62.久々のステータス確認
王都へ行くと云ってもずっと原付に乗り続けるわけにはいかなくて、勿論戦闘になる。
契約カルテットの幸運値と私の悪運が災いしてか、ラスボスとはいかないまでも中ボスクラスのモンスターに遭遇する。
雑魚は、原付で轢き殺しドロップ品の回収するというHit and Awayを繰り返している。
原付も電動スクーターも、雑魚程度なら傷一つ付かないのに、ボスクラスだとちょっと傷が付くんだよね。
最初は、中ボスクラスのモンスターと遭遇してギャーギャー云っていたアンナも、今では悟りを開き魔法で後方支援してくれる。
私は詠唱なんて使わなかったから、詠唱破棄して呪文だけで攻撃していたら驚かれた。
アンナ曰く詠唱>詠唱破棄>無詠唱の順で魔術師の能力が如実になるという。
魔法なんてイメージと発音さえ合っていれば、適正がなくても発動する。
ただし、適正がない場合は発動しても威力は限りなく弱いが。
アンナの場合は風魔法適正が高く、レベル3で風魔法が中級まで使えるのが凄い。
アンナは地頭が良いので、私と留美生で理科・科学を叩き込んだらグングン吸収して独自の風魔法を編み出していた。
本当、留美生以外は皆チートだよね。
しかも極振りの縛りプレイなスタイルが特徴の濃ゆいメンバーだ。
「いい加減、このボス戦には飽きたわ。に毎度遭遇するモンスターが、私らよりレベルが高いのがムカツク」
倒しても倒しても30分に1回の確率で遭遇するのは、『飽きた』の一言に尽きる。
「その割には余裕で倒してるやん」
パパッパパッと、ドラゴンフライとM85を乱射する留美生はケロっとした顔で宣う。
「契約カルテットが作った武器がチート過ぎて笑える」
作った武器は回収を厳命したら、楽白が肉球斧に糸をくっ付けて赤白ちゃんと紅白ちゃんが投擲して、敵を薙ぎ払っている。
サクラはエリアヒールを覚えたのか、抜群のタイミングで回復をしてくれるのでHPもMPも減らない。
留美生と私は、ほぼ物理攻撃である。
「うちら、攻撃で一切魔法使用してないよね~」
「あ~、確かにせやね。聖魔法取得しとるけど、サクラちゃんがおるし使う機会がないねんもん。仕方なくね?」
それは脳筋と云うのだよ、妹よ。
口には出さないが、私は残念な子を見る目で妹を見た。
「私は、戦闘以外でちょこちょこ使っているけど。スキルレベルが上がるほどの熟練度はないからなぁ。どうせなら、王都までの間は物理攻撃禁止で魔法オンリーで戦闘しない?」
「それは、流石に厳しいと思いますよ。MPにも限界がありますし」
後方からアンナの突っ込みに、私は大丈夫と契約カルテットを指した。
「あの子らが物理で殺ってくれるから、留美生はヒール修得から初めて。私は、全属性取得しとるから相性が良いのを伸ばしていくわ。アンナは、そのまま風魔法を上級まで修得出来たら別の属性魔法を覚えるんやで」
軽口を叩きながら、物理攻撃を止めて魔法をガンガン打ちまくる。
最初は単体で魔法を放っていたが、混合魔法の方が効率も良いし攻撃力も増すので、いつの間にか混合魔法を使うことにシフトしていた。
12回目の中ボス戦に勝利し、ドロップアイテムも結構溜まってきたところで、一旦昼食にすることにした。
留美生が拾った詳細な世界地図のスクロールを読んで、現在地を確認しながら休憩できる少し開けた場所へと移動した。
移動中に出会ったモンスターは、電動スクーターと原付の餌食になったのは言うまでもない。
道から少し外れたところに、開けた場所があったので、そこでお昼にしようと思ったら、どうやらイルビージョーンという、恐竜型のモンスターの巣だった。
いや、本当悪運様だよね。昼食前に、出てこなくても良いのに!
「お腹空いてんのに、本気ウザイんですけど!」
とテーザー銃でドカン。
「この程度の雑魚ならすぐ片せるやん」
とドラゴンフライでズドン。
<楽勝やで~>
<早よ飯食いたいわ>
と蛇ちゃんズによる肉球斧でバコン。
「そういう問題ではないと思いますよ。風よ、眼前なる敵を切り刻めWindCutter!」
と魔法でズバンッ。
誰もかれも酷いね。皆、容赦しないところが素敵だよ。
哀れイルビージョーンが、ドロップ品を残して跡形もなく消えた。これぞ正しく瞬殺。
ドロップされた素材とお金を拾い拡張空間ホームに突っ込む。
全員にcleaningを掛けて、昼食の用意だ。
と云っても、留美生の作り置きだけどね。
留美生はテーブルと椅子を出しお昼ご飯の用意を、私は虫よけと魔物除けの薬を散布する。
「用意出来たで」
と声を掛けられたので、いそいそと席に着いた。
今日はカレーライスか。契約カルテットは、欲しそうにこっちを眺めているが無視。
勝手に上げたら、私まで乾パンの刑に処せられる。
留美生の機嫌が直るまでは、そのまま我慢するんだよ。
「雑魚含めて結構倒したし、レベルも上がっているんじゃね?」
「そうだね。素材も結構溜まっているし、一度ステータスチェックした方が良いかな」
素材は拡張空間ホームに放り込めば、自動的に分類されるので問題なし。
ステータスは逐一自分でチェックしないと、自分の強さが分からないので面倒臭い。
<ステータスは今すぐチェックする必要ないんちゃう?>
<せやで、あの程度の敵倒してもそんなに変っとらんやろう>
<そうですの~。余裕で倒せましたの~>
ステータスチェックを頑なに拒む契約カルテット。楽白は、相変わらず奇妙な踊りをしている。
そんなに見られるのが嫌なのか。
それならば、期待に応えないと!
「じゃあ、全員これからステータスチェックしまーす」
<ええ!>
<後でもええやん>
<見たくないですの~>
怪しさ満点な契約カルテットを無視して、ステータスを表示させていった。
---------STATUS---------
名前:レン(山田花令)
種族:人族[異世界人]
レベル:389→400
年齢:18歳[35歳]
体力:1873→2012
魔力:15002→1584
筋力:1201→1391
防御:1134→1311
知能:1382→1467
速度:1156→1234
運 :218971→321099
■装備:黒のニットシャツ・ジーンズパンツ・スニーカー・綿の鞄
■スキル:契約∞(蛇:赤白・紅白 スライム:サクラ 蜘蛛種:リトルスパイダー [人族:留美生・アンナ])・剣術2・索敵1[30]・[隠ぺい20→33]・[隠密30→31]・魔力操作10→15・上級魔法8→10(全属性)・生活魔法11→12・薬師3→8・精密射撃8→10・念話5→6・マッピング8→11・神託1
■ギフト
[全言語能力最適化]
[拡張空間ホーム共有化]
[鑑定]
[経験値倍化]
■称号:蜂殺し・魔物殺し・竜殺し・ゴブリン殺し
■加護:なし[須佐之男命・櫛稲田姫命]
[■pt統合:204,651,691pt→681,555,432pt]
所持金:金貨29131→30816枚、銀貨28009→44079枚、銅貨110031→258647枚、青銅貨9985070→106705777枚
冒険者ギルド預金:金貨14枚・銀貨9枚・青銅貨6枚
商業ギルド貯金:金貨180枚
薬師ギルド預金:金貨156枚・銀貨3枚・銅貨3枚・青銅貨5枚
---------STATUS---------
名前:ルミナ[山田留美生]
種族:人族
レベル:49→321
年齢:18歳[35歳]
体力:156→1602
魔力:281→1379
筋力:100→826
防御:84→561
知能:128→1314
速度:68→888
運 :77→102
■装備:ボーダーのワンピース・黒のスパッツ・スニーカー
■スキル:料理5→10・射撃5→12・神聖魔法1・神官1・生活魔法1・索敵1[5→15]・隠蔽2[7→10]・隠密[7→10]・魔力操作1・念話1→5・マッピング1・鑑定5→18・細工30・鍛冶30
■ギフト:なし[拡張空間ホーム共有化]
■称 号:蜂殺し・魔物殺し・竜殺し
■加護:なし[須佐之男命・櫛稲田姫命]
[■pt統合]
---------STATUS---------
名前:サクラ
種族:ヒールスライム
レベル:59→192
年齢:0歳
体力:251→400
魔力:711→2801
筋力:58→63
知能:152→287
速度:333→429
幸運:2564→6791
■スキル:聖属性魔法4→10・念話1→6・マッピング1・鑑定5→8・隠蔽5→7・変化6
■ギフト:なし[拡張空間ホーム共有化]
■称号:レンの従魔・癒しのマスコット・魔物殺し・竜殺し
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
[■pt統合]
---------STATUS---------
名前:赤白
種族:蛇/スノー
レベル:62→193
年齢:1歳
体力:532→2060
魔力:11→31
筋力:1034→3001
知能:154→253
速度:1281→2895
幸運:193872→337561
■スキル:丸飲み20→29・絞め殺し53→58・念話1→4・マッピング1・鑑定5→10・隠蔽5→10・変化5
■ギフト:なし[拡張空間ホーム共有化]
■称号:レンの従魔・癒しのマスコット・魔物殺し・竜殺し
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
[■pt統合]
---------STATUS---------
名前:紅白
種族:蛇/ウルトラアネリモトーレ
レベル:61→197
年齢:0歳
体力:333→2131
魔力:8→23
筋力:915→3129
知能:162→244
速度:2812→4012
幸運:208327→400920
■スキル:丸飲み10→16・絞め殺し50→54・念話1→5・マッピング1・鑑定5→17・隠蔽5→10・変化5
■ギフト:なし[拡張空間ホーム共有化]
■称号:レンの従魔・癒しのマスコット・魔物殺し・竜殺し
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
[■pt統合]
---------STATUS---------
名前:楽白
種族:蜘蛛/リトルスパイダー(幼体)
レベル:63→199
年齢:0歳
体力:1→3
魔力:3→8
筋力:5→10
知能:180→210
速度:1319→11112
幸運:5482→210753
■スキル:糸操3→11・糸吐き5→28・毒耐性10→15・索敵30→33・看破2→5・マッピング1・隠蔽5→18・変化5
■ギフト:韋駄天・[拡張空間ホーム共有化]
■称号:レンの従魔・癒しのマスコット・魔物殺し・竜殺し
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
[■pt統合]
---------STATUS---------
名前:アンナ
種族:人族[サイエス人]
レベル:3→87
年齢:22歳
体力:5→329
魔力:151→981
筋力:7→34
防御:8→23
知能:375→1123
速度:1→22
幸運:412→3489
■装備:白のシャツ・黒のパンツ・スニーカー
■スキル:値切り53・交渉23・魔力操作1→22・生活魔法5・風魔法2→10(中級→上級)・並列思考1→8・隠蔽10・索敵8→21・隠密8→14・念話1→9
■ギフト
[鑑定10→22]
■ギフト:拡張空間ホーム共有化
■称号:レンの従魔(制約魔法試行中)
■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命
■pt統合
所持金:金貨21枚、銀貨8枚、銅貨13枚、青銅貨9枚
商業ギルド貯金:金貨1180枚・銀貨1枚・銅貨6枚・青銅貨6枚
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うん、皆著しく上昇しているね。私なんて人間止めちゃってるんじゃない?
レベル400とか無いわぁ。
留美生が、オールラウンダーな感じだな。
「変化っていつの間に取得したんや?」
契約カルテット全員が、スキルに変化を取得している。
レベル5以上と熟練度もそれなりにある。
「何かの拍子で取得したんとちゃう? でも、相変わらず偏ったステータスやな」
全員のステータスを見ながら、腕力や速度・知力と本当に偏りがあるチームだよ。
留美生以外、運の値がヤバイ事になっている。
「私の悪運がまた上昇しているよ。ゴブ1万討伐は死ぬかと思ったわ」
「あー……あれか。大変やったな。うちも、ゴブ集落を壊してきたけど。1万は流石に相手には出来んわ。契約カルテットがおらんかったら死んでたな」
うんうんと頷く留美生に、私も同意して頷いた。
契約カルテットの幸運様がなければ、今頃土の栄養分になっていた頃だろう。
「私にはゴブ殺しの称号はないんやね」
ちょっぴり残念そうに呟く留美生に、
「一万匹殺せば貰えると思うからガンバ☆彡」
と発破を掛けたらグーパンチされた。解せぬ。




