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社畜OLは、打倒邪神を目指す!  作者: もっけさん
セブール

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64.年末調整の時期ですね

 やっぱり電動スクーターは良いね。消音だし、移動も楽だし、ガソリンよりコスパは良いし!

 アンテッドモンスターの巣窟を抜けて、やっと電動スクーターの出番が来たヨ。

 留美生(るみな)の前衛的な神聖魔法に笑ったら、嫌がらせ飯にされて気分が落ち込む。

 村や街に立ち寄ることも考えたけど、さっさと報告を済ませたかったので今回は立ち寄らずに、真っすぐ王都を目指した。

 拡張空間ホームに眠っている素材もドンドン増えてきているし、素材を吐き出してお金に換えたい。

 けもの道を使いながら、サイエスと自宅を行き来していた。

 金貨の換金と合わせて立ち上げた会社の運営と二束わらじで活動しているので大変だ。

 サイエスの1日が地球では1週間になるので、洒落にならない。

 原付や電動スクーターで移動出来るのは、ある意味時短ではあるが、私の趣味の時間が減っていることには変わりがない。

 王都目前で、一旦自宅へと戻った。

 Crema(クリマ)に注文された化粧品セットの発送作業だ。

 受注生産とあって、注文が殺到している。

 メールボックスがヤバイことになっていた。

 1万件近いって死ねってことですか?

 ガッデムと頭を抱えている私に、頑張れと背後で応援している契約(テイム)カルテット&留美生(るみな)がいた。

「いや、お前も頑張れの中に入っているんだけど。留美生(るみな)印の化粧瓶を作って貰わんとあかんし、検品&梱包はアンナもお前もするんやで」

「ゲッ……本気(マジ)か。会社作らなかったら良かったやん」

「お前が化粧品でお金稼げって言ったから、会社まで立ち上げたやん。口コミって怖いわ。広がるスピードが速すぎる」

「受注生産に切替えたのに、そんなに注文来てんの?」

「来とるで。見るか?」

 ノートパソコンを見せると、うわっと悲鳴を上げている。

 1万件近いメールを見せられたら、そうなるわな。

 メールのデータをエクセルにダウンロードして、名前ラベルを作成する。

 それだけで3時間はかかった。

 受注生産も数を制限しないと体が持たない。

 ひと月5000セットと限定し、それ以上は予約注文へと変更した。

 勿論、サイトを作ってくれている会社に連絡してレイアウトも変更して貰った。

 サイエスでも販売する分があるから、それを考えれば5000セットが限界だろう。

留美生(るみな)は、化粧品の瓶を1万セット作って。私は、化粧品作りに入る。アンナは、留美生(るみな)が作った瓶に出来上がった化粧水・乳液・美容液をそれぞれスポイトを使って入れてくれる」

「分かりました」

「それが終わったら、全員で梱包だよ! 契約(テイム)カルテットは大人しくしてて。邪魔したら3日間ご飯抜きだからね!」

 そう厳命し、それぞれの部屋に籠る。

 拡張空間ホームで作業すると、進捗や時間の感覚が狂うので自室でもくもくと作成し、拡張空間ホームに入れる作業を繰り返した。

 9時間くらいして、漸く私の化粧品セット作りが終了した。

 スキルを見ると調合10になり、複製1が新たにスキル取得していた。

 コピー出来たらと常日頃思っていたから出来たスキルなのだろうか。

 うーん、どういう経緯で取得したのが謎だ。

 恐らく調合が絡んでいるのは間違いないと思うけど。

「ちょっと試してみるか。Copy(コピー)

 化粧品セット(普)をコピーしたら、化粧品セット(劣)になった。

 これは売出せないわ。留美生(るみな)達に要相談かも。

 リビングに行くと、アンナがせっせと詰め替えをしていた。

「私も手伝うわ。留美生(るみな)の方は?」

「まだ、籠っているみたいです」

「流石に1万セットは厳しいもんね」

 9時間籠って私はノルマを達成したけど、留美生(るみな)は3本の瓶×1万本なので単純に3万本作らないといけない。

 ご愁傷様ですとしか言いようがないが、ふと先程のコピーを思い出した。

「ちょっと留美生(るみな)のところに行ってくるわ」

 席を外し、留美生(るみな)のアトリエに行くとウガーッと唸りながら黙々と作業している姿があった。

 声を掛け辛い。

 無言で立ち去るのもあれなので、思い切って留美生(るみな)に声を掛けた。

留美生(るみな)、ちょっと良い?」

「あ? まだ終わってないんだけど」

 ギロッと睨まれた。ヒーッ!! 同人誌の締め切り前みたいな感じになっている。

 邪魔したら殺すオーラが半端ない。

「邪魔してゴメンね。ちょっと複製っていうスキルが出来たからさ、ちょっと試したくて」

「複製!? そんなスキルあるん?」

 食い気味に来たぁぁあ! 同じものをもくもくと作らされるのは嫌だよね。

「調合しながら複製出来たらなぁーと考えていたら、何か取得していた。もしかしたら、留美生(るみな)も取得しているんじゃない?」

「よし、ステータスオープン」

 留美生(るみな)のステータスの中に、やっぱり複製のスキルがあった。レベルは1だ。

「さっき、化粧品セット(普)の複製をしたんだけど(劣)になったんだよね」

「瓶(極)をコピーしてみるわ」

 複製されたのは(劣)だった。あかんやん!

「複製レベルが低いから(劣)になってしまうかもしれへんな。ポイントでレベル上げて再度複製してみよう」

 留美生(るみな)と私、それぞれ複製1→7に上げてみて再度複製をチャレンジしたら(極)が(普)になった。

 (良)は(劣)になり、(劣)は(粗悪)になった。

 複製レベルを上げれば、丸まるコピーが出来るだろう。

 今のところは、これで良いと思う。

「(極)をジャンジャン複製するで~」

 複製する度に多少なりと魔力を使うので、ソッと不味いMPポーションを置いてアトリエを出た。

 MPポーションでお腹がたぷんたぷんになる前に、出来れば良いなと思った。




 無事梱包まで終えて就寝し、翌日集荷に来て貰い発送した。

 1万本の送料も馬鹿にならないが、それ以上に稼いでいるので銀行通帳の0の桁が面白い事になっている。

 アンナには、確定申告するための税理士の資格を取ってもらうべく勉強して貰っている。

 外注にしようかと思ったが、山田家の内情を外に漏らすのは危険なので、私達の中で一番頭が良いアンナに税理士になって貰うことにした。

 元々、商業ギルドで似た仕事をしていたので勝手は違えど飲み込みが早かった。

 ギリギリで試験申込に間に合い、実際試験されるのは12月。発表は3月だ。

 タイトスケジュールだが、これも調整管理しなければ。

 スマートフォンのスケジュール帳アプリに予定を入れていく。

 アンナにお金の管理と運営を任せているので上手く使って増やしてくれるだろう。

 彼女お金大好きで私と従魔契約したくらいだし。

 クリスマスコフレも予定している。先着1000人だ。

 基礎化粧セット(普)+メイクセット(BBクリーム・口紅・チーク・アイシャドウ)を売出す予定だ。

 基礎化粧セットだけで7万はする。サイエスの半分の量しか入ってないからね。メイクセットは完全に私の趣味だ。

 色もトレンドを意識しろと言われそうだが、自分の好みの色しか作らない<キリ☆彡>

 というか、作れない。お試しの意味も込めて作るだけだし、反応が良ければ生産する予定だ。

 梱包は簡易だけど、中身で勝負さ!

 値段も据え置き、10万円だ。

 7万円でも高いのに、10万円出しても買いたいと思う人がいるのかね。

 広告代理店に追加修正でクリスマスコフレの情報を出してもらう事にした。

 1ヵ月5000セットとは別でのクリスマスコフレ1000セット用意することにした。

 これから忙しくなるけど、複製が出来れば仕事も楽になるだろう。

 クリスマスコフレを出したことで、また自分の首を絞めることになるとは、この時は思いもしなかった。


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