながら私は自分の食事をしつつレシピの販路をアンナとはなしていた。
デザートを持って席に戻ってきた留美生が、
「姉よ、この家だともう人が住むの狭いからマンション買わへん? この家も潰してマンションにしようや? 人手も商業ギルドの伝手使って奴隷を買ったら良えやん。勿論、借金持ちと犯罪奴隷は買わへんよ。そろそろ人手を増やさんと売り子もいない、生産も追いつかないってなると色々と困るで?」
「それもそうやなぁ。分譲マンションを丸々買うか?」
「それで良えけど、駅近が良いなぁ」
「そうかぁ? 別に駅近じゃなくても良えと思うけど?」
「万が一の時に売るってなったら便利な所の方が後腐れなく売れるやん」
新しい居住に関して留美生がケチを付ける。
駅近じゃなくても良いじゃんと思っていたら、アンナが新しい案を提示してきた。
「此処を処分して、新しい拠点を探すという事でしょうか? それなら地価資産なども考慮して調べてからの方が宜しいと思いますよ? また、瓶詰の作業や包装、発送の作業もありますし、人手も増やしましょう」
「なるほど。確かにその方が良いかもしれんね。マンションじゃなくても中古のビルを買っても良いし。逆にそっちの方が、梱包作業とかするのに丁度良いかもしれん。ワンフロアぶち抜きで3畳の部屋を人数分用意してパーテーションで仕切ればプライベートは守れるやん」
「3畳とはどれくらいの広さですか?」
「安宿の1人部屋くらいの大きさ。シングルベッド1つ置いて小さいテーブルが置けるくらいかな。私物は拡張空間ホームの個人フォルダに収納して貰えば問題ないと思うんやけど?」
「それなら十分な広さですね」
「共有スペースは、風呂場・リビング・ダイニングくらいかな。各自スマートフォンとパソコンは支給するし、娯楽用にTVゲーム機は買うつもりやで」
「TVゲームって何ですか?」
「知らんかったっけ? 口で説明するには面倒臭いし、色んなジャンルがあるからなぁ。やってみれば分かるんちゃう。アンナ、今スマホの乙女ゲー攻略してるやん。それの複雑かつ豪華版だと思えばええよ」
適当に答えたら、何かキラキラした目になった。
うん、今やっているゲームに嵌っているんだったね。
無課金で楽しんでいるようで、自分の小遣いの範囲なら課金しても良いと言ってみたが、無課金でどこまでやれるか試しているらしい。
将来は、この話をサイエスに持ち込んで出版を目論んでいるようだ。
本当、アンナはお金が大好きなところがブレないね。




